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最終章・アイドルの幸せ
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***
-マーレ王国・王宮-
現代
静寂した部屋に、冷たい風が吹き抜ける。
「そんな………」
「エイビス様は…エレジー様を…愛していなかった…だと?」
ガクッ…と、真実を知ったソヌスは地面に膝をつき、呆然とする。
マーレの王族をはじめ民は、エイビスとエレジーに「愛」があったからこそ「ベルヴァの罪」が、許せなかったのだ。
ソヌス自身も、幼い頃から
「引き裂かれた二人の「愛」を、子孫である自分達が「成就」させる」
「マーレの「王妃の座」は、聖歌人だけに与えられるもの」
そう、教育され生きてきた。
それが「根本」から間違っていたと分かり
「…自分が今までしてきたことは……」
ソヌスは動揺が隠せなかった。
「…エイビス様は、そのまま亡くなったようです」
「…残されたマーレの重役は、エイビス様とエレジー様の「歪んだ愛」を「美談」として語り、全ての「罪」を「ベルヴァ」に擦り付け、ベルヴァを「世界から孤立」させました」
レオンは表情のない顔で、淡々とソヌスに語り続けた。
「エイビス様の死と、立場が悪くなったベルヴァ…エレジー様は自分を責め続けたそうです」
「そういったストレスからか、エレジー様は体調を壊し早産……産後の出血が酷く……」
「我が子を胸に抱くことも出来ず、亡くなったようです…」
メモリーアイには、衰弱したエレジーに寄り添う、ヴォルフの姿が映し出された。
僅かに膨らんだ腹を撫でながら、エレジーはヴォルフに子供を託し
「もう2度と聖歌人は生まれてこない」
「悲劇は2度と繰り返さない」
涙ながらに、そう誓ったのだった。
***
「……残されたヴォルフ様は「沈黙」を貫いたそうです」
「真実を語ることもなく、言い訳をすることもなく…流れる「噂」に「否定も肯定」もしなかった…」
「それを、マーレは都合よく「解釈」し、現代にまで「影響」を与え続けてきた…」
レオンは「哀れな母」を思い、拳を固く握りしめる。
皆が言葉を失い、唖然とする中
「……………はぁー………」
ウルティムスの大きなため息が、辺りに響き渡った。
「別に、今更「真実」なんてどうだっていいんだよ…起きたことに変わりはねぇーし」
「ヴォルフもそう思ったから、沈黙を貫いたんだろう……ただ…」
ウルティムスは頭をガシガシしながら、ソヌスに近付き
「これ以上、俺様達が「犠牲」になる意味ってあるのか…?あ"ぁ"っ?」
「……!!」
目線を合わせて、問いかけた。
力強いピンクゴールドの瞳に、ソヌスは息を呑む。
「既に当人達はそれなりの「代償」を払ってる…これ以上、あんたらは何を望む?」
「……愛した奴の手を放すな…」
「…………っ…」
ウルティムスの言葉に、ソヌスは俯き、視線を地面に向けた。
すると
『♪~♪♪~♪~』
美しいフルールの歌声が耳に届き、ソヌスはゆっくりと顔を上げる。
テレビ越しに見る楽しそうな民の笑顔と、フルールの「癒し」の歌声に
「………まだ……間に合うのだろうか…?」
ソヌスは小さく呟いた。
レオンはソッ…と、ソヌスに近付き
「母上は…言っていました…」
「言葉はなくても、思いは繋がっている、と…」
「会いに行きましょう、母上に…」
笑みを浮かべながら、ソヌスの手を握った。
「……っ……レオン…すまなかった、今まで……」
「……イーと、そなたを…愛おしく思わない日など、1日だってなかった………だが、我は…」
子供のように泣き出す「素」の父の姿に、レオンは
「わかっています…あなたは「マーレの王族」として「勤めを果たそう」としただけです…」
「……っ……レオン………イーに会いたい……」
「どっちが「親」なんだか…」と、呆れつつも、歓喜に満ち溢れていたのだった。
***
その後
レオンはソヌスを母・イーリスの元へと、連れて行った。
「……ふぅー…何とか、丸く収まりましたね」
「えぇ……戦にならず安心しました」
ウィズダムとビクトリアが安堵しつつ、我らの「王」こそ、ウルティムスに視線を向けると
『~♪~♪~♪♪~』
「…………………………」
ずっっっっっ…と、テレビ越しの「番」に釘付けだった為、二人は苦笑いしたのだった。
すると
『寂しいけど………次でラストの曲になります』
『この歌は「新曲」で……「番」のことを思って作りました!』
「!!!!!」
フルールの衝撃発言に、ソワソワし出すウルティムス。
まさに、釘で打ち付けられたような状態だったウルティムスが、今度は忙しなく動き始めたのだった…。
***
-マーレ王国・王宮-
現代
静寂した部屋に、冷たい風が吹き抜ける。
「そんな………」
「エイビス様は…エレジー様を…愛していなかった…だと?」
ガクッ…と、真実を知ったソヌスは地面に膝をつき、呆然とする。
マーレの王族をはじめ民は、エイビスとエレジーに「愛」があったからこそ「ベルヴァの罪」が、許せなかったのだ。
ソヌス自身も、幼い頃から
「引き裂かれた二人の「愛」を、子孫である自分達が「成就」させる」
「マーレの「王妃の座」は、聖歌人だけに与えられるもの」
そう、教育され生きてきた。
それが「根本」から間違っていたと分かり
「…自分が今までしてきたことは……」
ソヌスは動揺が隠せなかった。
「…エイビス様は、そのまま亡くなったようです」
「…残されたマーレの重役は、エイビス様とエレジー様の「歪んだ愛」を「美談」として語り、全ての「罪」を「ベルヴァ」に擦り付け、ベルヴァを「世界から孤立」させました」
レオンは表情のない顔で、淡々とソヌスに語り続けた。
「エイビス様の死と、立場が悪くなったベルヴァ…エレジー様は自分を責め続けたそうです」
「そういったストレスからか、エレジー様は体調を壊し早産……産後の出血が酷く……」
「我が子を胸に抱くことも出来ず、亡くなったようです…」
メモリーアイには、衰弱したエレジーに寄り添う、ヴォルフの姿が映し出された。
僅かに膨らんだ腹を撫でながら、エレジーはヴォルフに子供を託し
「もう2度と聖歌人は生まれてこない」
「悲劇は2度と繰り返さない」
涙ながらに、そう誓ったのだった。
***
「……残されたヴォルフ様は「沈黙」を貫いたそうです」
「真実を語ることもなく、言い訳をすることもなく…流れる「噂」に「否定も肯定」もしなかった…」
「それを、マーレは都合よく「解釈」し、現代にまで「影響」を与え続けてきた…」
レオンは「哀れな母」を思い、拳を固く握りしめる。
皆が言葉を失い、唖然とする中
「……………はぁー………」
ウルティムスの大きなため息が、辺りに響き渡った。
「別に、今更「真実」なんてどうだっていいんだよ…起きたことに変わりはねぇーし」
「ヴォルフもそう思ったから、沈黙を貫いたんだろう……ただ…」
ウルティムスは頭をガシガシしながら、ソヌスに近付き
「これ以上、俺様達が「犠牲」になる意味ってあるのか…?あ"ぁ"っ?」
「……!!」
目線を合わせて、問いかけた。
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「既に当人達はそれなりの「代償」を払ってる…これ以上、あんたらは何を望む?」
「……愛した奴の手を放すな…」
「…………っ…」
ウルティムスの言葉に、ソヌスは俯き、視線を地面に向けた。
すると
『♪~♪♪~♪~』
美しいフルールの歌声が耳に届き、ソヌスはゆっくりと顔を上げる。
テレビ越しに見る楽しそうな民の笑顔と、フルールの「癒し」の歌声に
「………まだ……間に合うのだろうか…?」
ソヌスは小さく呟いた。
レオンはソッ…と、ソヌスに近付き
「母上は…言っていました…」
「言葉はなくても、思いは繋がっている、と…」
「会いに行きましょう、母上に…」
笑みを浮かべながら、ソヌスの手を握った。
「……っ……レオン…すまなかった、今まで……」
「……イーと、そなたを…愛おしく思わない日など、1日だってなかった………だが、我は…」
子供のように泣き出す「素」の父の姿に、レオンは
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「……っ……レオン………イーに会いたい……」
「どっちが「親」なんだか…」と、呆れつつも、歓喜に満ち溢れていたのだった。
***
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「…………………………」
ずっっっっっ…と、テレビ越しの「番」に釘付けだった為、二人は苦笑いしたのだった。
すると
『寂しいけど………次でラストの曲になります』
『この歌は「新曲」で……「番」のことを思って作りました!』
「!!!!!」
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