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第一章 世界樹で野良猫生活
突撃!竜王の城
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目の前には城がある。
そう、城。
これは想像以上だったー……。
バハムルは城に住んでるのかよ、マジなボンボンじゃねーか。
そりゃ坊っちゃんって呼ばれるわ。
「ボクんちに着いたぞ!」
バハムルが扉を開ける。
すると中に数十人の人が並んで立っていた。
「「「「いらっしゃいませ」」」」
「ええぇぇぇ……」
だめだ、こんなのキャパオーバーだわ、ははは……。
「みんな!
今日はジズーが父ちゃんに相談があって来たんだ!
ボクにとって大事なお客さんだからもてなしてほしいのだ!
「「「「かしこまりました」」」」
「いやいやいや、もてなしとかいいって!
相談しに来たんだからさ!
みなさんほんと、どうぞおかまいなく!」
「そういうわけにはいかないぞ。
なんてったって、ジズーは管理者様の眷属なのだ!
普通はそれだけで賓客になるぞ?」
「「「「管理者様の……眷属!?」」」」
ざわざわしだした。
「いやいや、眷属って言ってもただのお手伝いみたいなもんだからね?
たいしたもんじゃないんだから、普通でいいんだよバハムル」
「……なるほど、かしこまりました。
ジズー様は堅苦しいのが苦手なご様子のようですので、坊っちゃんのご友人として対応させて頂きます」
並んでる人の中の一人がそう言ってくれた。
「はい、そういう普通の感じで十分ですので、よろしくお願いします。
それでですね、今日はちょっとバハムートさんに相談したいことがあって来ました。
お土産を持ってきたのですが、森で狩りをして獲ってきた獲物なのですが許可なく中に入れるわけにもいかないので外にあります」
「森からここまでお運びいただいたのですか?
大変でしたでしょうに。
誠にありがとうございます」
「いえいえ、クリスさんとレオさんが運んでくれましたので助かりました。
キマイラなんですけど、ご迷惑ではありませんか?
あ、もちろん傷とかはないので血は出てませんけど、汚れはあるかもしれません」
「キマイラ……ですか?」
「え、えぇ。
えと、何かまずかったですか?」
「いえいえとんでもありません!
非常に豪華なお土産でしたので驚いてしまいました。
キマイラは今どちらに?」
「扉の外にあります。
クリスさんとレオさんに見てもらっています」
「では中にお運び致しましょう」
そう言うと何人かが外に出ていった。
「あの、ちょっとお聞きしたいんですけど、みなさんもドラゴンなんですか?」
「はい、この城にいる者は全てドラゴンでございます」
「そうですか。
ドラゴンの方々は肉食で、肉は生でそのまま食べるとバハムルに聞いたのですが、皆さんもそうですか?」
「はい、そうですね。
そもそも肉をそのまま食べる他に何があるのかわかりかねるのですが……」
「なるほど、わかりました。
えーっと……、キッチンをお借りすることはできますか?
それから血抜きができる場所があれば助かるのですが」
「申し訳ありません、キッチンとは何ですか?
それに血抜きというのもわかりかねます。
失礼ですが、何をなさるおつもりですか?」
「あー……、そうですね。
まずですね、キマイラはすごく美味しいと聞きました。
せっかくの美味しい肉ですので、そのまま食べるよりも美味しくできますので、それをみなさんに振る舞いたいなと思ったんです。
バハムートさんご家族はもちろん、みなさんにも今後お世話になることもあると思いますので」
そう言うと、「肉をより美味しく?」「え、私たちもキマイラ食べていいの?」「あの方は神か!?」とかいろいろ聞こえてきた。
「なんと私たちにまでそのような……。
お心遣い本当にありがとうございます。
それで、キッチンと血抜きがどういったものかお教え頂ければと思うのですが」
「キッチンというのは……、肉を切ったりするための部屋はありますか?」
「はい、それはございます」
「ではそこを使わせてもらえますか?肉や他の食べ物に切るなどの手を加えるための作業スペースを私はキッチンと呼んでいます」
「なるほど、ご自由にお使い下さい。
それで、血抜きというのは?
言葉通り血を抜く作業でよろしいのでしょうか?」
「はい、そうです。
吊るして首を切って血を抜きたいのですが、それができる場所はありますか?」
「血を抜き取るだけでよろしければ、私どもの中に吸血魔法が得意の者がおりますが。
それで問題がないようでしたらその者にさせますがいかが致しますか?」
「吸血魔法というのがあるんですか、それは知りませんでした。
でしたらお願いできますか?」
「かしこまりました。
お任せ下さい」
その後、フライパンも当然ないので世界樹まで取りに戻ろうかと思ったが、念の為大きくて平らな鉄板がないか聞いてみたらこれはあった。
正しくは、とても鋭い何かでスパっと切られて断面がツルツルになってる大きな鉄の塊だったが。
こんなの何に使ってるんだ?
まぁ、深くは考えまい。
バハムートさんはまだ帰ってこないので、肉だけだとちょっと寂しいと思って果物を適当に採ってきた。
うーん、ちょい段取り悪すぎだなぁ俺。
思いつきで行動しすぎた、反省。
人間の考え方で物事を考えてしまうけど体は猫。
考えたことをやろうと思っても、体の構造上難しいことも結構ある。
これからはちゃんと考えて動かないとだなぁ。
果物を採って城に戻ると、ちょうど帰ってきたばかりっぽいバハムートさんがホールにいた。
「おぉ、ジズー。
異世界人が帰って以来であるな」
「お久しぶりです。
今日は突然お邪魔してすみません」
「ジズーならばいつでも来てくれて構わぬ。
それより!
家の者からキマイラを土産としてもらったと聞いたが、よいのか?」
「はい、もちろんです。
バハムートさんが美味しい肉を食べるのが好きだとバハムルに聞いたので」
「そうかそうか、それはありがたい!
それと、肉をさらに美味くして食わせてくれるということだが、世界樹で食わせてもらったあのステーキというやつか?」
「そうですね、あの時と同じようにして肉を出します」
「そうか!
それは大変嬉しいことだ!」
「今日はちょっと相談がありまして、よろしければ食事の後にお時間いただけませんか?」
「相談か、もちろんかまわぬ。
では食事の後に話を聞こう」
「ありがとうございます。
それで、食事はいつもいつ頃とってます?」
「だいたいは日が落ちてすぐの今ぐらいであるな」
「じゃあ今から食事の支度をしますね」
「うむ、楽しみにしておる!」
そう言って上機嫌で奥に歩いていった。
さて、俺も料理開始といきますか。
そう、城。
これは想像以上だったー……。
バハムルは城に住んでるのかよ、マジなボンボンじゃねーか。
そりゃ坊っちゃんって呼ばれるわ。
「ボクんちに着いたぞ!」
バハムルが扉を開ける。
すると中に数十人の人が並んで立っていた。
「「「「いらっしゃいませ」」」」
「ええぇぇぇ……」
だめだ、こんなのキャパオーバーだわ、ははは……。
「みんな!
今日はジズーが父ちゃんに相談があって来たんだ!
ボクにとって大事なお客さんだからもてなしてほしいのだ!
「「「「かしこまりました」」」」
「いやいやいや、もてなしとかいいって!
相談しに来たんだからさ!
みなさんほんと、どうぞおかまいなく!」
「そういうわけにはいかないぞ。
なんてったって、ジズーは管理者様の眷属なのだ!
普通はそれだけで賓客になるぞ?」
「「「「管理者様の……眷属!?」」」」
ざわざわしだした。
「いやいや、眷属って言ってもただのお手伝いみたいなもんだからね?
たいしたもんじゃないんだから、普通でいいんだよバハムル」
「……なるほど、かしこまりました。
ジズー様は堅苦しいのが苦手なご様子のようですので、坊っちゃんのご友人として対応させて頂きます」
並んでる人の中の一人がそう言ってくれた。
「はい、そういう普通の感じで十分ですので、よろしくお願いします。
それでですね、今日はちょっとバハムートさんに相談したいことがあって来ました。
お土産を持ってきたのですが、森で狩りをして獲ってきた獲物なのですが許可なく中に入れるわけにもいかないので外にあります」
「森からここまでお運びいただいたのですか?
大変でしたでしょうに。
誠にありがとうございます」
「いえいえ、クリスさんとレオさんが運んでくれましたので助かりました。
キマイラなんですけど、ご迷惑ではありませんか?
あ、もちろん傷とかはないので血は出てませんけど、汚れはあるかもしれません」
「キマイラ……ですか?」
「え、えぇ。
えと、何かまずかったですか?」
「いえいえとんでもありません!
非常に豪華なお土産でしたので驚いてしまいました。
キマイラは今どちらに?」
「扉の外にあります。
クリスさんとレオさんに見てもらっています」
「では中にお運び致しましょう」
そう言うと何人かが外に出ていった。
「あの、ちょっとお聞きしたいんですけど、みなさんもドラゴンなんですか?」
「はい、この城にいる者は全てドラゴンでございます」
「そうですか。
ドラゴンの方々は肉食で、肉は生でそのまま食べるとバハムルに聞いたのですが、皆さんもそうですか?」
「はい、そうですね。
そもそも肉をそのまま食べる他に何があるのかわかりかねるのですが……」
「なるほど、わかりました。
えーっと……、キッチンをお借りすることはできますか?
それから血抜きができる場所があれば助かるのですが」
「申し訳ありません、キッチンとは何ですか?
それに血抜きというのもわかりかねます。
失礼ですが、何をなさるおつもりですか?」
「あー……、そうですね。
まずですね、キマイラはすごく美味しいと聞きました。
せっかくの美味しい肉ですので、そのまま食べるよりも美味しくできますので、それをみなさんに振る舞いたいなと思ったんです。
バハムートさんご家族はもちろん、みなさんにも今後お世話になることもあると思いますので」
そう言うと、「肉をより美味しく?」「え、私たちもキマイラ食べていいの?」「あの方は神か!?」とかいろいろ聞こえてきた。
「なんと私たちにまでそのような……。
お心遣い本当にありがとうございます。
それで、キッチンと血抜きがどういったものかお教え頂ければと思うのですが」
「キッチンというのは……、肉を切ったりするための部屋はありますか?」
「はい、それはございます」
「ではそこを使わせてもらえますか?肉や他の食べ物に切るなどの手を加えるための作業スペースを私はキッチンと呼んでいます」
「なるほど、ご自由にお使い下さい。
それで、血抜きというのは?
言葉通り血を抜く作業でよろしいのでしょうか?」
「はい、そうです。
吊るして首を切って血を抜きたいのですが、それができる場所はありますか?」
「血を抜き取るだけでよろしければ、私どもの中に吸血魔法が得意の者がおりますが。
それで問題がないようでしたらその者にさせますがいかが致しますか?」
「吸血魔法というのがあるんですか、それは知りませんでした。
でしたらお願いできますか?」
「かしこまりました。
お任せ下さい」
その後、フライパンも当然ないので世界樹まで取りに戻ろうかと思ったが、念の為大きくて平らな鉄板がないか聞いてみたらこれはあった。
正しくは、とても鋭い何かでスパっと切られて断面がツルツルになってる大きな鉄の塊だったが。
こんなの何に使ってるんだ?
まぁ、深くは考えまい。
バハムートさんはまだ帰ってこないので、肉だけだとちょっと寂しいと思って果物を適当に採ってきた。
うーん、ちょい段取り悪すぎだなぁ俺。
思いつきで行動しすぎた、反省。
人間の考え方で物事を考えてしまうけど体は猫。
考えたことをやろうと思っても、体の構造上難しいことも結構ある。
これからはちゃんと考えて動かないとだなぁ。
果物を採って城に戻ると、ちょうど帰ってきたばかりっぽいバハムートさんがホールにいた。
「おぉ、ジズー。
異世界人が帰って以来であるな」
「お久しぶりです。
今日は突然お邪魔してすみません」
「ジズーならばいつでも来てくれて構わぬ。
それより!
家の者からキマイラを土産としてもらったと聞いたが、よいのか?」
「はい、もちろんです。
バハムートさんが美味しい肉を食べるのが好きだとバハムルに聞いたので」
「そうかそうか、それはありがたい!
それと、肉をさらに美味くして食わせてくれるということだが、世界樹で食わせてもらったあのステーキというやつか?」
「そうですね、あの時と同じようにして肉を出します」
「そうか!
それは大変嬉しいことだ!」
「今日はちょっと相談がありまして、よろしければ食事の後にお時間いただけませんか?」
「相談か、もちろんかまわぬ。
では食事の後に話を聞こう」
「ありがとうございます。
それで、食事はいつもいつ頃とってます?」
「だいたいは日が落ちてすぐの今ぐらいであるな」
「じゃあ今から食事の支度をしますね」
「うむ、楽しみにしておる!」
そう言って上機嫌で奥に歩いていった。
さて、俺も料理開始といきますか。
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