異世界球児は二刀流 〜魔法は捕るもの投げるもの〜

嘘…私の能力…弱すぎ！？

「というか君、面白いけど弱いねぇ」

談笑してたらいきなりミラクルさんからディスられた、優しい顔してバッサリ切りつけてきやがった！予想外のダメージに心の中で言い返しておく
やーい！おまえのかーちゃんマーリアー！！

「仰る通り強くはないと思います、しかし元の世界の一般人よりは身体能力フィジカルは鍛えているつもりですが」

こちとらピチピチの17歳じゃい！野球部の中でも筋力、走力、持久力、跳躍力はすべて高い方だったのだ、身長は低いけどな！！

「気を悪くしてしまったのならごめんよ、しかしココに来た他の物達に比べて…余りにも…んー本当は良くないんだけどちょっとステータスを見せてくれないかな？？もちろん僕のも見せるよ！」

切りつけたと思いきや途中で留めていたようで、傷口をグリグリしてくるミラクルさん
そんなんだから弟子に裏切られるんだぞ！

しかしステータスを見せろと言ってもやり方がわからない、というかやっぱりあるのかステータス、素直に聞いてみると謝りながら

「そういえば初めてだったね、いやすまない！やり方は『ステータスオープン』と言えば良いよ」

なんというかテンプレ通りだった、聞かずに試すべきだったか？いや違ってた場合またミラクルさんに弄られる…と言うか現在進行形で弄っているのかも知れない、おのれワイン製造機(赤)め…。

「す、『ステータスオープン』」

おっかなびっくり発音してしまったせいでちょっと吃ってしまったが手元に何か四角い画面が出てきた

ミラクルさんはそんな俺の様子をひとしきりケラケラと笑った後『ステータスオープン』と呟き、出てきた画面を上機嫌で何やら弄っている。
俺を掌で転がして大変ご満悦のご様子だ、ってか掌でどうこうするのは仏教の方だろ！いいかげんにしろ！ウキー！！

『“ミラクルさん”様より情報公開申請が届きました。受理しますか？』

突然脳内にアナウンスが流れる
耳から入ってくる感覚が無い上文字を読んでいるような感覚もある為、直感的に自分のみがアナウンスを把握している事を理解する

「おや？もっと驚くと思って期待していたんだけど？案外適応力は高いみたいだね」

ミラクルさんはそんな事を言いながらも笑っている、くっそぅ絵になるなぁ

と言うかちょっと待てなんで“ミラクルさん”様なんだ？俺一回も口に出してねーぞ
…えーとアレだスマホアプリの名前表示みたいなもんだ電話帳から引っ張ってきてその名前が最初に表示されちゃうやつ、うんきっとそうだよそうニチガイナイ

現実逃避も兼ねて「受理する」と宣言するとまたアナウンスだ

『以下の内容に同意しない限り情報の公開は行えません。同意しますか？』

頭の中には利用規約みたいな長めの情報が流れてくるのだが、直接脳内に叩き込まれている為意識すると隅々まで理解できる、すげーなこれ

情報確認後俺は口を開く

「同意を保留、受理内容を指定情報のみ公開なら申請を受理するに変更」