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プロローグ
今夜は豪勢に
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百段、桜、椿が旅のお供に加わった。
予定より一頭多い。
ぱっと見人間二人の旅に馬三頭は不自然で目立つかと思ったけど、百段には荷物を乗せることで不自然さはなくなったと思う。
裕福な旅人くらいに思われるかな。
まぁ、王国の庶民の生活水準はわからないからなんとも言えないけど。
それにしても、桜と椿が百段の彼女?嫁?だと聞かされた時は驚いたなぁ。
どことなく百段が自慢気な顔がちょっとイラっとした。
リア充め……、爆発しろ!
実際は城での生活がひどすぎて、リア充とはとても言えないみたいだったけど。
でも単純に両手に花はうらやましい。
百段に「お前も女が二人いるではないか」と言われ、慌てて否定したがすっごい意識してしまった。
でもすぐに冷静になったけどね……。
俺は猫なんだ、どう見てもせいぜいペットにしか見えない。
はぁ……。
別にいいんだけどね?
俺の夢は悠々飼い猫ライフなわけだし?
俺に必要なのは彼女じゃなくてステキな飼い主さ!
とまぁ、そんなわけで今は街道を疾走中。
追っ手に関しては薫子さんが教えてくれるから急に現れることはない。
でも盗賊とかモンスターだとかに急に襲われたりすることも考えられるわけで。
常に余力がある状態を保つようにするために、百段たちには軽めに走ってもらっている。
もちろん、疲れる前に言ってもらって休憩をとるつもりなんだけど……。
「はえぇー、超はえぇー!
これほんとに軽くなの?
大丈夫?
無理してない?」
「ヒヒーン。(この程度、なんともない。この速さならば一日中駆けても疲労はたいしてない)」
「マジかぁー……」
競馬の最終の直線の全力疾走。
それぐらいのスピード出てるんじゃないか?
ガイアの馬すごいな。
それともこの三頭がすごいだけなのかな。
「すごいね~!
六十キロくらい出てるのかな~。
車に乗ってるような速さだよ~」
「でもこれ、乗ってるだけでも大変だね。
慣れるまではふとももとか筋肉痛すごそう。
あ、足太くなっちゃったらどうしよう!」
女の子らしい悲鳴が聞こえてくる。
車と違って当然揺れる。
しかもこの速さ。
百段たちが平気でも澪と雫がダウンしちゃうな。
「急ぐ旅ではあるけど、無理しすぎても意味がない。
急ぐ時とか緊急時以外は普通に歩いてもらおうか。
百段たちなら歩く速さも人間の徒歩より全然速いだろうし。
今のままだと、世界樹に着く頃には二人のふとももはムキムキになっちゃうかもだしね」
「「ムキムキだけは嫌あぁぁ!」」
「てなわけで百段たち。
緊急時以外は歩きでお願いできるかな?」
「ヒヒーン。(わかった。国に追われているのに呑気なものだ)」
そう言いながらも速度を緩めて歩きだした。
うん、このくらいの揺れなら大丈夫そうだな。
「まぁ先は長いからね。
心にある程度の余裕を持ってないとさ」
「ヒヒーン。(まぁ、ジズーが良いのならば良い)」
道中、俺たちは基本的なことをいくつか決めた。
朝は夜が明けたら起きて朝食をとり、身支度などをすませたら出発。
昼は十二時頃には昼食をとる。
日が落ちる二時間くらい前には森の中で寝る場所を確保して、日が落ちるまでに食料を調達する。
食料の調達は果物を採ったり、川とかがあれば魚を捕ったり、肉が食べれるモンスターを狩ったりかな。
ガイアには電気がないから当然夜は暗い。
明るい時間というのは地味に大事だから、日中は進むことを優先する。
かといって、夜暗い中で果物採取や狩りで森の中を動くのは危ないから日没前に食料の調達をする。
とりあえず、こういう生活をしばらく続けてみることにする。
問題があればその都度考えようって事になった。
ちなみに、森で寝るのは危険ではあるけど、街道沿いで野営して人目につくのは避けたいから森の中で寝ることを選んだ。
というわけで、太陽は今ほぼ真上にある。
お昼ぐらいかな。
今手持ちに食料はパンだけだから、今食べる分だけでも調達しなきゃだ。
「ちょうどお昼っぽいし、ご飯にしようよ。
朝ちょっとしか食べてないしさ」
「そうだね~、さんせ~い!
お肉は時間かかるから無理だけど、魚とか食べたいな~。
川がすぐ見つかるといいんだけど」
「魚いいねー!
とりあえず川を探して、なかなか見つからないようだったら果物で我慢かな?」
「おっけー、そうしよっか」
結果、近くに川はなく、果物で腹を満たした。
ちなみに百段たちは草食で、柔らかく栄養のある草を好んで食べるらしい。
でも、好物は甘い物だそうだ。
それならと、りんごっぽい果物やバナナっぽい果物を百段たちの分も採ってきた。
めっちゃうまそうに食べてたよ。
まさかのスイーツ男子だった。
ちなみにこの森、りんごっぽい樹とバナナっぽい樹が普通に生えてた。
どっちも普通に実がなってるし、地球じゃありえないよね?
りんごとバナナが同じ場所にあるなんて。
異世界不思議だなぁ。
街道を進むこと三時間ちょっと。
澪が言うには日没はだいたい十九時ぐらいらしいので、ちょっと早いけど寝るスペースを確保して、食料調達の時間を多めにとろう。
俺は体が小さいから少量で満腹になるけど、澪と雫はそうはいかないしね。
それにずっと果物だとテンション上がらないよね。
肉か魚を獲ってテンション上げてもらおう。
「そろそろ森に入って夜に備えない?
さすがに一日中果物だと元気でないし、今夜は肉を食べよう!」
「「さんせ~い!」」
というわけで、川を見つけたのでそこで火をおこし水を沸かす。
そして、役割分担をした。
まずは俺が肉担当。
食べれそうなモンスターを狩る。
澪は魚担当。
肉が確保できなかった場合の保険として魚を確保してもらう。
どうやって魚を捕るのかと思ったけど、川に雷魔法を打つらしい。
なるほど、お約束ですね。
雫は果物担当。
一人でも大丈夫かなと思ったけど、バリアもあるし、何かあったらすぐ逃げるから大丈夫とのこと。
まぁ、英雄である聖女の能力を持ってるんだもんね、よほどのことがなければ大丈夫かな。
というわけで行動開始。
ちなみに百段たちは川辺でお留守番。
澪がいるから大丈夫だろうとは思う。
よし、やるぞ!
気合を入れて森の奥へ向かって走り出した――瞬間、後ろからバチッ!と大きな音がした。
雷魔法かな?
今夜は魚の心配はなさそうだ。
俺もお肉をゲットするぞ!
予定より一頭多い。
ぱっと見人間二人の旅に馬三頭は不自然で目立つかと思ったけど、百段には荷物を乗せることで不自然さはなくなったと思う。
裕福な旅人くらいに思われるかな。
まぁ、王国の庶民の生活水準はわからないからなんとも言えないけど。
それにしても、桜と椿が百段の彼女?嫁?だと聞かされた時は驚いたなぁ。
どことなく百段が自慢気な顔がちょっとイラっとした。
リア充め……、爆発しろ!
実際は城での生活がひどすぎて、リア充とはとても言えないみたいだったけど。
でも単純に両手に花はうらやましい。
百段に「お前も女が二人いるではないか」と言われ、慌てて否定したがすっごい意識してしまった。
でもすぐに冷静になったけどね……。
俺は猫なんだ、どう見てもせいぜいペットにしか見えない。
はぁ……。
別にいいんだけどね?
俺の夢は悠々飼い猫ライフなわけだし?
俺に必要なのは彼女じゃなくてステキな飼い主さ!
とまぁ、そんなわけで今は街道を疾走中。
追っ手に関しては薫子さんが教えてくれるから急に現れることはない。
でも盗賊とかモンスターだとかに急に襲われたりすることも考えられるわけで。
常に余力がある状態を保つようにするために、百段たちには軽めに走ってもらっている。
もちろん、疲れる前に言ってもらって休憩をとるつもりなんだけど……。
「はえぇー、超はえぇー!
これほんとに軽くなの?
大丈夫?
無理してない?」
「ヒヒーン。(この程度、なんともない。この速さならば一日中駆けても疲労はたいしてない)」
「マジかぁー……」
競馬の最終の直線の全力疾走。
それぐらいのスピード出てるんじゃないか?
ガイアの馬すごいな。
それともこの三頭がすごいだけなのかな。
「すごいね~!
六十キロくらい出てるのかな~。
車に乗ってるような速さだよ~」
「でもこれ、乗ってるだけでも大変だね。
慣れるまではふとももとか筋肉痛すごそう。
あ、足太くなっちゃったらどうしよう!」
女の子らしい悲鳴が聞こえてくる。
車と違って当然揺れる。
しかもこの速さ。
百段たちが平気でも澪と雫がダウンしちゃうな。
「急ぐ旅ではあるけど、無理しすぎても意味がない。
急ぐ時とか緊急時以外は普通に歩いてもらおうか。
百段たちなら歩く速さも人間の徒歩より全然速いだろうし。
今のままだと、世界樹に着く頃には二人のふとももはムキムキになっちゃうかもだしね」
「「ムキムキだけは嫌あぁぁ!」」
「てなわけで百段たち。
緊急時以外は歩きでお願いできるかな?」
「ヒヒーン。(わかった。国に追われているのに呑気なものだ)」
そう言いながらも速度を緩めて歩きだした。
うん、このくらいの揺れなら大丈夫そうだな。
「まぁ先は長いからね。
心にある程度の余裕を持ってないとさ」
「ヒヒーン。(まぁ、ジズーが良いのならば良い)」
道中、俺たちは基本的なことをいくつか決めた。
朝は夜が明けたら起きて朝食をとり、身支度などをすませたら出発。
昼は十二時頃には昼食をとる。
日が落ちる二時間くらい前には森の中で寝る場所を確保して、日が落ちるまでに食料を調達する。
食料の調達は果物を採ったり、川とかがあれば魚を捕ったり、肉が食べれるモンスターを狩ったりかな。
ガイアには電気がないから当然夜は暗い。
明るい時間というのは地味に大事だから、日中は進むことを優先する。
かといって、夜暗い中で果物採取や狩りで森の中を動くのは危ないから日没前に食料の調達をする。
とりあえず、こういう生活をしばらく続けてみることにする。
問題があればその都度考えようって事になった。
ちなみに、森で寝るのは危険ではあるけど、街道沿いで野営して人目につくのは避けたいから森の中で寝ることを選んだ。
というわけで、太陽は今ほぼ真上にある。
お昼ぐらいかな。
今手持ちに食料はパンだけだから、今食べる分だけでも調達しなきゃだ。
「ちょうどお昼っぽいし、ご飯にしようよ。
朝ちょっとしか食べてないしさ」
「そうだね~、さんせ~い!
お肉は時間かかるから無理だけど、魚とか食べたいな~。
川がすぐ見つかるといいんだけど」
「魚いいねー!
とりあえず川を探して、なかなか見つからないようだったら果物で我慢かな?」
「おっけー、そうしよっか」
結果、近くに川はなく、果物で腹を満たした。
ちなみに百段たちは草食で、柔らかく栄養のある草を好んで食べるらしい。
でも、好物は甘い物だそうだ。
それならと、りんごっぽい果物やバナナっぽい果物を百段たちの分も採ってきた。
めっちゃうまそうに食べてたよ。
まさかのスイーツ男子だった。
ちなみにこの森、りんごっぽい樹とバナナっぽい樹が普通に生えてた。
どっちも普通に実がなってるし、地球じゃありえないよね?
りんごとバナナが同じ場所にあるなんて。
異世界不思議だなぁ。
街道を進むこと三時間ちょっと。
澪が言うには日没はだいたい十九時ぐらいらしいので、ちょっと早いけど寝るスペースを確保して、食料調達の時間を多めにとろう。
俺は体が小さいから少量で満腹になるけど、澪と雫はそうはいかないしね。
それにずっと果物だとテンション上がらないよね。
肉か魚を獲ってテンション上げてもらおう。
「そろそろ森に入って夜に備えない?
さすがに一日中果物だと元気でないし、今夜は肉を食べよう!」
「「さんせ~い!」」
というわけで、川を見つけたのでそこで火をおこし水を沸かす。
そして、役割分担をした。
まずは俺が肉担当。
食べれそうなモンスターを狩る。
澪は魚担当。
肉が確保できなかった場合の保険として魚を確保してもらう。
どうやって魚を捕るのかと思ったけど、川に雷魔法を打つらしい。
なるほど、お約束ですね。
雫は果物担当。
一人でも大丈夫かなと思ったけど、バリアもあるし、何かあったらすぐ逃げるから大丈夫とのこと。
まぁ、英雄である聖女の能力を持ってるんだもんね、よほどのことがなければ大丈夫かな。
というわけで行動開始。
ちなみに百段たちは川辺でお留守番。
澪がいるから大丈夫だろうとは思う。
よし、やるぞ!
気合を入れて森の奥へ向かって走り出した――瞬間、後ろからバチッ!と大きな音がした。
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