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魔導学園へ
第263話 お屋敷でのお勉強 その1
しおりを挟むブン先生は夕食の席には現れず、ドゥーア先生も お夕食を終える頃 気配無く後ろに立っていたオットマールさんに連行されていきました。
そんななか、私は1日ぶりということもあり お風呂でピッカピカに磨いて頂きました。
「お帰りにならないのは何となくわかってましたの。
お嬢様が見て回るだけで2時間ほどかかったと仰っていらしたでしょう?それだけ見ごたえのある物があるのなら、あのお二人が夢中にならない筈がありませんもの。
ですが、それで連絡が遅くなるのは別ですし、ましてや 帰りの馬車をお二人にお任せするなんて……」
「あ!それは私たちから言い出したの。
先生たちは もう少し現場で見たかったと思うんだけどね、私がメモもしてきたし 家でじっくり考えてもらおうと思って。
でもきっと帰り道も興奮しているだろうし お話が出来たら帰って来てからも直ぐに考察出来るでしょう? 私とお父さんじゃ 先生の考察についていけないと思うし、だったらって思ったの。
だから あんまりブン先生を叱らないであげて欲しいの」
「「まぁ……」」
「もぅ、お嬢様はスティーブンと旦那様に甘いですわ。
元々お嬢様にお勉強を教えるためのスティーブンですし、旦那様も お嬢様が知らない魔法などをお教えすると仰っていたのに、結局 回復魔法をはじめ、他にも色々教えてもらってしまっているではありませんか、まったく……」
お風呂スタートからプリプリしていたエミリンさんだけど、私に触れる手は優しく非常に丁寧で 器用なものだなぁと感心しながら 先生たちへの被害が最小限で済むようにフォローをしておく。
私の魔法の使い方が従来通りじゃないから起きているだけで、基本の部分はちゃんと教えてもらってるから大丈夫です。
他のメイドさん達も 「お優しいですわ」とか言ってるけど、ブン先生たちを叱っても あれは研究者としての性みたいなものだから治るものではないと思うもん。
◆◇◆◇◆◇
翌日、ブン先生からめっちゃ謝られて 授業がスタートしました。
気にしなくっていいのにね。
で、折角新しい資料が手に入ったので、その解読からした方が 魔法陣を作るにもいいのではないかという事になり、授業予定が変わりました。
起き抜けのランニングはそのままに、朝2時間だった座学というか読書の時間が1時間となり、その後 騎士達との訓練、早めに昼食を頂いた後に 騎士達の回復魔法練習。
その後1時間のお昼寝をしたら、午後は壁画を写したものの考察時間とする感じ。
朝の読書は図書室で行うので、先生たちも近くで壁画文字の解読をしているから 質問をしたければ出来る感じ。
私が訓練やお昼寝をしている間もそれを続けているとは思うけど、昼寝の後は 3人で意見を交わし合うって感じ。
「でも専門家の先生たちが調べるなら 私が一緒に意見を交わすのって必要ですか?
まだ基本記号しか分かってないのに」
「いえ、ヴィオ嬢は 写している時点で 同じ文字が多いと言ってたでしょう?
そういった素直な見方が出来るのも大切なのです。
後は ヴィオ嬢の 我々にはないひらめき力も楽しみにしているのですよ」
ひらめき力?
あんまり実感はないんだけど、まあ先生たちの役に立てるなら嬉しいかな。あとはどんなことが書いてあるのかも知りたいし。
そういえば国立博物館とかでも 有名な武将の手記が飾られたりしてたけど、あれって所謂日記だったり手紙じゃない?
その時にやり取りしていた人が凄い人だから『あの人とこんな言葉を交わしていたのか』とかあるけどさ、個人情報晒しまくりだよね。
武将同士の手紙とかも 歴史的価値があるのは分かるよ、分かるけどさ、プライバシーどこ行った?ってやつだよね。
もしかしたら令和を生きる人がポエミーな日記を書いててさ、家族にも見られたくないからって 鍵をかけられる丈夫な表紙とか付けてたとするでしょ?
富士山噴火とか、南海トラフ大地震とかで 日本が壊滅状態になったりして、数百年後にその日記が掘り出されたりしたら『この手記の持ち主は きっと有名な作家だったのだろう』とか『この頃のジャパンは皆詩人だったのだ』とか言われるようなものじゃない?
本人死んでるからまあいいとして、黒歴史爆誕ですよ。記憶アリの転生とかしてしまってそれを知ったら その時点で爆死出来る。
過去の私が そんなポエミ-な日記を残してませんように。
死んだ記憶がないから そんなものがあったのかどうかすら覚えていないのは、良いことなのか悪いことなのか。
閑話休題
まあそいう訳で、壁画ももしかしたら 重要な事というよりは 絵の内容を素直に読んで『農耕の方法と良い季節』とか、『荷運びするなら こっちの動物の方がいいよ』とかの 日常メモ的な内容かもしれないって事です。
研究者は ついつい重要な意味を持たせたがるから 変にこねくり回し過ぎて意味が分からなくなっちゃうからね。
ああ、そういう理由で私のヒラメキ力に期待してるって事かな?
だったら任せて!そういうの得意です。
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