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メニー

私はヤンデレではありません

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 メニー×テリー。年齢はご想像で。恋人設定です(*'ω'*)
 ―――――――――――――――――――――











 テリーとキスをする。
 私の唇とテリーの唇がくっつく。
 なんというか、
 テリーの唇って、なんか、プリンよりもやわらかい気がする。
 キスをする。
 あたたかい気がする。
 唇からは何も感じないけど、
 テリーとキスをしているということに、胸がざわめく。
 なんというか、ざわつくの。
 恥ずかしい。
 嬉しい。
 もっと。
 好き。
 温かい。
 冷たい。
 切ない。
 恋しい。
 愛おしい。
 愛。
 愛。
 愛。

 いろんな感情がめちゃくちゃになって、頭で整理が出来なくて、またキスをするの。

「……」

 テリーが私から離れた。

「長い」

 私はまた唇を重ねる。テリーの頬は赤い。

「ん、ちょっ……」

 私はまた唇を重ねる。テリーが下がった。

「いや、だから」

 私はまた唇を重ねる。気持ちいい。

「メニー」
「好きなくせに」

 私も、テリーも、

「キス、好きでしょう?」

 頬を緩ませて、テリーを見つめる。

「もう一回しよう?」
「メニー」

 テリーが両手を見せた。

「これ外して」

 それは、テリーを繋ぐ手錠。

「お姉様になんてことするのよ」
「可愛いよ。それ」

 リボンがつけられた手錠。

「大丈夫。鍵はあるから」
「そういう問題じゃ……」

 また唇を重ねる。

「メニー」
「テリー」

 キスをすると、テリーが眉をひそめた。

「ま、待って……」
「なぁに?」
「……」
「過呼吸起こりそう?」
「……なんか」
「うん」
「……こわい」
「……怖くないよ」

 私はにっこり笑う。

「テリーに怖いことしないよ?」

 ここはテリーの部屋だよ。別に、テリーを閉じ込めてるわけじゃない。手首を手錠で結んで、動けなくしてるだけ。

「テリー、私が怖い?」
「……誰があんたを怖いって?」
「怖い?」
「……そうじゃなくて、手錠されて、動けないのが、なんか、……違和感」
「まあ、固定されちゃってるからね」

 テリーの頬にキスをする。

「っ」
「大丈夫。怖くないよ」

 テリーを優しく優しく押し倒す。

「あっ」
「私、何もしないよ」

 私がするのは、

「テリーを愛することだけ」

 キスをする。

「テリー」 
「やっ、」 
「テリー」
「メニー、まって、手錠!」
「うん。あとからね」

 私の体がテリーに沈んだ。


(*'ω'*)


 いつか、ソフィアさんが言ってた。メニーはヤンデレだねって。でも、私はそうじゃないと思う。

 ヤンデレって、病むほど人を愛することでしょう?

 私、そもそも病んでない。
 心は健康。
 恋愛をしたら、誰だって傷ついたり、温かくなったり、苦しくなったりする。
 それが人より強いか弱いかという問題なだけ。
 病むほど好き。だから傷つける。
 病むほど恋をする。
 病むほどデレる。
 私、ヤンデレってよくわからない。

 研究しようと思って、ヤンデレっていうジャンルの本を読んだことがある。でも、みんな、なんていうか、好きな人を殺したり、傷つけたり、閉じ込めたりするの。全部、愛があって、浮気されないか怖いんだって。

 でも、それって、相手を好きなんじゃなくて、恋に溺れてるだけじゃないの?
 私、色んな本を読むんだけど、やっぱりわからない。テリーを殺したくないし、閉じ込めたりしたくない。テリーには笑っててほしいもん。だから手を繋いで、一緒に歩いて、テリーと気持ちを共有するの。

 私はテリーと恋人になれた。
 だから、側にいる。
 愛する。

 でもそれって、今までと何も変わらない。

 私にとってテリーはお姉ちゃんだし、テリーにとって私は義妹。それに、恋人が追加されただけ。

 何が違うの? ずっと家族だったのが、また家族になった。何も変わらない。変わらず、私はテリーを大切に思ってる。だから、拘束したい、束縛したいなんて、思わない。ヤキモチは毎日妬くけれど、でも、人間だもん。妬く時は妬いちゃう。大体、テリーが私以外の人と関わった時だけね。

 テリーが私以外の人を見て、テリーが私以外の人と目を合わせて、喋るなんて、そんなの、胸がざわつくに決まってる。だって、私はテリーを大切に想ってるから。好きだから。それはそうだよ。胸がつきつきするよ。

 でも、それはテリーも同じ。私が男の子に声かけられると、私を睨んでくるの。それは、テリーの愛嬌だって、私は知ってる。あたし以外と、なにを楽しそうに話してるの? って、テリーがヤキモチ妬いてる顔。ね。お揃い。

 私もテリーが好き。
 テリーも私が好き。
 病む必要なんてない。
 どこにもない。
 バランスは上手く取れてる。
 ああ、やっぱりわからないな。ヤンデレ。

(テリーならわかるかな?)

 隣にいるテリーを見つめる。テリーはしんどそうな顔でぐっすりと眠っている。おかしいな。今日はそんなに激しくしてないのに。

(……今日は、優しくしたのにな)

 テリーに顔を寄らせ、やわらかい頬にキスをする。唇にキスをする。やっぱり頬よりもそっちの方が良くて、やっぱり唇を重ねると、テリーが唸った。

「……んん……」

 あ、起きちゃった。

「お姉ちゃん、まだ夜中だから、寝てていいよ」

 唇を重ねる。

「……んっ……」
「寝てていいよ」

 唇を重ねる。

「……口塞がれて眠れると思ってるの?」
「王子様にキスされながら眠りたいって……」
「いつの話してるのよ……。よく覚えてるわね……」

 テリーのことなら、忘れないよ。好きだもん。

「ね、お姉ちゃん」
「ん?」
「ヤンデレって、なんだと思う?」
「……なに、急に」
「ソフィアさんに言われたの。私はヤンデレだねって」
「あいつに言っておやり。それはお前よってね」
「そうだよね」 

 私もそう思う。

「私は普通だよね?」
「……普通……が、いまいちわからないけど……」

 あ、テリーがこっちを見た。

「少なくとも、今夜みたいなのはやめて」
「……今夜のえっち?」
「ばか! えっちだなんて、破廉恥な言葉を使わないの! 夜の営みと言いなさい!」
「今夜は、なんだか甘かったね。ゆっくりで、ほどよい感じだった」
「気絶しても何度も起こしたのは誰よ……」
「手錠、可愛かったね」

 リボンが巻かれてて、リトルルビィみたいだった。

「今度は首にもつけようよ」
「あたしが?」
「うん」
「ばか。それはあんたの役目でしょ」
「私がやっても可愛くないでしょ?」
「どの顔が言うか! むかつく!」
「首だけじゃなくて、足にもしようよ」
「動けなくなるでしょ」
「うん。そうだよ。私がテリーのお世話をするの」
「あたし、縛られるの嫌い」
「縛ったりなんてしないよ」

 縛ったら、テリーの肌に傷がついちゃう。

「手錠も足枷も、固定するために作られたものなんだよ?」

 それならテリーを傷つけない。

「みんな、つけてるでしょ。おしゃれで」

 ファッションって言って、つけてるでしょ?

「テリーは、手錠と足枷が似合うから、やろうよ。可愛くするから」
「……喧嘩売ってる?」
「……だめ?」

(うっ)

 私がこの目をしたら、テリーはNOとは言えない。テリーって、時々すごくおばかだよね。でも、そこも可愛い。愛しくてたまらない。

「お姉ちゃん」
「……」
「だめ?」
「……」
「……」
「……い、痛くないなら……」
「やった」

 じゃあ、お姉ちゃん。

「一回だけしようよ」
「は?」

 私は持ってた首輪をテリーにつけてみた。テリーが驚いた顔をする。かわいい。

「ちょ」

 首輪に繋がった引っ張ってみる。

「ひゃっ!」

 まるでペットのようにテリーが引き寄せられ、私に近付いてくる。これでいつでもキスができるね。ちゅ。

「ちょ、メニー!」
「可愛い。テリー」

 その紐で両手を結んでみる。かわいい。

「ちょ、まっ」
「大丈夫。暗くても見えるから」

 魔力のおかげで、はっきりとテリーの可愛い顔が見える。

「大丈夫だよ」
「めにっ……」

 また可愛い顔する。

「テリー」

 とろけた目。

「好き」

 私のお姉ちゃん。

「好き」

 私の目には、テリーしか映らない。だからもっと見せて。私も見せてあげるから。服を脱いで、テリーも脱がせて、どちらも生まれたままの姿で。

「……ぁっ……」

 そっと触れば、

「ひゃっ」

 可愛い。

「……んん……」

 あ。その声も可愛いね。

「んっ」

 ここ、いいのかな?

「あっ!」

 テリーの体が跳ねる。でも、動けない。可愛い。だから、優しく撫でる。

「やっ! そこっ、だめっ!」
「ここ?」
「まっ……」
「ちゅ」
「んん……!」

 くっ。

「んん!!」

 テリーに鳥肌が立っていくのを見て、私もそくぞくしてくる。だって、テリーが気持ち良さそう。

「テリー」

 耳に囁やけば、肩がぴくりと揺れる。

「可愛い」

 テリーの息が荒い。

「もっと見せて」

 肌に触れる。

「あっ!」
「ここ好きだね」
「お、おだま、り!」
「可愛い、テリー、ほんとに、可愛い。私の、テリー」
「メ……」
「好き。テリー。私、大好き。テリーが、大好き。あったかいね」
「……っ……」
「はぁ。テリー。好き。好き。好き。あのね、好き。テリー。好きなの。えっとね、愛してる? あのね、ごめんね。言い直すね。好き。大好き。本当だよ? テリー、すごく好き。可愛い。こっち向いて? ちゅ。……ふふっ。可愛い。テリーの目きれい。可愛い。もっと見せて。ぺろり。あ、ごめんね。舐めたくなったの。だって、テリーが可愛すぎるから。ね、もっと見て。ここ好きなんだね。うふふ。きもちいい? 大丈夫だよ。こわくないよ。テリーに触ってるのは私だよ。私のこと怖くないでしょう? 私はテリーを傷つけないよ。テリーが何よりも大切だよ。愛してる。テリー。大好き。ん、キスする? ちゅ。……ちゅ。……。……むちゅ。はあ。テリー、口開けて。……くち、あけて? んちゅ。んっ。……。……。……っ。……。……はあ! ……ふう、はあ……。……えへへ。テリー、あったかいね。もう一回しよう? ちゅ。はあ。好き。ちゅ。テリーの、くちびる、やわらかい……。ちゅ。ん。もう一回。……いいよ。ちゅ。テリー、口開けて。舌入れられないよ。……恥ずかしくないから、いい子にして。ね? 怖くないから。優しくするから。ん。そうだね。いい子だね。ん。ぐちゅ。んん。……はあ……。テリー、だめだよ。つば、ちゃんと飲んでくれないと。こぼれてる。ちゃんと飲んで? うふふ。いい子だね。かわいい。テリー。ちゃんと飲めた? あはっ。いい子だね。じゃあ、ご褒美あげるね? いい子だね。テリー」

 ちゅ。

「もっと、もっとしよう? テリー」

 とろけたテリーの顔を見つめて、愛をささやく。言われたほうが嬉しいでしょう? だから言葉にして伝える。

「愛してるよ。テリー」
「……手……外して……」
「……可愛いのに」

 でも私は意地悪じゃないから外してあげるの。優しくしないと、テリーが傷ついちゃう。ほろりとほどけた。

「テリー、ほどけたよ」

 テリーがすぐに私を抱きしめた。

「……」

 だから、私はにやけちゃうの。抱きしめるテリーを、上から抱きしめ返す。

「テリー」
「……メニー。ちょっと思った」
「ん?」
「ヤンデレというか」

 テリーが私をまっすぐ見た。

「あんたは、重い」
「え、やだ。ダイエットしないと」
「ばか。そっちじゃない」
「あ、でも、えっちはダイエットに最適って聞いたことある」
「えっちって言わないの! 夜の営みと言いなさい!」
「いっぱい体動かさないとだめだよね?」

 私の言葉に、なぜかテリーがぞっとした顔をする。

「ね。テリー」
「……」

 あれ? なんで後ろに下がってるの?

「テリー」
「あの」
「どこ行くの?」
「ひっ」
「テリー」
「いや、あの」
「テリー」
「メニー、話し合いましょう!」
「テリー」
「まって、違う。ダイエットじゃなくて、重いってそっちじゃなくて!」

 テリーを押し倒した。

「気持ちのほうーーーーーーーーーー!!!」

 嫌だな。テリーってば。気持ちに重さはないんだよ?
 重さじゃなくて、深いか、軽いか、それだけ。

(やっぱり、私はヤンデレじゃないみたい)

 テリーの上に乗っかって、テリーを見下ろす。可愛い顔してる。怯えたような、私を怖がるような、そんな目。

「大丈夫だよ。テリー」

 私は絶対にテリーを傷つけない。

「ちょっと、運動するだけ」
「へるぷみーーーー!!」

 叫ぶ声は、口を塞げば閉じられる。
 舌を絡めれば、どんどんテリーが溶けていく。
 そのまま溶けていこう?
 快楽に堕ちていこう?
 二人なら怖くないよ。
 二人の愛を大切に育てていこう?

 ほら、テリー。可愛いね。今日も、明日も、明後日も。

「ずっと愛し合おうね。テリー」

 大好きなテリーに、私は笑顔を浮かべた。





 私はヤンデレではありません  END
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