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最終章・アイドルの幸せ
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***
-バダク王国・闘技場-
暗い夜空に明かりを灯すかのように、小さくもキラキラと輝く星々。
圧倒的な存在感を放つ満月の光は、辺りを明るく照らす。
「この歌は「番」のことを思って作りました…」
「…どうか、この歌が「彼」に届きますように…」
フルールの白い金色の髪は、まるで宝石を散りばめたかの様にキラキラと輝き揺れていた。
その姿はとても神秘的で、後に「月の女神」のようであったと、民は語る。
すると
しっとりとしたメロディが闘技場に流れだし、フルールはスゥー…と、息を吸い込む。
薄く開かれたフルールの瞳は、切なげに揺れていたのだった。
***
♪~♪♪~♪~♪
『-暗闇に浮かぶ「月」は まるで「君」のようだね?-
-そう問いかけても 返ってくる「聲」はない-
-野に咲く「花」は いつか君へと辿り着くだろうか?-
-そう呟いても 答えてくれる「聲」はない-
-それでも僕は 今日も唄う-
-寂しさを 「勇気」に変えて-
-愛おしいは 「涙」に変える-
-流した涙に「方舟」を浮かべ -
-「月」が浮かぶ空の向こう いつか漕ぎ出せると信じてる-
-嵐は去り 虹が架かる-
-伝う涙はそのままに いま「方舟」を漕ぎ出す-
-「月」を探してる-
-暗闇に浮かぶ「月」だけが 「花」を咲かすのだから-』
♪~♪♪~♪~♪……
***
フルールの切ない歌声に皆が心を奪われ、闘技場は静寂に包まれる。
次第に拍手と歓声の波が広がって行き、やがて割れんばかりの声援がフルールに送られた。
フルールの大きな瞳には涙が溜まるも
「みんな!!今日はありがとう!!」
「また、会おうね!!」
大きく手を降って、笑顔で声援に答えたのだった。
***
-マーレ王国・王宮-
「………」
「「「「「「「………………………………」」」」」」」
公共の電波を使って「自分へのラブソング」を披露するフルールに、ウルティムスは固まっていた。
お供たちはそんなウルティムスをジィ…と、願望と心配の混じった眼差しで見つめる。
すると
「…っ…っ…っ…////////」
顔がみるみるうちに真っ赤に染まり、やがて声にならない叫びをあげた。
咄嗟にウルティムスはその場にしゃがみ込み、体を震わせる。
「…此処で「それ」爆発させないで下さいね、気持ちは分かりますが」
見かねたウィズダムは、ウルティムスにそう問いかけるも
「……もう、した…のに、戻んねぇー…」
想像していた通りのウルティムスの返答に、ウィズダムは眉間を押さえた。
そんな主の姿に、ビクトリアをはじめ騎士達は「今夜」を考え、同情するのだった。
その後
「んふっ、おやおや…ベルヴァの王が、何とも情けないお姿で…」
ソヌスをイーリスの元へと送り届けたレオンが、ヌルッ…と、ウルティムスの「影」から姿を現わした。
「まぁ、仕方ありませんか…最近は「ご無沙汰」ですもんね?」
「すぐにお部屋に案内致しますので、どうぞ思う存分…」
「「発散」させて下さい、ご自分で!んふふふふふっ」
ニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべるレオンに、ウルティムスは殺意が沸く。
だが、一刻も早くこの「熱」を「解放」させたいウルティムスは
「…さっさと、連れてけ」
これ以上、部下達の前で醜態を晒す前に…と、弱々しい声でレオンに命令したのだった。
***
翌日
げっそりとしたウルティムスの姿に、マーレの従者達は驚愕する。
昨夜「欲」を「吐き出すだけ吐き出した」ウルティムスだが、全くスッキリ出来ず。
寧ろ「欲求不満」と「フルールに会いたい」という気持ちに「油」を注ぐ結果となり
「ウィズ!…バダクに向かう準備をしろ!!」
「………承知致しました」
ウィズダムは「憔悴した主の姿」を不憫に思い、大人しく命令に従ったのだった…。
***
-バダク王国・闘技場-
暗い夜空に明かりを灯すかのように、小さくもキラキラと輝く星々。
圧倒的な存在感を放つ満月の光は、辺りを明るく照らす。
「この歌は「番」のことを思って作りました…」
「…どうか、この歌が「彼」に届きますように…」
フルールの白い金色の髪は、まるで宝石を散りばめたかの様にキラキラと輝き揺れていた。
その姿はとても神秘的で、後に「月の女神」のようであったと、民は語る。
すると
しっとりとしたメロディが闘技場に流れだし、フルールはスゥー…と、息を吸い込む。
薄く開かれたフルールの瞳は、切なげに揺れていたのだった。
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♪~♪♪~♪~♪
『-暗闇に浮かぶ「月」は まるで「君」のようだね?-
-そう問いかけても 返ってくる「聲」はない-
-野に咲く「花」は いつか君へと辿り着くだろうか?-
-そう呟いても 答えてくれる「聲」はない-
-それでも僕は 今日も唄う-
-寂しさを 「勇気」に変えて-
-愛おしいは 「涙」に変える-
-流した涙に「方舟」を浮かべ -
-「月」が浮かぶ空の向こう いつか漕ぎ出せると信じてる-
-嵐は去り 虹が架かる-
-伝う涙はそのままに いま「方舟」を漕ぎ出す-
-「月」を探してる-
-暗闇に浮かぶ「月」だけが 「花」を咲かすのだから-』
♪~♪♪~♪~♪……
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フルールの切ない歌声に皆が心を奪われ、闘技場は静寂に包まれる。
次第に拍手と歓声の波が広がって行き、やがて割れんばかりの声援がフルールに送られた。
フルールの大きな瞳には涙が溜まるも
「みんな!!今日はありがとう!!」
「また、会おうね!!」
大きく手を降って、笑顔で声援に答えたのだった。
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-マーレ王国・王宮-
「………」
「「「「「「「………………………………」」」」」」」
公共の電波を使って「自分へのラブソング」を披露するフルールに、ウルティムスは固まっていた。
お供たちはそんなウルティムスをジィ…と、願望と心配の混じった眼差しで見つめる。
すると
「…っ…っ…っ…////////」
顔がみるみるうちに真っ赤に染まり、やがて声にならない叫びをあげた。
咄嗟にウルティムスはその場にしゃがみ込み、体を震わせる。
「…此処で「それ」爆発させないで下さいね、気持ちは分かりますが」
見かねたウィズダムは、ウルティムスにそう問いかけるも
「……もう、した…のに、戻んねぇー…」
想像していた通りのウルティムスの返答に、ウィズダムは眉間を押さえた。
そんな主の姿に、ビクトリアをはじめ騎士達は「今夜」を考え、同情するのだった。
その後
「んふっ、おやおや…ベルヴァの王が、何とも情けないお姿で…」
ソヌスをイーリスの元へと送り届けたレオンが、ヌルッ…と、ウルティムスの「影」から姿を現わした。
「まぁ、仕方ありませんか…最近は「ご無沙汰」ですもんね?」
「すぐにお部屋に案内致しますので、どうぞ思う存分…」
「「発散」させて下さい、ご自分で!んふふふふふっ」
ニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべるレオンに、ウルティムスは殺意が沸く。
だが、一刻も早くこの「熱」を「解放」させたいウルティムスは
「…さっさと、連れてけ」
これ以上、部下達の前で醜態を晒す前に…と、弱々しい声でレオンに命令したのだった。
***
翌日
げっそりとしたウルティムスの姿に、マーレの従者達は驚愕する。
昨夜「欲」を「吐き出すだけ吐き出した」ウルティムスだが、全くスッキリ出来ず。
寧ろ「欲求不満」と「フルールに会いたい」という気持ちに「油」を注ぐ結果となり
「ウィズ!…バダクに向かう準備をしろ!!」
「………承知致しました」
ウィズダムは「憔悴した主の姿」を不憫に思い、大人しく命令に従ったのだった…。
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