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第五話
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唇に柔らかいものが当たっていると思ったら、すぐに離れた。目を開くと顔を赤くしたビクトルの顔があって、胸が高鳴る。
「あ、ごめん。勝手に体が動いて」
「どうして、そんなふうに謝るの?私は全然嫌じゃなかったよ」
ビクトルに謝られたので、私は首を横に振った。
「でも、突然キスされて驚いただろう?」
「それは驚きはしたけど、嫌な気持ちにはならなかったよ」
私がきっぱりと言ったら、彼は少し嬉しそうな顔をした。
「そうか……。あ、飲み物を買ってきたんだ。一緒に飲もう」
そう言って、ビクトルがいつの間にかベンチに置いていた飲み物を私に差し出してきた。木製のコップには同じく木製の蓋がついていて、その蓋を開けると温かい紅茶が入っている。
「私、紅茶が好きなの」
「うん、知ってる。だから買ってきたんだ」
私たちはベンチに座って他愛のない話をして、紅茶を飲み終わってから家に帰った。
その翌日、通学バッグにキーホルダーをつけて登校すると、ビクトルも同じようにキーホルダーをつけていた。
「お揃いだね」
私が声をかけると、ビクトルは宝石のような赤い目を細めて笑った。
~END~
「あ、ごめん。勝手に体が動いて」
「どうして、そんなふうに謝るの?私は全然嫌じゃなかったよ」
ビクトルに謝られたので、私は首を横に振った。
「でも、突然キスされて驚いただろう?」
「それは驚きはしたけど、嫌な気持ちにはならなかったよ」
私がきっぱりと言ったら、彼は少し嬉しそうな顔をした。
「そうか……。あ、飲み物を買ってきたんだ。一緒に飲もう」
そう言って、ビクトルがいつの間にかベンチに置いていた飲み物を私に差し出してきた。木製のコップには同じく木製の蓋がついていて、その蓋を開けると温かい紅茶が入っている。
「私、紅茶が好きなの」
「うん、知ってる。だから買ってきたんだ」
私たちはベンチに座って他愛のない話をして、紅茶を飲み終わってから家に帰った。
その翌日、通学バッグにキーホルダーをつけて登校すると、ビクトルも同じようにキーホルダーをつけていた。
「お揃いだね」
私が声をかけると、ビクトルは宝石のような赤い目を細めて笑った。
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