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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「誕生日おめでとうアリシア、今日が君にとって素敵な日になる事を祈っているよ」
「おめでとうアリシア、洗礼の儀が楽しみすぎて早く起きてしまったのかしら?司教様は午後にいらっしゃるそうよ」
血の繋がりをしっかりと感じさせる金髪碧眼のイケオジことお父様と某夢の国のプリンセスと並んでも違和感のないお母様が口々に口を開く
ちなみにお母様の髪は赤茶っぽい暖かい感じの色をしていて、個人的にはこっちの遺伝子を受け継ぎたかったなぁ
ブロンドカラーって派手だし、ヤンキーとかパッパラパーなイメージがどうしても拭えないんだよね
「アリーおはよう、そして誕生日おめでとう!今日は歴史的な日になるぞ!なんたってついに聖女が見つかる日なんだからな!!」
朝っぱらから興奮気味に我が兄ランベルトが話しかけてきた
ちょっと…というかかなりのシスコンで私が産まれてからこれまで“天使”だとか“女神”だとかを隙あらば言ってくるもんだから乾いた笑いしか出てこない
全く、“天使”は我が娘リリィに決まっているだろうに
「ランベルト、アリシアはもう洗礼を受けるのだから愛称ではなく名前で呼んであげないとね?君は紳士として、アリシアは淑女としてしっかりと貴族の勤めを果たさなければならないよ?」
前世の記憶に引っ張られて斜め上な事を考えていたらお父様に諌められた
流石“この国の良心”ことレインスター・スレイデン卿である
後ろで朗らかに笑う母、ローザと共に後光がさして見える
「これは失礼いたしましたお姫様貴女が聖女となったあかつきには是非とも私めに守護騎士となる幸運を賜りますようお願い申し上げます。」
「もう、お兄様ったら」
私が聖女と信じて疑わないお兄様にドン引きしつつ、貴族的対応で受け流す
「そうだわ!お父様!私、お願いがありますの。」
そう、こんなくだらないやりとりをいつまでも時間はないのだ
私としては早い事神さまへの抗議をして現状の確認をしなければならないのである
それに…
「司教様がこちらにいらっしゃるとの事でしたが、態々ご足労いただくのは偲び無いです。それに私一人だけの為に洗礼を行うのも勿体ないので、教会にてまだ洗礼を受けていない者達を集めてまとめて行っては如何でしょうか?」
称号に王太子の婚約者があるから余程の事がない限りちょっかいは出してこないだろうが、私の美貌を鑑みると、変態司教がやる気を出してくる可能性があると数時間前に判断したのだ
司教と家族だけでなく教会内で大勢の目があれば変な気も起こしにくくなるだろう
「アリシア、それは素晴らしい考えだね!」
お父様は領民の事を考える娘に大層感激した様子で、街の教会へ志望者を募る早馬を出すよう手配をしている
お兄様が「やはり聖女か」とかなんとかブツブツ言ってるけど気にしない事にした
後々知らされる事にはなるが、変態司教は教会で初めてアリシアを見た時に手籠にできなかった事を激しく後悔したとかしないとか
そんなこんなで急遽行われた洗礼の儀には10~12歳の男女が8名集められ、大いに喜ばれた
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やっほー凛ちゃん♪アリシアちゃんって呼んだ方が良いかな?」
「…アリシアでお願いいたしますわ」
お父様にお願いをした後、豪華なだけで柔軟性皆無な馬車に揺られて街へと向かい教会で洗礼志望者を待っている間に祭壇へお祈りをしてみたところ
真っ白な空間へ意識が飛ばされてエセ天使な神さまとご対面となり、いきなり過ぎて文句を言うタイミングを失ってしまった
おのれ策士め
「さっそく良い仕事してるねぇ、あの司教アリシアにイケナイ事出来なくてすんごい悔しがってるよ」
ケラケラ笑いながら生臭い事を言う神さま
「なんとなくそんな感じがしました、これはどっちかっていうと前世の時の経験値ですね」
「やっててよかったでしょ?」
公○式みたく言うな
「そうかもしれませんね?ですが神さま?私はいつになったら主人公になれるのでしょうか??」
怒りとか憤りとか侮蔑とかが入り混じった感情を笑顔に包んで今回の不手際を指摘する
「人生に脇役なんかない、誰もが主人公さ(イケボ)」
「ホントのところは?」
「手元が狂いましたスミマセン」
「宜しい」
あまりにも馬鹿げた事を名言風に言うもんだからイラッと来て威圧してしまった
「はぁ…もう良いですよ、リセットして難易度上がるのも嫌なのでとりあえずこのまま攻略続けます。」
実はこのゲーム、悪役令嬢との共闘ルートもあるのだ。
掲示板では真実エンドに最も近いのでは?と囁かれているルートだったりもする
しかしこのルート、悪役令嬢の好感度を上げるためのイベントの出にくさと上がりにくさでフラグが中々立たない難易度激高なものなのである。
そこに来て私は自らが悪役令嬢で更には母親(前世)である、リリィへの好感度なんてMAXどころか天元突破している
というかシナリオ通りにリリィに接する事など出来る気がしない
よし!こうなったら今生は前世で出来なかった分リリィを溺愛しよう!と明後日の方向に方針を固めていると
「許してくれるの?流石アリシアちゃんやっさしー♪」
なんてチャラ男ならぬチャラ神がヘラヘラして来たから無言で見つめる
「スミマセンデシタ」
「宜しい」
しょんぼりするくらいなら初めからやらなければ良いのに
「あー、気を取り直してですね?」
なんか無理矢理話題変えようとしているな?それで良いのか神(笑)さまよ
と思ったのだが、次の一言で私は固まる事となる
「セーブしとく?」
「誕生日おめでとうアリシア、今日が君にとって素敵な日になる事を祈っているよ」
「おめでとうアリシア、洗礼の儀が楽しみすぎて早く起きてしまったのかしら?司教様は午後にいらっしゃるそうよ」
血の繋がりをしっかりと感じさせる金髪碧眼のイケオジことお父様と某夢の国のプリンセスと並んでも違和感のないお母様が口々に口を開く
ちなみにお母様の髪は赤茶っぽい暖かい感じの色をしていて、個人的にはこっちの遺伝子を受け継ぎたかったなぁ
ブロンドカラーって派手だし、ヤンキーとかパッパラパーなイメージがどうしても拭えないんだよね
「アリーおはよう、そして誕生日おめでとう!今日は歴史的な日になるぞ!なんたってついに聖女が見つかる日なんだからな!!」
朝っぱらから興奮気味に我が兄ランベルトが話しかけてきた
ちょっと…というかかなりのシスコンで私が産まれてからこれまで“天使”だとか“女神”だとかを隙あらば言ってくるもんだから乾いた笑いしか出てこない
全く、“天使”は我が娘リリィに決まっているだろうに
「ランベルト、アリシアはもう洗礼を受けるのだから愛称ではなく名前で呼んであげないとね?君は紳士として、アリシアは淑女としてしっかりと貴族の勤めを果たさなければならないよ?」
前世の記憶に引っ張られて斜め上な事を考えていたらお父様に諌められた
流石“この国の良心”ことレインスター・スレイデン卿である
後ろで朗らかに笑う母、ローザと共に後光がさして見える
「これは失礼いたしましたお姫様貴女が聖女となったあかつきには是非とも私めに守護騎士となる幸運を賜りますようお願い申し上げます。」
「もう、お兄様ったら」
私が聖女と信じて疑わないお兄様にドン引きしつつ、貴族的対応で受け流す
「そうだわ!お父様!私、お願いがありますの。」
そう、こんなくだらないやりとりをいつまでも時間はないのだ
私としては早い事神さまへの抗議をして現状の確認をしなければならないのである
それに…
「司教様がこちらにいらっしゃるとの事でしたが、態々ご足労いただくのは偲び無いです。それに私一人だけの為に洗礼を行うのも勿体ないので、教会にてまだ洗礼を受けていない者達を集めてまとめて行っては如何でしょうか?」
称号に王太子の婚約者があるから余程の事がない限りちょっかいは出してこないだろうが、私の美貌を鑑みると、変態司教がやる気を出してくる可能性があると数時間前に判断したのだ
司教と家族だけでなく教会内で大勢の目があれば変な気も起こしにくくなるだろう
「アリシア、それは素晴らしい考えだね!」
お父様は領民の事を考える娘に大層感激した様子で、街の教会へ志望者を募る早馬を出すよう手配をしている
お兄様が「やはり聖女か」とかなんとかブツブツ言ってるけど気にしない事にした
後々知らされる事にはなるが、変態司教は教会で初めてアリシアを見た時に手籠にできなかった事を激しく後悔したとかしないとか
そんなこんなで急遽行われた洗礼の儀には10~12歳の男女が8名集められ、大いに喜ばれた
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やっほー凛ちゃん♪アリシアちゃんって呼んだ方が良いかな?」
「…アリシアでお願いいたしますわ」
お父様にお願いをした後、豪華なだけで柔軟性皆無な馬車に揺られて街へと向かい教会で洗礼志望者を待っている間に祭壇へお祈りをしてみたところ
真っ白な空間へ意識が飛ばされてエセ天使な神さまとご対面となり、いきなり過ぎて文句を言うタイミングを失ってしまった
おのれ策士め
「さっそく良い仕事してるねぇ、あの司教アリシアにイケナイ事出来なくてすんごい悔しがってるよ」
ケラケラ笑いながら生臭い事を言う神さま
「なんとなくそんな感じがしました、これはどっちかっていうと前世の時の経験値ですね」
「やっててよかったでしょ?」
公○式みたく言うな
「そうかもしれませんね?ですが神さま?私はいつになったら主人公になれるのでしょうか??」
怒りとか憤りとか侮蔑とかが入り混じった感情を笑顔に包んで今回の不手際を指摘する
「人生に脇役なんかない、誰もが主人公さ(イケボ)」
「ホントのところは?」
「手元が狂いましたスミマセン」
「宜しい」
あまりにも馬鹿げた事を名言風に言うもんだからイラッと来て威圧してしまった
「はぁ…もう良いですよ、リセットして難易度上がるのも嫌なのでとりあえずこのまま攻略続けます。」
実はこのゲーム、悪役令嬢との共闘ルートもあるのだ。
掲示板では真実エンドに最も近いのでは?と囁かれているルートだったりもする
しかしこのルート、悪役令嬢の好感度を上げるためのイベントの出にくさと上がりにくさでフラグが中々立たない難易度激高なものなのである。
そこに来て私は自らが悪役令嬢で更には母親(前世)である、リリィへの好感度なんてMAXどころか天元突破している
というかシナリオ通りにリリィに接する事など出来る気がしない
よし!こうなったら今生は前世で出来なかった分リリィを溺愛しよう!と明後日の方向に方針を固めていると
「許してくれるの?流石アリシアちゃんやっさしー♪」
なんてチャラ男ならぬチャラ神がヘラヘラして来たから無言で見つめる
「スミマセンデシタ」
「宜しい」
しょんぼりするくらいなら初めからやらなければ良いのに
「あー、気を取り直してですね?」
なんか無理矢理話題変えようとしているな?それで良いのか神(笑)さまよ
と思ったのだが、次の一言で私は固まる事となる
「セーブしとく?」
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