36 / 136
悪役令嬢のとある日常
小さくなっちゃった!
しおりを挟む今日はよく晴れた散歩日和。風に吹かれて花が揺れ、洗濯物がよく乾く。低気圧なんてものもない。雲一つない。太陽の暖かな笑顔に、メイド達は笑顔で仕事をする。
しかし、ベックス家のとある一室がなにやら騒がしい。ドアが揺れ、部屋が揺れ、怒鳴り声が聞こえる。
「だからぁあああああ!!」
「何よぉおおおおおお!!」
ドロシーとテリーが今年一番の大喧嘩をしていた。激しく言い争い、殴り合い、お互い一歩も譲らない。
明日の天気は、雨なのか、晴れなのか。
「絶対雨だよ!! ボクはね! 低気圧に弱いんだ!! 頭が!! がんがんするんだ!!」
「馬鹿!! 明日は晴れよ!! だって靴占いで晴れだったもの!!」
「占いなんて信じてるの!? 君は! ぶぁかだね!!!!」
「あんだとこらぁああああ!!」
「やんのかこらぁああああ!!」
ついついドロシーは本気を出して、星の杖を取り出してしまった。
「運命決めるはグリムの兄弟!!」
「ふぁっ!!」
ぱーん! と星の光に包まれる。そして、その光が消えた時――ドロシーは、ようやく我に返った。しまったと、顔を青ざめた。
「……おーのー……」
目の前にいるテリーが、とても小さなリトルベイビーに戻ってしまった。なんて小さなお子様だ。すやすやお眠り中のお姫様。
「おーーのーー……!!」
ドロシーが頭を抱えた。そして、ひらめいた。
「テリーがこうなった以上、ボクは面倒を見きれない! うん! だって、それはテリーの恋人の役目だろ!? そうだ! そうだ! これは、出来る人に任せるべきだ!!」
右目でウインク。はい、せーの!
「いってらっしゃーい!」
ドロシーは早々に星の杖を振った。
Little Princess(キッド)
小さな彼女と大きな彼女(リトルルビィ)
図書館司書と小さな子(ソフィア)
小さな貴女とおままごと(メニー)
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
144
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる