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月下の友
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急遽決まったゲリラライブだというのに、この日聖☆お姉さんS(with たんパンず)は瞬間最高視聴者数及び視聴持続者数を大幅に更新した
この数字は世界記録となり、後の世代が目標に掲げる金字塔として聳え立つのであった。
要因としては
・午前中の準備動画で出ていた樹さんの数々の発明品が科学者、工学者、生産農家まで幅広く興味を集めた事
・移住PRも兼ねた所謂“高天ヶ原”の観光案内
・丸亀流 VS 田中流 の高段者同士による対決という好カードを格闘ファンが見逃すはずがなく、今まであまりエンタメに興味のなかった本格的脳筋層を根こそぎ一本釣りした事
等が予測されている
余談ではあるが
「もしかしてこの咲山と言うのも冬月氏の作品かい?」
という噴飯物の問い合わせが海外から何件かあったとかなんとか
そして伝説となるライブは惜しまれながらも幕を閉じーーーーー
「焼肉じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「おにくおにくー!!」
第二幕へと移行する
「あらルナちゃん?お野菜もちゃんと食べないと“めっ!”ですよ~?」
午前中子供達の先生をしていた事が影響しているのか、咲穂さんから教育的指導が入る
「ルナお野菜もすき!!だからいっぱい食べるよ咲穂ママ!!茉莉花ちゃんは何食べたい??」
「そうねぇ、何故か並んでるスイーツビュッフェ見たいなスペースは気になるわね」
ニッコニコで返事をして茉莉花ちゃんに話を振るルナ
確かに気になるよねぇ…衛生面とか
あ、樹さんの虫除けがあったや午前中全然虫見なかったしやっぱ効き目バッチリだね!
後の話になるが、美味しそうに野菜を食べる天使の動画を見て
『子供が野菜を食べてくれるようになった』
『拒食症が改善した』
果てには
『生きてみたくなった、ありがとう』
なんていう感謝のコメントが大量に寄せられるのであった
尚、実況板では咲穂さんの“めっ”という高火力兵器の投入により
『ママァァァ!!!』
『せんせぇぇぇぇぇぇ!!!!』
スレが落ちる勢いでコメントが書き込まれていった
ーーーママorせんせぇ論争の始まりである。
「おやおや茉莉花クン?デザートは食後に詰め込むものよ?“めっ!”しちゃうゾ☆」
なにやらポーズを決めながらそんな事を宣うSuicaさん、プロポーションが良いのでどんなポーズも似合うのがシャクに触る
「あんた最後が言いたいだけでしょ…」
「しかも詰め込むあたり色々出てるねー」
案の定うどんさんと蜜柑さんに撃墜されて顔も赤くなり始めてきた
「ホラホラもうSuica固まっちゃったじゃないもう!Suicaー?可愛いわよー?」
芽衣さんが雑にフォローしてますが火に油っすね、ぷるぷる震え出しましたもん
まぁこの照れてるSuicaさんこそ真骨頂でめちゃくちゃ可愛いんですけどね?
「うふふ~♪Suicaさ~ん、そのポーズ何気に完成度高いので開発に落とし込みますね~♪」
頭身の比率やら角度やらぶつぶつと深淵な目をしていた渋澤さんがとびっきりの笑顔でトドメを刺すとSuicaさんはその場に崩れ落ちた
ついでに実況板のSuica板も落ちた
その夜
酔い潰れたおっさん達の収容所となっていた田中道場の縁側に腰掛けて夜空を眺める男がひとり
「俺にも一杯、貰えるか?樹よ」
背後から声をかけ、夜戦病院さながらの様相を危なげなく進んでくるとどかりと隣に腰を下ろしてもうひとりの男は猪口を差し出す
「あれだけ飲んで、もう回復したんですか?肇さん?」
「寝たからな」
一度血液もらって調べてみようかな?等と無体な事を頭の片隅に追いやりながら肇へと酌をする樹
「お前も大概だろうに…後ろのカエル共はほぼお前が仕上げたようなもんだろう?」
酌を受けながら愉快そうに笑う肇が一瞥した先にはゲコゲコガコガコと大勢の声が反響していた
「うむ、では肴にあずかろうか」
「はい」
猪口を酒で満たすとふたりの男は夜空を見上げて
「「月に」」
と乾杯を捧げた
それから直ぐにだったのか
それとも暫く経ったのかわからない空気の中
「うまい」
肇の口から木葉の雫が大地へ向かうかの如く溢れた
「昼の騒がしいのも好みますが、こういったのもまた一興ですね」
「友と酒を交わすんだ、うまいに決まっている」
ふたりは戸籍上親子関係ではあるものの、年齢もそう離れていない事から友人の様な付き合いをしている
昔馴染みと誤解される事もあるくらいだ
樹としては密かに兄のように想っていたりもする
「それもそうだ」
破顔してまた互いの猪口に酒を溜める
「「友に!」」
今度は猪口を合わせて乾杯をして暫く
「さて樹よ、お前さん何が不安だ?」
肇は一度真っ直ぐと樹の眼を己の視線で射抜いた後そう告げた
ーーあぁ、これなんだろうな
『私の父は家族に関しては正解しかしないんですっ!!』
燈ちゃんのそんな言葉を思い出す
僕もその枠に入れて貰えているだろうか?
“所詮は余所者”という事実がピンボールのように脳内で暴れ回る
が、友人としての肇を思い起こした時
「昔話をしても良いですか?肴になるかは怪しいですが」
「はっは!渋い辛いは酒に合うと相場が決まっている!」
そうして僕は話し出す事にした
ピンボールはどうやらゲームオーバーになったようだ
この数字は世界記録となり、後の世代が目標に掲げる金字塔として聳え立つのであった。
要因としては
・午前中の準備動画で出ていた樹さんの数々の発明品が科学者、工学者、生産農家まで幅広く興味を集めた事
・移住PRも兼ねた所謂“高天ヶ原”の観光案内
・丸亀流 VS 田中流 の高段者同士による対決という好カードを格闘ファンが見逃すはずがなく、今まであまりエンタメに興味のなかった本格的脳筋層を根こそぎ一本釣りした事
等が予測されている
余談ではあるが
「もしかしてこの咲山と言うのも冬月氏の作品かい?」
という噴飯物の問い合わせが海外から何件かあったとかなんとか
そして伝説となるライブは惜しまれながらも幕を閉じーーーーー
「焼肉じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「おにくおにくー!!」
第二幕へと移行する
「あらルナちゃん?お野菜もちゃんと食べないと“めっ!”ですよ~?」
午前中子供達の先生をしていた事が影響しているのか、咲穂さんから教育的指導が入る
「ルナお野菜もすき!!だからいっぱい食べるよ咲穂ママ!!茉莉花ちゃんは何食べたい??」
「そうねぇ、何故か並んでるスイーツビュッフェ見たいなスペースは気になるわね」
ニッコニコで返事をして茉莉花ちゃんに話を振るルナ
確かに気になるよねぇ…衛生面とか
あ、樹さんの虫除けがあったや午前中全然虫見なかったしやっぱ効き目バッチリだね!
後の話になるが、美味しそうに野菜を食べる天使の動画を見て
『子供が野菜を食べてくれるようになった』
『拒食症が改善した』
果てには
『生きてみたくなった、ありがとう』
なんていう感謝のコメントが大量に寄せられるのであった
尚、実況板では咲穂さんの“めっ”という高火力兵器の投入により
『ママァァァ!!!』
『せんせぇぇぇぇぇぇ!!!!』
スレが落ちる勢いでコメントが書き込まれていった
ーーーママorせんせぇ論争の始まりである。
「おやおや茉莉花クン?デザートは食後に詰め込むものよ?“めっ!”しちゃうゾ☆」
なにやらポーズを決めながらそんな事を宣うSuicaさん、プロポーションが良いのでどんなポーズも似合うのがシャクに触る
「あんた最後が言いたいだけでしょ…」
「しかも詰め込むあたり色々出てるねー」
案の定うどんさんと蜜柑さんに撃墜されて顔も赤くなり始めてきた
「ホラホラもうSuica固まっちゃったじゃないもう!Suicaー?可愛いわよー?」
芽衣さんが雑にフォローしてますが火に油っすね、ぷるぷる震え出しましたもん
まぁこの照れてるSuicaさんこそ真骨頂でめちゃくちゃ可愛いんですけどね?
「うふふ~♪Suicaさ~ん、そのポーズ何気に完成度高いので開発に落とし込みますね~♪」
頭身の比率やら角度やらぶつぶつと深淵な目をしていた渋澤さんがとびっきりの笑顔でトドメを刺すとSuicaさんはその場に崩れ落ちた
ついでに実況板のSuica板も落ちた
その夜
酔い潰れたおっさん達の収容所となっていた田中道場の縁側に腰掛けて夜空を眺める男がひとり
「俺にも一杯、貰えるか?樹よ」
背後から声をかけ、夜戦病院さながらの様相を危なげなく進んでくるとどかりと隣に腰を下ろしてもうひとりの男は猪口を差し出す
「あれだけ飲んで、もう回復したんですか?肇さん?」
「寝たからな」
一度血液もらって調べてみようかな?等と無体な事を頭の片隅に追いやりながら肇へと酌をする樹
「お前も大概だろうに…後ろのカエル共はほぼお前が仕上げたようなもんだろう?」
酌を受けながら愉快そうに笑う肇が一瞥した先にはゲコゲコガコガコと大勢の声が反響していた
「うむ、では肴にあずかろうか」
「はい」
猪口を酒で満たすとふたりの男は夜空を見上げて
「「月に」」
と乾杯を捧げた
それから直ぐにだったのか
それとも暫く経ったのかわからない空気の中
「うまい」
肇の口から木葉の雫が大地へ向かうかの如く溢れた
「昼の騒がしいのも好みますが、こういったのもまた一興ですね」
「友と酒を交わすんだ、うまいに決まっている」
ふたりは戸籍上親子関係ではあるものの、年齢もそう離れていない事から友人の様な付き合いをしている
昔馴染みと誤解される事もあるくらいだ
樹としては密かに兄のように想っていたりもする
「それもそうだ」
破顔してまた互いの猪口に酒を溜める
「「友に!」」
今度は猪口を合わせて乾杯をして暫く
「さて樹よ、お前さん何が不安だ?」
肇は一度真っ直ぐと樹の眼を己の視線で射抜いた後そう告げた
ーーあぁ、これなんだろうな
『私の父は家族に関しては正解しかしないんですっ!!』
燈ちゃんのそんな言葉を思い出す
僕もその枠に入れて貰えているだろうか?
“所詮は余所者”という事実がピンボールのように脳内で暴れ回る
が、友人としての肇を思い起こした時
「昔話をしても良いですか?肴になるかは怪しいですが」
「はっは!渋い辛いは酒に合うと相場が決まっている!」
そうして僕は話し出す事にした
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