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56.見えない雪は降り積もる-2(R-18)
しおりを挟む床に膝を付き、尻を高く掲げる。
領主が可愛がってくれないからと、イチヤは細い指を後ろに回して慎ましやかな蕾に差し込む。
『あんっ、気持ちいいよぅ……』
指で後ろを慰めながら身をくねらせるイチヤを、唾を飲んで見守る。
『お尻が、溶けちゃう……』
小さな蕾が濡れて、綻んで、ナカの色が覗くのを見てエミールは堪えられなくなる。
震える指で蕾に触れたら、くちゅりと濡れた音がしてズブズブと指を飲み込んでいった。
『気持ちがいいのですか? 尻を慰められて、嬉しいのですか?』
『ん……嬉しい。お尻、ぐちゅぐちゅされるの好き……』
『おや、はしたなく脚を開いて、自ら差し出して……後孔が気持ちいいなどと、恥ずかしくはないのですか』
『恥ずかしい……恥ずかしいけど、気持ちくて止めらんない……もっと触ってよぅ』
空想の中でイチヤは奔放に尻穴への愛撫を強請る。
獣人の太い指を咥え込んで高らかに囀ずる。
『そんなに好きですか?』
『好き……でももっと、生々しく張り付いてくる太くて大きいのが欲しい』
『太くて大きいのとは?』
『意地悪しないで、早くソレを挿れてよ。ほら、ズブズブと根元まで』
そう言って自ら尻肉を掴んで穴を開いて見せたイチヤを見て、エミールは我慢できずに雄々しくそそり勃ったイチモツを突き挿れる。
『ああっ! 埋まるっ!』
目の前でイチヤの慎ましやかな蕾が押し広がり、自分のグロテスクな陽物が埋まっていく。
『ああ、咥え込んでる……こんなにも口を開いて、目一杯頬張っています』
『言わないでぇ……お尻で食べてるなんて、言わないでぇ……』
イチヤは恥ずかしそうにしながらも奥まで男根を受け入れる。
ズブズブと為す術もなく、抵抗も出来ずに蕾を散らされる。
濡れたナカがエミールの陽物をツルツルと擦り、甘い汁を滴らせながら掻き回されて溶ける。
『溶ける、溶けるぅ……お尻が溶けちゃう……』
『大丈夫です。私が幾らでも埋めて差し上げますよ』
つれないご領主様の代わりに、とエミールはイチヤの耳元に囁いた。
その途端にキュッと蕾が締まって、エミールはイチヤの心がまだ領主にあることを知る。
『甘いものがお嫌いなご領主様に、まだ未練がありますか?』
『違うっ! そんなんじゃ……』
『いまあなたを抱いているのは私ですよ?』
そう言いながら腰を激しく打ち付けたらイチヤが嬉しそうに喘いだ。
『わかってる、俺がハメられてるのは大鹿の分身……』
『そうです、大鹿の陽物です。気持ちいいでしょう?』
『気持ちいい……』
『もっと?』
『もっと、シテ……』
イチヤに欲しがられてエミールはギュッと彼を抱き締めた。
(本当にご領主様がいらないと言うなら、甘いものがお嫌いなら私が代わりに戴く)
抱いても抱いてもイチヤは果てず、その身にエミールの迸りを受け止めた。
(私が、代わりに……)
その妄想は毒になる、いけないと思いつつもエミールは止めることが出来なかった。
何度もイチヤを抱き、その身体を余すところなく凌辱した。
それは甘く、切なく、エミールの心を捉えた。
エミールは妄想だけだ、と思いながら自分にそれを許した。
***
イチヤは他人の頭の中でどんな格好をさせられているかも知らず、今日も無防備な姿でうろついている。
お供だという蛇に身体を巻き付かれ、ふわふわの襟巻きに首を埋め、周りに黒と黄色の縞柄の虫を飛ばしながらふらふらと歩いている。
(あんなに肌を見せて)
エミールは獣人にとって毛の生えていない肌が気持ちの悪いものだと知っていた。
それなのに真珠色に光る肌を見ていると、つるりとした鎖骨を見ると喉が渇いて仕方がない。
擦って濡らして武者振り付きたくなる。
(あれは領主のものなのに)
何故あんなにも美味しそうなのか。甘そうなのか。
(せめて甘味でも食べなければやってられない)
エミールはイチヤに貰ったメープルシロップを大事に大事に啜り、そうするとまたしてもイチヤを思い浮かべて欲しくなるという悪循環を繰り返すのだった。
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