今日から、契約家族はじめます

浅名ゆうな

文字の大きさ
48 / 52
番外編

新婚旅行へ行こう 7

しおりを挟む
 髪の毛をヘアアイロンで巻かれている間にも、体をマッサージされる。
 二人の女性がにこやかに、かつテキパキとひなこを作り替えていく。
 戸惑いも覚めやらない内に始まったブライダルメイク。ひなこは息の合った作業を鏡の前で見守るしかなかった。
 血管や色むらを補整するために、手の甲から背中まで丁寧にファンデーションが塗られていく。メイクは濃すぎず、あくまで清楚な華やかさを演出する程度。不自然に見えないように、という旦那様のリクエストらしい。
 ブライダル用の補整下着は、サイズを調整できるものだった。肌に触れるものを雪人に準備されるなんて物凄く恥ずかしかったが、ぴったりサイズでなかったことがせめてもの救いだ。
 ウェディングドレスは、エンパイアラインのもの。こちらも両脇で編み上げるタイプのものだったため、サイズには問題なかった。ラインがゆったりとしたドレスということもあって、丈さえ合えば何とかなる。雪人の配慮にはうなるしかない。
 全体に細かいビーズが散りばめられていて、透けるほど薄い純白のレースが胸下から花びらのように幾重にも重なり合いながら裾へと広がっている。背後に広がるトレーンは華やかで流麗だ。
 髪はドレスの雰囲気に合わせ、フワフワに巻いたまま結い上げていない。ベビーピンクや白のミニバラで作られた花輪がティアラの代わりだった。
 手には花輪と同系色でまとめられたブーケ。アンティークピンクのネイルで指先を飾れば完了だ。
 やたらと褒めちぎられながら、花嫁の控え室であるパウダールームを出る。メイクを担当した二人は、ひなこの介助もしてくれた。ついでに歩き方も簡単に指導される。
 ドレスを気持ち蹴り上げるようにしながら、ぎこちなく歩く。裾を踏まないよう集中しすぎると姿勢が悪くなってしまうので、本当に裾さばきが難しい。
 そうして必死になっていたから、雪人が立っていることに気付くのが遅れた。
「ひなこさん……すごく、綺麗だ」
「あ……雪人さん」
 顔を上げると、思いの外近い位置に彼の顔があって驚く。蕩けるような笑顔が眩しい。
 心得たもので、介添人の二人は音もなく離れていった。
 それ以上言葉を発しようとしないひなこに、雪人は眉尻を下げた。
「まだ、怒ってる?」
 彼の態度は、まるで叱られる前の子どもだ。高い身長を縮めて肩をすぼめる姿に、苦笑が込み上げてくる。結局ひなこは、好きな人が何をしても大抵のことは許してしまえる性質なのだ。
「……私が、ご両親に直接挨拶もせず籍を入れたことを、後ろめたく思っていたから、なんですよね」
 ひなこがずっと負い目を感じていることに、雪人は気付いていた。
 それゆえに顔を合わせる機会を作ったのなら、なおさら彼を責める言葉に詰まる。がどんなに強引でも、間違いなくひなこへの思いやりなのだから。
「怒ってなんていませんよ。雪人さんも、とても格好いいですね」
 光沢のある黒のタキシードをさらりと着こなす雪人の全身を眺め、ひなこは頬を上気させた。本当に、自分には勿体ないくらい素敵な旦那様だ。
 微笑み合っていると、すっかり準備を整えた譲葉達がやって来た。
「ひなちゃん、凄く綺麗だ」
「ありがとう。譲葉ちゃんも可愛いね」
 こちらも用意されていたようで、夜空の色のフォーマルワンピースは凛とした譲葉の美貌に似合っている。その後ろにいる楓や柊、茜もフォーマルスーツを身にまとっていた。
 柊と茜は、なぜかいつものように距離を詰めようとしなかった。譲葉の背中に隠れるようにして、やけにモジモジしている。
 首を傾げるひなこに、楓が近付いてきた。
 目的地も、何もかも知っている素振りだった彼も、サプライズに加担していたのだろうか。旅行前に雪人と二人きりで何か話していたから、もしかしたらその時打ち明けられていたのかもしれない。
「……楓君は、知ってたんだね」
 ひなこのやや恨めしげな呟きを、彼は否定しなかった。
「――幸せになれよ」
 まるで娘を送り出す父親のような口振りに、思わず吹き出してしまった。
「もうとっくに幸せだよ」
「あぁ。……だろうな」
 ひなこの笑顔を心に焼き付けるように見つめると、楓は目映げに目を細めて笑った。


 そして、結婚式が始まった。
 荘厳なパイプオルガンの音色が響く聖堂。ステンドグラスから優しい光が射し込む中、一歩一歩進んでいく。
 親族のみの集まりとはいえ、雪人の両親がいるので緊張する。足が震えそうになったけれど、正面でひなこを待つ雪人の笑顔に気付き、少しだけ微笑み返すことができた。
 ヴェールダウンには、今までの人生に一つの幕を下ろす、という意味合いもあるらしい。本来なら母親など、一番身近な家族に下ろしてもらうのが一般的だ。
 そしてヴェールを上げるのは、これから新しい人生を共に歩む人。
 祭壇の前で止まり、雪人と向かい合う形で少し身を屈める。彼は慎重な手付きで、長いヴェールを上げた。
 明瞭になった視界は、大好きな人の笑みでいっぱいになる。
 母親を喪ったひなこに、大切な人は増やしていけるのだと教えてくれた人。かけがえのない人。
 粛々と式が進行していく間にも、じわじわとした実感に幸せを噛み締めていた。
 ――私、本当に結婚式してるんだ……。
 あまりにも夢のようで、怖くなる。触れたら壊れたりしないだろうか?
 神父に促され、再び向き合う形になる。雪人の顔が、ゆっくりと近付いてきた。
 ふわふわした気持ちでいたために、誓いのキスが目覚めを促すもののように思えた。羽根のように柔らかく触れ、すぐに離れていったその感触は、これが決して夢じゃないと教えてくれる。
 ――あ。初めての、キスだ……。
 唇を触れ合わせたのは、初めてだった。
 きっと緊張でガチガチになってしまうだろうと想像していたけれど、意外にあっさりしたものだった。家族の前だという羞恥心さえ忘れていた。
 未だにぼんやりし続ける花嫁を見て、雪人は不安げに眉を寄せる。ひなこは安心させるために微笑んだ。本当に、夢のような心地。
 式を終えると、みんなにさんざん祝福されながら食事会をした。
 花江と賢蔵もいるため、家族で囲むテーブルには椅子が八つ。賑やかで楽しい光景に、終始微笑んでいた。
 あっという間に時が過ぎ、辺りが夜のとばりに包まれる頃。ひなこは雪人と二人きりになっていた。どうしても離れがたくて、用意されていた譲葉との二人部屋に戻らず、雪人の部屋にお邪魔していた。
 心地よい疲労感はあるけれど、神経が昂っているようでやたらと目は冴えていた。熱に浮かされている時に似ている。
「とっても楽しい旅行でしたね。明日には日本なんて、少し名残惜しいです」
 よく冷えたレモネードに口を付けながら、雪人に話し掛ける。彼は夕食中からお酒を嗜んでいた。白ワインはレモネードと色が似ているため、同じものを飲んでいるみたいで嬉しくなる。
「雪人さんのご両親が、優しい人達で安心しました。あ、その、雪人さんを育てたんだから、優しいのは当然なんですけど」
 自分でも何を言っているのか分からなくなって、ひなこは赤くなった。その頬を、ソファの隣に座る雪人がゆっくりとなぞる。
「よかった。ひなこさんに嫌われたらどうしようかと思った。あんなでも、一応大切な両親だからね」
「そんな。嫌うなんてあり得ませんよ」
「うん。嬉しかった」
 ひなこの手から、雪人がそっとグラスを奪う。眼差しを交えると、包み込むように抱き締められた。
 アルコールのためか、彼の体はひどく熱いような気がした。その熱の高さになぜだかうっとりしてしまう。結婚式から続くふわふわした感覚が頭を痺れさせているみたいだ。
 唇が落とされるのを、ひなこは待ち焦がれていた気さえした。
 誓いのキスよりほんの少し長いキス。雪人の唇がゆっくり離れていく。目を合わせ、また唇が重なった。
 雪人の眼差しが熱い。ひなこまでその熱が移されているみたいで、体が熱くなっていくのが分かる。
「――――嫌?」
 消え入りそうにささやかな声で落とされ、ほんの少し体を強張らせる。
 その問いの意味が分からないほど、もう子どもじゃない。
 まして、ひなこを包む両腕は本当に優しすぎて、容易くほどけてしまいそうな慎重さなのだ。臆病な優しさを、ひなこの方こそ繋ぎ止めたくなるほどで。
 広い背中に、恐る恐る腕を回す。彼の白いシャツを、ぎゅっと握った。
「嫌じゃ、ないです。……二十歳までなんて、私も待ちたくない。待てません」
 雪人の両腕に力がこもった。ひなこを潰さないようにとすぐに緩められたけれど、骨がきしむような強さに、彼の想いが全て込められている気がした。
「――あまり、煽らないで」
 火傷しそうに熱い吐息が耳をなぞる。
 ひなこは固く目を閉じたまま、深くなっていく口付けを受け入れた。

   ◇ ◆ ◇

 翌朝の早朝。
 雪人の両親は、既にマカオを発った後だった。ついでにシンガポールとベトナムに行くと伝言が残されていた。呆れるほどのフットワークの軽さだ。
 ホテルをチェックアウトして移動のバスに揺られている最中、ついうとうととするひなこを見て楓は胡乱げに眉をひそめた。
「……昨日の夜、何かあったのか?」
 心臓に悪い問いかけに、眠気が一瞬で吹き飛んでいく。ひなこは無理やり顔中に笑みを張り付けた。
「な、何かって?」
「眠そうだし、疲れてるみてーだし」
「ねねね眠くないし、全然元気百倍だよ!」
「何でいきなり愛と勇気だけが友達のヒーローみたいなこと言い出してんだよ。……やっぱ絶対何かあっただろ」
 何を言っても疑いを深めるばかりで、ひなこはますます動揺してしまう。顔が勝手に赤くなっているのが分かる。
 助け船を出したのは譲葉だった。
「その辺でやめておきなよ。父親のそういう話はあまり聞きたくないし、詳しく知れば自分の傷口を抉るだけでしょう」
「ゆ、ゆずりはちゃん……」
 庇ってもらえたこと自体は嬉しいが、どうしても素直には喜びづらい。
 柊と茜はさすがに首を傾げているものの、年長組の譲葉には全てお見通しのようだ。昨夜部屋に帰らなかったため、気付かれても仕方ないのだが。
 物凄く居たたまれない気持ちにますます顔を赤くしていると、子ども達のやり取りを楽しげに見守っていた雪人が口を開いた。
「何もなかったよ。ねぇ、ひなこさん?」
「わわた、私に聞かないでくださいっ!」
 ひなこが怒ってみせても、雪人はひどくご機嫌だった。
 笑顔の爽やかさは三割増しだし、ひなこを見つめる瞳の甘やかさなんて五割増しだ。
 これでは、黙っていても知られてしまうに決まっている。
 挙動不審な自らの態度も一因だとは気付かないまま、ひなこの新婚旅行は幕を閉じるのだった。

                  END
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。