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⑦森の中で出逢う−2
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途中で街道を外れ、ロクが森に入っていこうとするので焦った。
「森なんて何しに行くんだよっ!」
「それは新しい植物を探すなら、街中より森の方が良いだろう?」
確かに、新種を探すならそうなのかもしれない。
でも危険な獣が出そうだし、サバイバルの道具だって持ってきていない。
「サバイバルの道具? 荷物なら全て私が持っているし、ナイフが一本あれば困らない」
すげぇな。森の中にナイフ一本で突っ込めるって、どれだけ強いんだよ。
でもさ、自慢じゃないけど俺が足を引っ張ると思う。
「舗装されてない道を歩くのは慣れてないし、土の上で眠るのも一晩が限界だと思う」
現代人を舐めるなよ? 屋外で過ごすだけで体力を消耗する自信があるぜ。
ちょっと自慢げに情けない告白をしたら、問題ないと軽くいなされてしまった。
「移動の半分は私が抱えていくし、眠る時は抱いていてやる」
『抱く』という言葉に顔を赤らめる俺に、ロクが安心しろと言った。
「私たちには太古の記憶が残っていて、森の中では身を寄せ合って眠る。人肌があれば体温も維持できるし、身体も固まらずに済む。森に怯える必要はない」
えぇぇ、そうは言っても俺は獣人じゃないからねぇ。やっぱり不安だよ。
「心配なら今日はずっと私にくっついていればいい」
何ものからも守ってやる、と言われて迂闊にもキュンときてしまった。
守られたい願望なんて無かったんだけど、頼れる人がいるのは心強い。
俺はちゃっかりとその言葉に甘え、移動の半分はロクに手伝って貰ったし、自分で歩く時はスピードを俺の足に合わせて貰った。
そして夜はロクが狩ってきた獣を食べ、良い香りのする葉っぱを煮出したお茶を飲み、胡座を掻いたロクの膝の上に座ってデザートを強請った。
「やっぱさぁ、夜は怖いからいつもよりもしつこくしてもい?」
「いつもよりもしつこく?」
「いっぱい吸いたい」
「……わかった」
許しを貰った俺はロクの首に両腕を回し、口の中に舌を侵入させて絡め取った。
「ん……ふ……」
ロクの舌をチュウチュウと吸って、甘いゼリーの味を思い浮かべる。
本当は某有名店の丸ごとマスクメロンを想像したかったけど、甘すぎて苦痛を感じさせては悪いから甘酸っぱいみかん味のゼリーにしておく。
それだって何度も何度も舌を啜っていたらいっぱい食べた気になって、満足したのだけど止めたくない。
(もっと……もう甘いのはいいから、もっと気持ちよくなりたい)
俺は欲望に忠実にそう思い、ロクの舌をねちっこく舐った。
いつの間にか味のしなくなった舌をざらりと口から引き抜かれ、その拍子に舌が擦れて感じてしまう。
「あ……」
すっかり気分が盛り上がってハフハフと息を喘がせていたら、マントでぐるぐるっと簀巻きにされた。
「食ったらもう寝ろ」
これで終了という雰囲気に慌てる。
待って待って、ここで終わりなんてやだ。
「まだ――」
「もう十分だろう? それに客の相手をしなければいけない」
「客?」
何を言ってるのかとキョロキョロと辺りを見回したが、俺に見つかるような間抜けな生き物はいない。
「ロク?」
シャツを引っ張ったらガサリと茂みが揺れた。
(ひえっ、まさか熊とか狼じゃないよね!?)
慌てふためく俺の前でロクが焚き火を崩して火を弱くした。
暗さの増した森が怖くて俺はギュッとロクにしがみつき、そんな俺をロクが安心させるように軽く叩いてから茂みに向かって声を掛けた。
「挨拶に来たんだろう? 隠れてないで出てこい」
「……」
ぬっと暗闇から顔を出すように現れたそれは、生き物の気配が無かった。
とても恐ろしかったけれど、逃げる必要はないのだとわかっていた。
それはロクにそっくりな黒豹の姿をしていた。
「森なんて何しに行くんだよっ!」
「それは新しい植物を探すなら、街中より森の方が良いだろう?」
確かに、新種を探すならそうなのかもしれない。
でも危険な獣が出そうだし、サバイバルの道具だって持ってきていない。
「サバイバルの道具? 荷物なら全て私が持っているし、ナイフが一本あれば困らない」
すげぇな。森の中にナイフ一本で突っ込めるって、どれだけ強いんだよ。
でもさ、自慢じゃないけど俺が足を引っ張ると思う。
「舗装されてない道を歩くのは慣れてないし、土の上で眠るのも一晩が限界だと思う」
現代人を舐めるなよ? 屋外で過ごすだけで体力を消耗する自信があるぜ。
ちょっと自慢げに情けない告白をしたら、問題ないと軽くいなされてしまった。
「移動の半分は私が抱えていくし、眠る時は抱いていてやる」
『抱く』という言葉に顔を赤らめる俺に、ロクが安心しろと言った。
「私たちには太古の記憶が残っていて、森の中では身を寄せ合って眠る。人肌があれば体温も維持できるし、身体も固まらずに済む。森に怯える必要はない」
えぇぇ、そうは言っても俺は獣人じゃないからねぇ。やっぱり不安だよ。
「心配なら今日はずっと私にくっついていればいい」
何ものからも守ってやる、と言われて迂闊にもキュンときてしまった。
守られたい願望なんて無かったんだけど、頼れる人がいるのは心強い。
俺はちゃっかりとその言葉に甘え、移動の半分はロクに手伝って貰ったし、自分で歩く時はスピードを俺の足に合わせて貰った。
そして夜はロクが狩ってきた獣を食べ、良い香りのする葉っぱを煮出したお茶を飲み、胡座を掻いたロクの膝の上に座ってデザートを強請った。
「やっぱさぁ、夜は怖いからいつもよりもしつこくしてもい?」
「いつもよりもしつこく?」
「いっぱい吸いたい」
「……わかった」
許しを貰った俺はロクの首に両腕を回し、口の中に舌を侵入させて絡め取った。
「ん……ふ……」
ロクの舌をチュウチュウと吸って、甘いゼリーの味を思い浮かべる。
本当は某有名店の丸ごとマスクメロンを想像したかったけど、甘すぎて苦痛を感じさせては悪いから甘酸っぱいみかん味のゼリーにしておく。
それだって何度も何度も舌を啜っていたらいっぱい食べた気になって、満足したのだけど止めたくない。
(もっと……もう甘いのはいいから、もっと気持ちよくなりたい)
俺は欲望に忠実にそう思い、ロクの舌をねちっこく舐った。
いつの間にか味のしなくなった舌をざらりと口から引き抜かれ、その拍子に舌が擦れて感じてしまう。
「あ……」
すっかり気分が盛り上がってハフハフと息を喘がせていたら、マントでぐるぐるっと簀巻きにされた。
「食ったらもう寝ろ」
これで終了という雰囲気に慌てる。
待って待って、ここで終わりなんてやだ。
「まだ――」
「もう十分だろう? それに客の相手をしなければいけない」
「客?」
何を言ってるのかとキョロキョロと辺りを見回したが、俺に見つかるような間抜けな生き物はいない。
「ロク?」
シャツを引っ張ったらガサリと茂みが揺れた。
(ひえっ、まさか熊とか狼じゃないよね!?)
慌てふためく俺の前でロクが焚き火を崩して火を弱くした。
暗さの増した森が怖くて俺はギュッとロクにしがみつき、そんな俺をロクが安心させるように軽く叩いてから茂みに向かって声を掛けた。
「挨拶に来たんだろう? 隠れてないで出てこい」
「……」
ぬっと暗闇から顔を出すように現れたそれは、生き物の気配が無かった。
とても恐ろしかったけれど、逃げる必要はないのだとわかっていた。
それはロクにそっくりな黒豹の姿をしていた。
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