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番外編
番外編⑧小鞠の恋愛相談室
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カフェ・アロマにコンフィズリーの納品に来た小鞠と、たまたま鉢合わせた理央は、どちらも所在なさげに立ち尽くしていた。
「……志貴さん、いないの?」
「今日は豆の仕入れに行ってるって」
志貴がいないとわかると、理央は目に見えてしょんぼりした。
主不在の店内に、コーヒーの薫りだけが、深く漂っている。
「……じゃあ、帰ろっかな」
「まあまあ、そう言わないで。せっかくだしお茶でもしてきなよ。ついでに試作の砂糖菓子を、味見して」
理央はちょっとだけ迷った末に、こくんと頷いた。
自分とは違い、小さくて明るくて気の利いた会話もできる小鞠が、最初は苦手だった。
奏太のことを『そうちゃん』と呼ぶのも嫌だった。でも職人としての小鞠は尊敬出来る人だった。それに意外と話も合う。
2人は向かい合って座り、志貴の用意していた水出しコーヒーをグラスに入れた。
「で、なにか相談?」
「え?」
「だって、顔に書いてある。『どうしても相談したい!』って」
小鞠は理央を下から覗き込み、パチンと片目を瞑った。 理央は何度か躊躇ったあと、少し恥ずかしそうに口を開いた。
「……あの、さ」
ストローをくるりと回す。
シナモンの香る砂糖菓子を一口齧り、理央はぽつりと呟いた。
「エッチのとき、あんまり動けなくて……っていうか、何もできなくなっちゃって」
「は?」
小鞠は噴き出しかけたコーヒーを慌てて飲み込み、顔をしかめる。
「……マグロって言うんでしょ、そういうの。雑誌に書いてあった。『マグロはNG。相手のテンションが下がる』って……。俺、奏太に嫌われたくない」
理央は自分が面倒くさい奴だという自覚がある。この上、えっちの時まで手がかかるなんて思われたら――そう思うと不安だった。
「理央さん」
「うん……」
何を言われるかと身構える理央に、小鞠はニヤリと笑って指を立てる。
「マグロ、最高だよ?」
「えっ」
意外な反応に理央は驚く。
「マグロってさ、全部預けて、全部見せてくれるってことでしょ? それって、抱く方からしたら堪らないと思うな。とても可愛いよ」
「…………可愛い?」
「うん。むしろ俺はそういうの萌えるタイプ」
「……うう」
理央は赤面しながらうつむいた。
「小鞠は……どうしてるの?」
「ん? 俺? 攻めるときは攻めるし、転がされるときは気持ちよく転がってる」
「うわ、すご……プロ……」
「プロじゃないけどさ、相手が望むことをしたくなる。サービス精神が旺盛なのは、職業病かな」
「サービス……」
残念ながら、理央にサービスという概念はない。
「俺は、嬉しくって、気持ちよくって、もういっぱいいっぱいで。自分から何かしなくちゃなんて、思いつかないんだ」
「無理に何かする必要はないよ。好きな人の手で、可愛く蕩けてたらもう充分だよ」
理央は、少しだけ救われたような顔で「……そっか」と呟いた。
「ま、たまには上になってみてもいいかもね。 ギャップ萌えに喜ぶかもよ?」
「上? 上か……」
思い詰めた様子で考え込む理央を見て、小鞠はちょっとだけ嫌な予感がしたが、まぁいいかと笑って流した。
奏太なら、どうにかするだろう。
***
その夜。理央はベッドの上で正座して、膝に乗ってきたナナちゃんを撫でながら深刻な様子で切り出した。
「今日さ、小鞠に相談したんだ」
「相談?」
奏太はいつの間に、と少し驚いた。
「それで、何を聞いたんだ?」
「……マグロのこと」
奏太は動じた様子もなく、「うん」とだけ返した。理央はナナちゃんを膝から下ろし、意を決して、奏太の上に跨った。
すべすべの太ももが奏太の脇腹を挟み、こういう店があったら行っちゃうな、なんて思いながらその先を見守る。
「……俺、がんばるから!」
「うん。任せるよ」
そう答えた奏太の顔は、柔らかく微笑んでいた。理央の勇気が嬉しく、何をするつもりか知らないが、全部受け止めるつもりだった。
理央は真剣な顔で奏太の首に唇を寄せ、耳を――。
「あぐ、……あむっ」
「耳……?」
「奏太が耳たぶを噛むと……俺、はうっ、てなっちゃうから……えいっ」
理央は耳たぶを甘噛みしようとした。けれど、加減がわからない。あぐあぐと、まるで子猫が甘噛みをしてるみたいでくすぐったい。
「……はは」
「な、なんで笑うの!」
「いや、可愛いからさ」
理央は顔を真っ赤にしながら、今度は胸元に口を寄せる。小さな舌をぺろっと這わせたかと思えば、ちゅう、と吸って――まるでミルクを飲む子猫のよう。
「ん……こう、かな……?」
「理央、それは……」
「よくない? 奏太に舐められると溶けちゃいそうで、でもツンと尖って痛いから――」
「……限界だ」
「えっ?」
奏太は理央の背に手を回し、するりとパンツを引き下ろす。
「ちょっ、俺がやるって――」
「やらなくていい。理央はマグロでいい。……俺が動く」
奏太の目が据わっていた。服を脱がせながら体勢をくるりと入れ替え、理央をベッドに押し倒す。
「ツンと尖って――なんだって?」
そう言いながら、奏太は理央のピンク色の実を指先で摘んだ。それだけで声を上げ、くりくりと揉んだら太ももを擦り合わせて身を捩った。
「……堪らないな。脚、開かせて」
細くて白い脚が、奏太の大きな手でゆっくりと開かれる。紅く染まった中心が、柔らかく震えていた。ごくりと奏太の喉が鳴る。
「さっきから……可愛いすぎるだろ」
「頑張ったのに……奏太みたいに、格好よくなれない」
シュンとする理央は奏太の手で脚を開かれたまま、色付いた肌も胸の尖りも、秘めた場所すら曝していて凄絶に色っぽい。
「変わらなくていい。俺はそのままの理央に惚れてる」
ぐっと腰を引かれて、理央の脚が奏太の胴に回り込む。一度、深く口づけてから先端が当てられる。
「入れるよ」
「……うんっ」
ぎゅっと目を閉じて、理央はその瞬間を受け止めた。中が押し広げられて、甘く満たされていく。
「ふ、くぅっ……あ、あっ……!」
理央の身体が跳ね、しがみついて奏太の名前を何度も呼んだ。
「可愛い……俺だけの理央だ」
「……も、マグロで……いいよぅ……!」
そう呟いて、理央は首に腕を回した。
奏太はゆっくりと腰を沈める。
甘くひくつく奥へと、何度も何度も波のように打ち寄せていくたびに、理央は声も出せなくなって、目尻から涙をこぼした。
「んっ、んぁ……そう、た……っ」
「可愛い……理央……可愛すぎる……」
奏太の名を震える声で呼ぶたびに、身体が奥から揺らされる。
もう、自分で何もできなくたっていい。だって――。
「……奏太が、全部、してくれるから……」
かすれた声でそう告げて、理央は愛しい腕の中で、熱と快楽に甘く蕩けていった。
***
翌日、小鞠は納品ついでに理央の顔を見て、ニヤリと笑った。
「悩みは解決したみたいだね?」
「……奏太は、マグロがいいんだって」
小鞠は理央の言葉に思わず噴き出し、それから巫山戯て「マグロちゃん」と呼んだ。
「や、やめてよ……っ! 別に極めたいわけじゃないもん……!」
理央はぷくっと頬を膨らませたが、その頬は赤く染まっていて――まんざらでもなさそうだった。
お返しに小鞠を「先生」と呼び、志貴や燕司に不思議がられていたのは、また別の話。
「……志貴さん、いないの?」
「今日は豆の仕入れに行ってるって」
志貴がいないとわかると、理央は目に見えてしょんぼりした。
主不在の店内に、コーヒーの薫りだけが、深く漂っている。
「……じゃあ、帰ろっかな」
「まあまあ、そう言わないで。せっかくだしお茶でもしてきなよ。ついでに試作の砂糖菓子を、味見して」
理央はちょっとだけ迷った末に、こくんと頷いた。
自分とは違い、小さくて明るくて気の利いた会話もできる小鞠が、最初は苦手だった。
奏太のことを『そうちゃん』と呼ぶのも嫌だった。でも職人としての小鞠は尊敬出来る人だった。それに意外と話も合う。
2人は向かい合って座り、志貴の用意していた水出しコーヒーをグラスに入れた。
「で、なにか相談?」
「え?」
「だって、顔に書いてある。『どうしても相談したい!』って」
小鞠は理央を下から覗き込み、パチンと片目を瞑った。 理央は何度か躊躇ったあと、少し恥ずかしそうに口を開いた。
「……あの、さ」
ストローをくるりと回す。
シナモンの香る砂糖菓子を一口齧り、理央はぽつりと呟いた。
「エッチのとき、あんまり動けなくて……っていうか、何もできなくなっちゃって」
「は?」
小鞠は噴き出しかけたコーヒーを慌てて飲み込み、顔をしかめる。
「……マグロって言うんでしょ、そういうの。雑誌に書いてあった。『マグロはNG。相手のテンションが下がる』って……。俺、奏太に嫌われたくない」
理央は自分が面倒くさい奴だという自覚がある。この上、えっちの時まで手がかかるなんて思われたら――そう思うと不安だった。
「理央さん」
「うん……」
何を言われるかと身構える理央に、小鞠はニヤリと笑って指を立てる。
「マグロ、最高だよ?」
「えっ」
意外な反応に理央は驚く。
「マグロってさ、全部預けて、全部見せてくれるってことでしょ? それって、抱く方からしたら堪らないと思うな。とても可愛いよ」
「…………可愛い?」
「うん。むしろ俺はそういうの萌えるタイプ」
「……うう」
理央は赤面しながらうつむいた。
「小鞠は……どうしてるの?」
「ん? 俺? 攻めるときは攻めるし、転がされるときは気持ちよく転がってる」
「うわ、すご……プロ……」
「プロじゃないけどさ、相手が望むことをしたくなる。サービス精神が旺盛なのは、職業病かな」
「サービス……」
残念ながら、理央にサービスという概念はない。
「俺は、嬉しくって、気持ちよくって、もういっぱいいっぱいで。自分から何かしなくちゃなんて、思いつかないんだ」
「無理に何かする必要はないよ。好きな人の手で、可愛く蕩けてたらもう充分だよ」
理央は、少しだけ救われたような顔で「……そっか」と呟いた。
「ま、たまには上になってみてもいいかもね。 ギャップ萌えに喜ぶかもよ?」
「上? 上か……」
思い詰めた様子で考え込む理央を見て、小鞠はちょっとだけ嫌な予感がしたが、まぁいいかと笑って流した。
奏太なら、どうにかするだろう。
***
その夜。理央はベッドの上で正座して、膝に乗ってきたナナちゃんを撫でながら深刻な様子で切り出した。
「今日さ、小鞠に相談したんだ」
「相談?」
奏太はいつの間に、と少し驚いた。
「それで、何を聞いたんだ?」
「……マグロのこと」
奏太は動じた様子もなく、「うん」とだけ返した。理央はナナちゃんを膝から下ろし、意を決して、奏太の上に跨った。
すべすべの太ももが奏太の脇腹を挟み、こういう店があったら行っちゃうな、なんて思いながらその先を見守る。
「……俺、がんばるから!」
「うん。任せるよ」
そう答えた奏太の顔は、柔らかく微笑んでいた。理央の勇気が嬉しく、何をするつもりか知らないが、全部受け止めるつもりだった。
理央は真剣な顔で奏太の首に唇を寄せ、耳を――。
「あぐ、……あむっ」
「耳……?」
「奏太が耳たぶを噛むと……俺、はうっ、てなっちゃうから……えいっ」
理央は耳たぶを甘噛みしようとした。けれど、加減がわからない。あぐあぐと、まるで子猫が甘噛みをしてるみたいでくすぐったい。
「……はは」
「な、なんで笑うの!」
「いや、可愛いからさ」
理央は顔を真っ赤にしながら、今度は胸元に口を寄せる。小さな舌をぺろっと這わせたかと思えば、ちゅう、と吸って――まるでミルクを飲む子猫のよう。
「ん……こう、かな……?」
「理央、それは……」
「よくない? 奏太に舐められると溶けちゃいそうで、でもツンと尖って痛いから――」
「……限界だ」
「えっ?」
奏太は理央の背に手を回し、するりとパンツを引き下ろす。
「ちょっ、俺がやるって――」
「やらなくていい。理央はマグロでいい。……俺が動く」
奏太の目が据わっていた。服を脱がせながら体勢をくるりと入れ替え、理央をベッドに押し倒す。
「ツンと尖って――なんだって?」
そう言いながら、奏太は理央のピンク色の実を指先で摘んだ。それだけで声を上げ、くりくりと揉んだら太ももを擦り合わせて身を捩った。
「……堪らないな。脚、開かせて」
細くて白い脚が、奏太の大きな手でゆっくりと開かれる。紅く染まった中心が、柔らかく震えていた。ごくりと奏太の喉が鳴る。
「さっきから……可愛いすぎるだろ」
「頑張ったのに……奏太みたいに、格好よくなれない」
シュンとする理央は奏太の手で脚を開かれたまま、色付いた肌も胸の尖りも、秘めた場所すら曝していて凄絶に色っぽい。
「変わらなくていい。俺はそのままの理央に惚れてる」
ぐっと腰を引かれて、理央の脚が奏太の胴に回り込む。一度、深く口づけてから先端が当てられる。
「入れるよ」
「……うんっ」
ぎゅっと目を閉じて、理央はその瞬間を受け止めた。中が押し広げられて、甘く満たされていく。
「ふ、くぅっ……あ、あっ……!」
理央の身体が跳ね、しがみついて奏太の名前を何度も呼んだ。
「可愛い……俺だけの理央だ」
「……も、マグロで……いいよぅ……!」
そう呟いて、理央は首に腕を回した。
奏太はゆっくりと腰を沈める。
甘くひくつく奥へと、何度も何度も波のように打ち寄せていくたびに、理央は声も出せなくなって、目尻から涙をこぼした。
「んっ、んぁ……そう、た……っ」
「可愛い……理央……可愛すぎる……」
奏太の名を震える声で呼ぶたびに、身体が奥から揺らされる。
もう、自分で何もできなくたっていい。だって――。
「……奏太が、全部、してくれるから……」
かすれた声でそう告げて、理央は愛しい腕の中で、熱と快楽に甘く蕩けていった。
***
翌日、小鞠は納品ついでに理央の顔を見て、ニヤリと笑った。
「悩みは解決したみたいだね?」
「……奏太は、マグロがいいんだって」
小鞠は理央の言葉に思わず噴き出し、それから巫山戯て「マグロちゃん」と呼んだ。
「や、やめてよ……っ! 別に極めたいわけじゃないもん……!」
理央はぷくっと頬を膨らませたが、その頬は赤く染まっていて――まんざらでもなさそうだった。
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