9 / 9
【8話】スキー教室
しおりを挟む
橋爪は泳げない男だった。確かに、見たことはないものの悪魔の世界ではプールなどやらなさそうだ。それならスキーはどうだろう? スキー教室を目前にしてふと思った。彼のことだから、スキー場の雪をすべてかき氷にして食べてしまうのではなかろうか。そして翌日腹を壊すのではないだろうか。
ただ、いくら彼のことを知ったと思って次を予測しても裏切られる。次も何かしらの手口で裏切ってくるのではないだろうか。逆にスキーが実は得意という場合もある。スキー教室の宿泊先で着替える時、ふと橋爪に目をやる。着替える手は進んでいない。彼はわかりやすい男だから、得意ならさっさと着替え終えているはずだ。苦手だということはわかった。
彼は水をガブガブ飲みながら着替えていた。やるしかないと腹を括ったはいいが緊張している、といった状況だろうか。そのうち橋爪はいそいそとトイレにいった。しかし一向にトイレから戻ってこない。集合時間が近づいていたので、仕方なく先にその場に行っていることにした。
集合時間ギリギリに彼は現れた。汗だくである。走ってきたのだろう。と思いきや、汗を飛ばすかのように彼はその場で回転しだした。友達の汗であろうとかぶりたくない僕たち生徒はとりあえず逃げるために室内に入った。それからというもの一部始終を見ていたが彼は回転を止めずにあちこち動き回る。大量の汗が飛び、晴れという天気も手伝って、一部の雪が解けた。僕は頭を抱えた。これが狙いか。雪を溶かせばいいと考えて汗を出すために水を大量の水を飲み、汗をかくためにトイレで大量のカイロを張り付けてきたのだろう。細かいところは違うかもしれないが、大方、こんなもんだ。
でも、彼の計画は失敗に終わった。いくら悪魔と言えど、汗のスプリンクラーにはなれないらしい。そしてそんな量では山全体の雪を溶かしきるなぞ無理なことである。大量の汗で体が冷え、青ざめながら初めてのスキーを頑張った彼は賞賛に値すると陰ながら思った。
ただ、いくら彼のことを知ったと思って次を予測しても裏切られる。次も何かしらの手口で裏切ってくるのではないだろうか。逆にスキーが実は得意という場合もある。スキー教室の宿泊先で着替える時、ふと橋爪に目をやる。着替える手は進んでいない。彼はわかりやすい男だから、得意ならさっさと着替え終えているはずだ。苦手だということはわかった。
彼は水をガブガブ飲みながら着替えていた。やるしかないと腹を括ったはいいが緊張している、といった状況だろうか。そのうち橋爪はいそいそとトイレにいった。しかし一向にトイレから戻ってこない。集合時間が近づいていたので、仕方なく先にその場に行っていることにした。
集合時間ギリギリに彼は現れた。汗だくである。走ってきたのだろう。と思いきや、汗を飛ばすかのように彼はその場で回転しだした。友達の汗であろうとかぶりたくない僕たち生徒はとりあえず逃げるために室内に入った。それからというもの一部始終を見ていたが彼は回転を止めずにあちこち動き回る。大量の汗が飛び、晴れという天気も手伝って、一部の雪が解けた。僕は頭を抱えた。これが狙いか。雪を溶かせばいいと考えて汗を出すために水を大量の水を飲み、汗をかくためにトイレで大量のカイロを張り付けてきたのだろう。細かいところは違うかもしれないが、大方、こんなもんだ。
でも、彼の計画は失敗に終わった。いくら悪魔と言えど、汗のスプリンクラーにはなれないらしい。そしてそんな量では山全体の雪を溶かしきるなぞ無理なことである。大量の汗で体が冷え、青ざめながら初めてのスキーを頑張った彼は賞賛に値すると陰ながら思った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
パンティージャムジャムおじさん
KOU/Vami
児童書・童話
夜の街に、歌いながら歩く奇妙なおじさんが現れる。
口癖は「パラダイス~☆♪♡」――名乗る名は「パンティージャムジャムおじさん」。
子供たちは笑いながら彼の後についていき、歌を真似し、踊り、列は少しずつ長くなる。
そして翌朝、街は初めて気づく。昨夜の歌が、ただの遊びではなかったことに。
【親子おはなし絵本】ドングリさんいっぱい(2~4歳向け(漢字えほん):いろいろできたね!)
天渡 香
絵本
「ごちそうさま。ドングリさんをちょうだい」ママは、さっちゃんの小さな手に、ドングリさんをのせます。
+:-:+:-:+
ドングリさんが大好きな我が子ために作った絵本です。
+:-:+:-:+
「ひとりでトイレに行けたね!」とほめながら、おててにドングリさんを渡すような話しかけをしています(親子のコミュニケーションを目的にしています)。
+:-:+:-:+
「ドングリさんをちょうだい」のフレーズを繰り返しているうちに、子供の方から「ドングリさんはどうしたらもらえるの?」とたずねてくれたので、「ひとりでお着がえできたら、ドングリさんをもらえるよ~」と、我が家では親子の会話がはずみました。
+:-:+:-:+
寝る前に、今日の「いろいろできたね!」をお話しするのにもぴったりです!
+:-:+:-:+
2歳の頃から、園で『漢字えほん(漢字が含まれている童話の本)』に親しんでいる我が子。出版数の少ない、低年齢向けの『漢字えほん』を自分で作ってみました。漢字がまじる事で、大人もスラスラ読み聞かせができます。『友達』という漢字を見つけて、子供が喜ぶなど、ひらがなだけの絵本にはない発見の楽しさがあるようです。
+:-:+:-:+
未満児(1~3歳頃)に漢字のまじった絵本を渡すというのには最初驚きましたが、『街中の看板』『広告』の一つ一つも子供にとっては楽しい童話に見えるようです。漢字の成り立ちなどの『漢字えほん』は多数ありますが、童話に『漢字とひらがなとカタカナ』を含む事で、自然と興味を持って『文字が好き』になったみたいです。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる