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第一話
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リビングのテレビはいつものようにアイドルのライブ映像を流している。妹の趣味だ。中学一年生、絶賛思春期の彼女は、例え自分が風呂に入っている間でも、リビングでこのアイドルの映像が流れていないとどうやら気が済まないらしいのである。
「おにーちゃん! タオル持って来てー‼」
ダミ声といっても差支えのない、甲高い声が、脱衣所から響いてくる。俺が学校から帰る前に仕事へ出かけていった父が、出発前に拵えてくれていたらしい麻婆茄子を温め直しつつ、中華スープを作るために絹ごし豆腐を手の上で切り刻んでいるところだが、俺の妹である彩葉はそんな都合など一切考慮してくれない。仕方なく、沸騰してワカメが舞い踊っている小鍋の中に不揃いの豆腐を投げ入れた。
「ねえ、あれね! うち専用の水色のバスタオルだよ⁉ おにいちゃんの使ったことあるバスタオルは駄目だから!」
「なんでだよ、洗ってんだから別に変わらないだろ」
「キモいもん! 絶対いや! ねえ早く! 風邪ひくじゃん!」
「わかったわかった……」
地団駄を踏む音が廊下にまで響いてくる。市役所職員の母は去年から多忙な部署に配属されたらしく、ここ最近は帰りが遅い。父は夜勤の介護士で、学生の俺たちとは生活リズムが殆ど噛みあわない。
おかげで、イロハの反抗期のあおりは、兄である俺が殆ど受けているのだ。まあ、つい最近まで小学生だった妹の癇癪を高校二年生にもなっていちいち真に受けるのは馬鹿馬鹿しいので、適当に受け流すだけなのだが、こうも毎日のようにキモいキモいと言われて傷つかないほど鈍感ではない。もう少し落ち着いてくれやしないものかと思わずにはいられない今日この頃である。
案の定、イロハが頼んだことのくせに、タオルを届けに脱衣所へ顔を出せば「キモい見るな」と叫ばれ、スリッパを投げつけられた。兄とは難儀な生き物である。
「やっぱパパのマーボは一味ちがうね~! おにいちゃんが作ると不味くはないんだけどなんか薄味なんだよ。どうにかなんないわけ?」
「箸先をひとに向けるなって……口に合わないなら残せばいいだろ。それか自分で作れ」
「そうは言ってないじゃん! うちはおにいちゃんとは違って部活頑張ってて疲れてるんですぅ~!」
「はいはい」
こうして料理に難癖をつけられるのもいつものことだ。パパの麻婆などと分かったような口をきくが、父だって普通に市販の麻婆の素を使っているだけに過ぎない。
その上、確かに俺は高校に入ってから帰宅部だが、部活の代わりにバイトを始めただけで、妹が思うほど暇人でもないのである。しかしまあ、言い返したところで百倍になって返ってくるだけだ。妹が部活を頑張って疲れて帰ってきているのも事実だし。
さて、妹の愚痴や文句を適当に受け流しつつ、夕食を済ませた俺は、キッチンで洗い物に取り掛かった。妹はソファでアイスを食べながら、好きなアイドルのライブ映像を垂れ流すテレビを見るでもなく、スマホで縦画面動画を延々スクロールしている。
そして、自分の最推しのパートの時だけ顔を上げて、うっとりと恍惚に浸るのである。
「はぁ~~~~……アラタくんかっこいい……ねえおにいちゃん見てよ、アラタくん、ダンスかっこよすぎない? ねえ見てってば、アラタくんのパート終わっちゃうから!」
「その動画昨日もおとといも延々流してただろ、何度も見たって」
「ぜったいココのダンスのとこは見てないもん! ほら、ねえここのウインクのとこやばい‼ 待ってやばいって‼ イヤーーーーッ好きーーーーーーッ」
「うるっさ……」
聞えよがしに叫ばれるのもいい加減鬱陶しい。さっさと洗い物を済ませ、俺は妹が食べているものと同じアイスを冷凍庫から取り出し、口に入れつつソファの後ろに回り込む。
「遅いよ~~! ねえほら見て、アラタくん! かっこいいから! おにいちゃんとは大違いだよ」
「アイドルが俺よりかっこよくなかったら問題だろ」
「見習ってって話! そんなんだからモテないんだよ。なんでうちのおにいちゃんに限ってこんなにダサくてキモいの? 本当にパパとママの息子?」
「言ってることヤバいぞお前。逆にお前は俺にどうなってほしいんだよ」
「え? LUV I.E.(ラヴィ)に入れるくらいのイケメンに生まれ変わってほしい」
「俺だってシビルビのラニャみたいに素直で可愛い妹が欲しかったよ」
「は? キモ」
好きなアニメのキャラの名前を出せば、やはり妹は大袈裟に顔を顰めてすげなく一蹴する。本質的に言ってることは同じのはずなのだが。
食べ終わってなお、妹は未練たらしくアイスの棒を咥えている。ついでなので自分のアイスのごみと一緒にゴミ箱に捨てて、時計を見た。そろそろ母が帰ってくる頃合いだ。
「いろは、ライブ映像見るのは母さんが帰ってくるまでだぞ」
「うるさいなあ、わかってるよ」
どうせスマホばかり見ているのだから、今すぐニュース番組に切り替えても構わないような気もするが。何となく、そんな気持ちで画面に目をやれば、ある場面がいやに目についた。
確か、このアイドルグループでセンターを張っている人気メンバーのハヤオだかハヤトだか。流れている歌の歌詞と、口の動きがあからさまに違う。潔いほどの口パクだった。
昔からこうなのだ。普通の人なら無意識にスルー出来るようなところにばかり目がいく。他の家族や友人が気にしないようなところがずっと気になるし、いつもそれで気まずい思いをする羽目になるのだ。
俺がこういうライブ映像を見るのが好きじゃないのも、そのせいだ。妹が見てほしいポイントではなく、振り付けを間違っただとか、口パクだとか、そういう余計なところばかり気にしてしまい、言葉に出しては結局妹を怒らせてしまう。
「まあ、とは言え、やっぱりここの歌のとこ抜群に上手いんだよな。やたら声がよくてさ」
「あ、わかる? ミズキくんのパート。めっちゃ上手いよね。うちもアラタくんの次にミズキくんが好きだよ。にわかっぽいからあんま言わないけど。ミズキくんはビジュ担当と思いきや実はパフォーマンスに対するプロ意識とか高くてファンにも真摯な実力派だから、知れば知るほど好きになるタイプだね」
ああ、そうだ、ミズキ。確か、北欧かどっかのクオーターで、プラチナブロンドとグリーンアイズの、日本人離れしたルックスと、モデル並のプロポーションの持ち主なんだとか。満員のドーム公演でここまで堂々としたパフォーマンスを披露できる上、大人びた綺麗な顔立ちをしているからにわかには信じがたいが、俺と同い年らしい。
妹が俺を詰るときによく引き合いに出される名前だから、印象に残っている。同い年という共通点もあって、他のメンバーよりも目で追ってしまうわけである。
「あ」
「ん? なに?」
「いや、別に」
さっき思いっきり口パクしてたセンターが、そのミズキとかいうアイドルをすれ違いざまきつく睨みつける瞬間が目に入ってしまった。妹から何度か聞く話によれば、このユニットの人気を背負う二大巨頭が、このセンターと、ミズキの二人らしい。
華やかで主張が強く、強烈なカリスマのあるセンターと、主張は少ないが圧倒的なビジュアルの良さと魅力的な声を持つミズキ。ミズキはともかく、センターの方はバチバチにライバル心を燃やしているようだ。アイドルも大変である。
さて、そんなことを考えていたら、母の帰宅を知らせるチャイムが鳴った。イロハはびっくり箱の中身みたいな勢いで立ち上がり、玄関の鍵を開けにリビングを飛び出していく。
俺はライブ映像からニュース番組に画面を切り替え、キッチンへ向かって母の夕食の準備に取り掛かった。廊下からチワワみたいにキャンキャン母に纏わりつくイロハの声と、どこか疲れを滲ませつつも朗らかに応じる母の声が聞こえてくる。
「おかえり、母さん」
「ただいま、カイリ。あら、中華スープ? いい匂いね。いつもありがとう」
いつもながら、どうしてこんなに穏やかな母と、そんな母さんよりも穏やかな父から、こんな無駄に元気でうるさい妹が生まれたのか、実に不可解である。しかし顔立ちからして間違いなく遺伝は発揮されているのだから、血縁があることは確からしい。
イロハはニュースには目もくれず、夕飯をとり始めた母の目の前に座り、スマホを弄りつつ嬉しそうに学校でのことや例の推しのことを熱心に報告し始めた。これもまあ、いつもの光景だ。俺にはあんな態度なのに、母には素直に甘えられるらしい。まあ、別にどうだっていいことだが。中学生にもなって兄貴にベタベタくっつくのもそれはそれで気持ち悪いし。
何はともあれ、今日の俺の仕事は終わった。そろそろ部屋に戻ってネトゲのデイリーミッションを消化しようか、なんて思ったところのこと。
「は……?」
カタン、と、スマホが床と衝突する、かたい音とともに、イロハの震える声が響いた。
「いろは? どうしたの?」
「うそ……え……? うそでしょ……?」
イロハは母の声かけにも答えず、落としたスマホを拾い、慌ただしく操作する。ふと、垂れ流しになっていたニュースの画面に目をやった。
「LUV I.E.……無期限活動休止、プロデューサーの未成年淫行を告発……?」
「ラヴィ? って、いろはの好きなアイドル……よね?」
イロハはその場にしゃがみこんで顔を覆い、悲鳴のような呻き声を上げて首を横にブンブンと振った。これは、母の言葉を否定するのではなく、信じたくないという気持ちの表れだろう。
それ以上言葉を発さなくなったイロハは、フラフラと自室へ向かい、閉じこもってしまった。
そして、翌朝、ショックからか熱を出して寝込み、母は学校と職場に休む連絡を入れたのだった。
「おにーちゃん! タオル持って来てー‼」
ダミ声といっても差支えのない、甲高い声が、脱衣所から響いてくる。俺が学校から帰る前に仕事へ出かけていった父が、出発前に拵えてくれていたらしい麻婆茄子を温め直しつつ、中華スープを作るために絹ごし豆腐を手の上で切り刻んでいるところだが、俺の妹である彩葉はそんな都合など一切考慮してくれない。仕方なく、沸騰してワカメが舞い踊っている小鍋の中に不揃いの豆腐を投げ入れた。
「ねえ、あれね! うち専用の水色のバスタオルだよ⁉ おにいちゃんの使ったことあるバスタオルは駄目だから!」
「なんでだよ、洗ってんだから別に変わらないだろ」
「キモいもん! 絶対いや! ねえ早く! 風邪ひくじゃん!」
「わかったわかった……」
地団駄を踏む音が廊下にまで響いてくる。市役所職員の母は去年から多忙な部署に配属されたらしく、ここ最近は帰りが遅い。父は夜勤の介護士で、学生の俺たちとは生活リズムが殆ど噛みあわない。
おかげで、イロハの反抗期のあおりは、兄である俺が殆ど受けているのだ。まあ、つい最近まで小学生だった妹の癇癪を高校二年生にもなっていちいち真に受けるのは馬鹿馬鹿しいので、適当に受け流すだけなのだが、こうも毎日のようにキモいキモいと言われて傷つかないほど鈍感ではない。もう少し落ち着いてくれやしないものかと思わずにはいられない今日この頃である。
案の定、イロハが頼んだことのくせに、タオルを届けに脱衣所へ顔を出せば「キモい見るな」と叫ばれ、スリッパを投げつけられた。兄とは難儀な生き物である。
「やっぱパパのマーボは一味ちがうね~! おにいちゃんが作ると不味くはないんだけどなんか薄味なんだよ。どうにかなんないわけ?」
「箸先をひとに向けるなって……口に合わないなら残せばいいだろ。それか自分で作れ」
「そうは言ってないじゃん! うちはおにいちゃんとは違って部活頑張ってて疲れてるんですぅ~!」
「はいはい」
こうして料理に難癖をつけられるのもいつものことだ。パパの麻婆などと分かったような口をきくが、父だって普通に市販の麻婆の素を使っているだけに過ぎない。
その上、確かに俺は高校に入ってから帰宅部だが、部活の代わりにバイトを始めただけで、妹が思うほど暇人でもないのである。しかしまあ、言い返したところで百倍になって返ってくるだけだ。妹が部活を頑張って疲れて帰ってきているのも事実だし。
さて、妹の愚痴や文句を適当に受け流しつつ、夕食を済ませた俺は、キッチンで洗い物に取り掛かった。妹はソファでアイスを食べながら、好きなアイドルのライブ映像を垂れ流すテレビを見るでもなく、スマホで縦画面動画を延々スクロールしている。
そして、自分の最推しのパートの時だけ顔を上げて、うっとりと恍惚に浸るのである。
「はぁ~~~~……アラタくんかっこいい……ねえおにいちゃん見てよ、アラタくん、ダンスかっこよすぎない? ねえ見てってば、アラタくんのパート終わっちゃうから!」
「その動画昨日もおとといも延々流してただろ、何度も見たって」
「ぜったいココのダンスのとこは見てないもん! ほら、ねえここのウインクのとこやばい‼ 待ってやばいって‼ イヤーーーーッ好きーーーーーーッ」
「うるっさ……」
聞えよがしに叫ばれるのもいい加減鬱陶しい。さっさと洗い物を済ませ、俺は妹が食べているものと同じアイスを冷凍庫から取り出し、口に入れつつソファの後ろに回り込む。
「遅いよ~~! ねえほら見て、アラタくん! かっこいいから! おにいちゃんとは大違いだよ」
「アイドルが俺よりかっこよくなかったら問題だろ」
「見習ってって話! そんなんだからモテないんだよ。なんでうちのおにいちゃんに限ってこんなにダサくてキモいの? 本当にパパとママの息子?」
「言ってることヤバいぞお前。逆にお前は俺にどうなってほしいんだよ」
「え? LUV I.E.(ラヴィ)に入れるくらいのイケメンに生まれ変わってほしい」
「俺だってシビルビのラニャみたいに素直で可愛い妹が欲しかったよ」
「は? キモ」
好きなアニメのキャラの名前を出せば、やはり妹は大袈裟に顔を顰めてすげなく一蹴する。本質的に言ってることは同じのはずなのだが。
食べ終わってなお、妹は未練たらしくアイスの棒を咥えている。ついでなので自分のアイスのごみと一緒にゴミ箱に捨てて、時計を見た。そろそろ母が帰ってくる頃合いだ。
「いろは、ライブ映像見るのは母さんが帰ってくるまでだぞ」
「うるさいなあ、わかってるよ」
どうせスマホばかり見ているのだから、今すぐニュース番組に切り替えても構わないような気もするが。何となく、そんな気持ちで画面に目をやれば、ある場面がいやに目についた。
確か、このアイドルグループでセンターを張っている人気メンバーのハヤオだかハヤトだか。流れている歌の歌詞と、口の動きがあからさまに違う。潔いほどの口パクだった。
昔からこうなのだ。普通の人なら無意識にスルー出来るようなところにばかり目がいく。他の家族や友人が気にしないようなところがずっと気になるし、いつもそれで気まずい思いをする羽目になるのだ。
俺がこういうライブ映像を見るのが好きじゃないのも、そのせいだ。妹が見てほしいポイントではなく、振り付けを間違っただとか、口パクだとか、そういう余計なところばかり気にしてしまい、言葉に出しては結局妹を怒らせてしまう。
「まあ、とは言え、やっぱりここの歌のとこ抜群に上手いんだよな。やたら声がよくてさ」
「あ、わかる? ミズキくんのパート。めっちゃ上手いよね。うちもアラタくんの次にミズキくんが好きだよ。にわかっぽいからあんま言わないけど。ミズキくんはビジュ担当と思いきや実はパフォーマンスに対するプロ意識とか高くてファンにも真摯な実力派だから、知れば知るほど好きになるタイプだね」
ああ、そうだ、ミズキ。確か、北欧かどっかのクオーターで、プラチナブロンドとグリーンアイズの、日本人離れしたルックスと、モデル並のプロポーションの持ち主なんだとか。満員のドーム公演でここまで堂々としたパフォーマンスを披露できる上、大人びた綺麗な顔立ちをしているからにわかには信じがたいが、俺と同い年らしい。
妹が俺を詰るときによく引き合いに出される名前だから、印象に残っている。同い年という共通点もあって、他のメンバーよりも目で追ってしまうわけである。
「あ」
「ん? なに?」
「いや、別に」
さっき思いっきり口パクしてたセンターが、そのミズキとかいうアイドルをすれ違いざまきつく睨みつける瞬間が目に入ってしまった。妹から何度か聞く話によれば、このユニットの人気を背負う二大巨頭が、このセンターと、ミズキの二人らしい。
華やかで主張が強く、強烈なカリスマのあるセンターと、主張は少ないが圧倒的なビジュアルの良さと魅力的な声を持つミズキ。ミズキはともかく、センターの方はバチバチにライバル心を燃やしているようだ。アイドルも大変である。
さて、そんなことを考えていたら、母の帰宅を知らせるチャイムが鳴った。イロハはびっくり箱の中身みたいな勢いで立ち上がり、玄関の鍵を開けにリビングを飛び出していく。
俺はライブ映像からニュース番組に画面を切り替え、キッチンへ向かって母の夕食の準備に取り掛かった。廊下からチワワみたいにキャンキャン母に纏わりつくイロハの声と、どこか疲れを滲ませつつも朗らかに応じる母の声が聞こえてくる。
「おかえり、母さん」
「ただいま、カイリ。あら、中華スープ? いい匂いね。いつもありがとう」
いつもながら、どうしてこんなに穏やかな母と、そんな母さんよりも穏やかな父から、こんな無駄に元気でうるさい妹が生まれたのか、実に不可解である。しかし顔立ちからして間違いなく遺伝は発揮されているのだから、血縁があることは確からしい。
イロハはニュースには目もくれず、夕飯をとり始めた母の目の前に座り、スマホを弄りつつ嬉しそうに学校でのことや例の推しのことを熱心に報告し始めた。これもまあ、いつもの光景だ。俺にはあんな態度なのに、母には素直に甘えられるらしい。まあ、別にどうだっていいことだが。中学生にもなって兄貴にベタベタくっつくのもそれはそれで気持ち悪いし。
何はともあれ、今日の俺の仕事は終わった。そろそろ部屋に戻ってネトゲのデイリーミッションを消化しようか、なんて思ったところのこと。
「は……?」
カタン、と、スマホが床と衝突する、かたい音とともに、イロハの震える声が響いた。
「いろは? どうしたの?」
「うそ……え……? うそでしょ……?」
イロハは母の声かけにも答えず、落としたスマホを拾い、慌ただしく操作する。ふと、垂れ流しになっていたニュースの画面に目をやった。
「LUV I.E.……無期限活動休止、プロデューサーの未成年淫行を告発……?」
「ラヴィ? って、いろはの好きなアイドル……よね?」
イロハはその場にしゃがみこんで顔を覆い、悲鳴のような呻き声を上げて首を横にブンブンと振った。これは、母の言葉を否定するのではなく、信じたくないという気持ちの表れだろう。
それ以上言葉を発さなくなったイロハは、フラフラと自室へ向かい、閉じこもってしまった。
そして、翌朝、ショックからか熱を出して寝込み、母は学校と職場に休む連絡を入れたのだった。
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