僕の隣の日本悪魔

雑賀草

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【7話】水泳記録会

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 ある学校とない学校があるだろうが、僕の中学校には水泳記録会という行事がある。まあその名の通り泳いで記録を測定するわけだが、不人気な行事である。その理由の一つに水泳が苦手な人が多いということが挙げられる。泳ぐのだけでも嫌なのにタイムまで測るの? というわけだ。僕はこの行事が好きなのだが。
 行事だと何かしら張り切ってやらかす橋爪は、今日はおとなしい。普通とかではなく、おとなしい。悪魔ってすごく泳ぐの速そう、と誰かが言った。それに対して橋爪は弱々しく笑う。僕はふと思った。彼は泳ぎに自信がない。でなければこんなにおとなしくなるようなやつではないし、あんな笑いを見せるやつでもない。
 そういえば、昨年彼が転校してきたのは秋だった。だから彼には記録がない。普通、2年生と3年生は前年の水泳記録会の記録を元に遅い人から順に泳がされるのがうちの学校である。しかし彼には記録がないから、彼は一番速い人よりも後に泳ぐことになっていた。
 水泳記録会は進んでいく。しかし一番速い人が飛び込みをした後、異変は起こった。プールの水位が明らかに減ってきているのである。そのプールの水を減らしているやつは飛び込みが危なくならないように配慮したのだろうが、そんな配慮をしていても異常なものは異常である。
 ご想像の通りプールの水を減らしていたのは橋爪だった。彼は太めのタピオカを飲めるようなストローをプールにさし、プールの水を飲んでいた。よほど泳ぎたくなかったのか、よほど喉が渇いていたのか。おそらく前者だろう。顔が苦しそうだ。僕は彼が転校してきて初めて、彼のことを汚いと思った。
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