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父娘と合同パーティー
第228話 フルシェ遺跡ダンジョン その10
しおりを挟むおはようございます。
ダンジョン3日目の朝です。
1日目は1階の壁画を鑑賞し、2日目は お料理作りを楽しみました。ダンジョンらしいことをしていないけど良いのでしょうか。
昨日の昼食後、魔力回復の為に兄妹が眠りについた後、テーアさんと タディさんにお料理レッスンをしておりました。
タディさんは 肉を焼く!くらいしか担当しなかったらしいんだけど、ピタパンを作れると伝えたら テーアさんから せめてそれくらいは覚えてパン担当になってほしいと言われてたんだよね。
ということで そっちはお父さんが捏ね方から教えてました。
必死で記憶しようとしていたテーアさんに 予備で購入しているノートをあげたら非常に喜んでもらえました。
金ランク冒険者が美味しい料理方法をダンジョンで広めてくれたら 私たちも今後動きやすいからと伝えたら 「しっかり覚えて 冒険者が多いセフティーゾーンで調理してやるわ」と言ってくれたので ハズレ扱いの素材は減りそうです。
仮眠後は 兄妹揃って水生成魔法の練習をしました。
鍋に貯めたお水を凍らせて、沸騰させてという一連の理論を伝えたことで 比較的早く習得してくれました。多分水魔法が得意属性だというのも大きいのだと思います。
勿論魔力をドバっと噴射しちゃうし、思ったよりも絞った時に水が出ないという事はあったけど、これは慣れでしかないので 練習あるのみです。
3回ほどやったところで 魔力切れで気絶、回復して もう一度練習の再開、2回目は小鍋を満たすほどのお水を作れるようになったところで夕食、その後は夜営番で魔力操作訓練をしながら 魔力切れまで頑張って 睡眠。という中々ハードな事をしていました。
だけどその甲斐あって 今朝は 無属性の索敵を練習することが出来ました。
「ええっと、水を作る時の魔力散布をするみたいにすればいいのよね?」
「そうだね、だけど 水を作る時とは違って 今居る場所全体に行き渡らせたいから すご~く薄く、広く、遠くに満遍なく行き渡らせるように考えてね。
ドバッとしたら 直ぐに魔力切れしちゃうよ」
二人とも目を閉じて 真剣に魔力を流し始める。
一応危険性を考えて セフティーゾーンのお部屋の中からやってるけど、ここからでも全体を索敵することができるのは分かっているからね。
「あっ」
「ケーテさん 集中を切らさないで、魔力がドバっとなってるよ」
多分 マップが見えてきたところで ケーテさんから ドバっと魔力が出る。
この階の魔獣は 昨日時点で練習台の餌食になっているので リポップするまでいないからね。
「あ~~~、こういうことか。これは凄いね。確かに 地図情報が頭の中に入ってくるって感じだ。部屋も分かるし この魔力が父さんたちって事は こんな風に魔獣も見えるって事か。
これは凄いね、確かに 軽々に人には言えないな」
索敵を終えたらしい ガルスさんが 静かに目を開けて感想を教えてくれた。
私の中では ゲームに地図は必須だったから あまり深く考えてなかったけど、よく考えれば 凄い魔法だもんね。奇襲が成り立たなくなっちゃうよね。敵には知られたくない魔法だ。
ケーテさんは 索敵を終えた時点で かなり魔力が減ったようで 魔力回復薬を飲んでいる。
やはり地図が見えてきた事で興奮してしまい 魔力制御が 疎かになってしまったらしい。
「じゃあ 次の6階では 実際にガルスが索敵をして頂戴。その上で どんな風に動くか計画しましょう」
という事で 6階へ到着したところで ガルスさんが索敵を行う。
勿論私もするし、多分 テーアさんかタディさん どちらかもしていると思う。
5分くらい待っていたら索敵が終わったらしい。最初はお父さんも結構時間がかかってたけど、今は20秒もかからなくなってるんだよね。やっぱり慣れって大事。
「魔獣はこの階も少なめだね。ばらけ方から見ても 7階に行く道で会う相手だけ倒していったって感じかな。部屋はないね。
資料によれば7階には2つ、8階には1つ、9階には3つ 部屋があった筈だから 今日は7階か8階で野営をしたいかな。
ダメージ床、種類までは分からないけど それが2か所、1か所は 7階に続く通路にあるね」
他のパーティーと会わないように 昨日ゆっくり5階で過ごしたから、きっと5階の部屋に泊ってた人たちが 昨日5階を出て 7階まで行ったんだろう。
そう考えれば 今日その人たちは8階か9階まで行くだろうし、この階のリポップも午後にはあるかもしれないね。
タディさんもそれを考えて 今夜は7階での夜営に賛成している。
他の人が居たら 私の存在を大っぴらに出来ない分 お料理できないからね。
昨日の夕食分から、私持ちの食材を購入してくれる形で テーアさんがお料理を手伝ってくれている。ここまでも 食べさせてもらい過ぎたと お支払いをしてこようとしたけど、それはお父さんと二人で固辞したんだよね。私たちだけ美味しいものを食べて、ケーテさん達は保存食とか無理だもん。
そう言ったら 結構貴重(らしい)な素材をくれた。お父さんはびっくりしてたけど、私が成長した時の装備に使えとタディさんに言われて 有難く頂きました。
6階は ガルスさん先導での討伐をすることになったよ。
2階の時とは違い 気を張り過ぎず いつも通りに歩きながら 次の通路の敵を教えてくれるので どう行動するかも決めながら角を曲がる。
シカーバットが居れば私が【エアショット】で、ハイゴブリン、ハイコボルトの時は兄妹が剣と槍で、複数匹出た時は ケーテさんが練習中の蔦魔法で足止めをし、ガルスさんの剣、私の短剣で攻撃をしていった。
まだこの階にメイジは出ないけど、メイジが出た時は 二人のどちらかに盾をひっくり返して 隔離してもらうことになっている。
「索敵があるだけで 敵の種類も分かるし 歩く速度が落ちないね。これならダンジョンの攻略も早くなりそうだ」
あぁ、そっか。そういう利点もあったんだね。
私たちのダンジョン攻略が早かったのは、“ウインドランニング” をしていたからだと思ってたけど、そもそも迷子にならず 目的地まで 真っすぐ進んでたからだったんだね。
これは ダンジョン様からすれば 邪道だ!とかって思われているかもしれないね。
いやいや、すでに演出をショートカットしている時点で思われているか。
……うん、ダンジョン様からの好感度は 期待しないでおこう。
いや、けど ハズレと思われてた素材に日の目を当てたから もしかしたらワンチャン好感度爆上がりしているかもだよね。
まあ、それが何になるんだって話だけども。
そんな事を考える余裕があるほど ガルスさん先導の6階はスムーズに進んでいく。
ダメージ床はあれです、その辺りを歩くと滑るってやつでした。
なんか今までの罠のように タイル一枚分という訳ではなく 一畳分くらいかな。横幅いっぱいって感じだけど、飛び越えようと思えば飛び越えれる感じのやつでした。
「上級以上だと 毒沼だったり、見た目は普通なのに 足が沈む床とかもあるから、ダメージ床は結構厄介なのよ。幅だってこんなに狭くはないわよ」
「そうだな、後は斜面の途中にある場合、罠タイルが一緒にあったりしてな」
ヌルヌルして滑るダメージ床の途中に 大岩が転がってくる罠が仕掛けられている時は最悪だったと言われ、完全にたけ〇城じゃん!って思った私は悪くないと思います。
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