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95.獣神降臨ー2
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「俺は獣人とも神霊とも番ったから、彼らの味方で同士なんだよ。神霊は渡さない。この地は俺たちのものだ。手出しはさせない!」
獣神を睨みつけたら左右にロクとロクの神霊が立ってくれた。
ついでにハヌマーンも並んでいるが、彼のことを突っ込まれたらなんて答えよう。
堕神が仲間だなんて言って信じて貰えるかなぁ、と考えていたら猩々たちが出てきて空を見上げた。
神霊がこっちにいる所為か、それとも一度手を出されたからか獣神たちを敵視しているように見える。
「猩々にまで嫌われるなんて、獣神にはこの地を治める力量が無いんじゃないの?」
『この、人間風情が――』
「人間だから言ってるんだ! あんたたちは人が憧れる姿と力を持っている。でも乗っ取られるのはごめんだ!」
俺は思い切り叫んで全力で彼らを拒絶した。
何の力もないけれど、それでも死ににくい身体なら攻撃されても持ち堪えられる。一分一秒でも長く彼らの前に立って、俺は決して引かない。
「この地から出ていけ」
俺は両腕を組んでドーンと仁王立ちになって言った。
なるべく偉そうに、虚勢が見抜かれないように平静を装った。
『……なんだこれは』
獣神が苛立ったように、戸惑ったようにそう言った。
それを聞いてお師匠様がおかしそうにニンマリと笑った。
「何って、人が自分たちの意思で獣神を拒んだのです。あなたたちに騙されたことに気付いたのですよ」
『騙してなどいない! 神霊が獣神に格上げされるのは喜ばしいことだろう』
(ん? もしかして、本気でそう思っているのか?)
俺はお師匠様と獣神のやりとりを聞いて内心で驚いた。
「ええ、或いはそうかもしれないと、私も長いことそう思っていました」
「なんでだよ! 神霊を取られたら抜け殻になるって知って、喜ぶ奴なんていないよ!」
まあもしかしたら、一部の狂信的な獣人たちは喜ぶかもしれないけど。でも周りの人もたまったもんじゃないしな。
『絞り滓などどうでもいいわ!』
ガオッと炎のような鬣の立派なライオン神が吠えた。
太陽みたいに発光して、流石の神々しさだったけど俺は恐れ入ったりしない。
だってあいつはロクの事を『絞り滓』と言ったも同然だからだ。
「……絞り滓? もう一度言ってみろ! お前らみたいなマイナー神、滅ぼしてやる!」
『こっ、このっ!』
獣神たちは怒りつつも何故か怯んでいた。
俺に彼らを滅ぼす力なんてある訳ないのに、どうして?
「イチヤ、異世界人のそなたに神である獣神は手を出すことが出来ません。けれど人であるそなたは念じるだけで、不要だと強く思うだけで神を消せるかもしれないのです」
「え、マジ?」
俺は思わず目をパチパチと瞬いた。
人々の信仰心が神の力になるように、否定することが存在を揺らがせるなら――どれだけ強く願ったなら神を消せるんだろう?
「神なんていらないって、割と本気で思えると思うよ」
ボソリと呟いた俺の前で、お師匠様までひくりと顔を引き攣らせた。
「お師匠様ぁ?」
「そなたは神にも読めませんからね。私まで消さないで下さい」
信用ないなぁ。
そう頭を掻いていたらやる気満々のロクとハヌマーンが前へ出た。
「そろそろ戦ってもいいか?」
「おう、消してもいいのだろう?」
「あんたたちはなんでそんなに好戦的なんだよ~っ!」
俺はワクワクとしている二人を見て慌てた。
折角、戦わずして獣神を退けられそうなのに、なんでわざわざこっちから手を出そうとするんだよ。
「チヤ、こいつらは敵だろう。何故止める?」
何故ってそれは直接やり合ったら勝てないからだけど、そんなことロクに言えない。
だから俺は地上で神とぶつかったりしたら、地上がメチャクチャになってしまうと訴えた。
「む……では天界に、」
「獣神は天界に入れません」
お師匠様がロクの言葉を遮ってにべもなく言った。
ちょっと怒っている。
「では何処で戦うのだ!」
業を煮やしたハヌマーンが地団駄を踏んで焦れている。
こいつ本当に単純だな。
「だから戦っちゃ駄目だって。獣神にはこのままお引取り願おうよ」
俺が泣きつくようにそう言ったら、今度は獣神たちが勝手なことを言い始めた。
『我らは戦っても良い! 我らが勝ったらこの地を寄越せ!』
「ちょ、だから地上じゃ戦えないって――」
『そんなことは知らぬ! 異世界人には手を出せぬが、そこの獣人と堕神なら話が別だ』
「えっ、そうなの?」
俺は慌ててお師匠様に確認を取った。
「私の前で手を出すのは禁則ですが、目を瞑っていることは出来ます」
「なんでだよっ!」
俺はこちらの味方だと思っていたお師匠様に裏切られた気分だ。
「そうでもしなければ収まらないでしょう」
「でも場所がっ!」
なんとか切り抜けようとする俺の前で、眩い光が弾けて声が響いた。
『その勝負、異界にて行うが良い』
「神様っ!?」
なんと元の世界の神様の乱入だった。
一体、どうなっちゃうんだよ!
愕然とする俺の前で、異界への門が開いたのだった。
獣神を睨みつけたら左右にロクとロクの神霊が立ってくれた。
ついでにハヌマーンも並んでいるが、彼のことを突っ込まれたらなんて答えよう。
堕神が仲間だなんて言って信じて貰えるかなぁ、と考えていたら猩々たちが出てきて空を見上げた。
神霊がこっちにいる所為か、それとも一度手を出されたからか獣神たちを敵視しているように見える。
「猩々にまで嫌われるなんて、獣神にはこの地を治める力量が無いんじゃないの?」
『この、人間風情が――』
「人間だから言ってるんだ! あんたたちは人が憧れる姿と力を持っている。でも乗っ取られるのはごめんだ!」
俺は思い切り叫んで全力で彼らを拒絶した。
何の力もないけれど、それでも死ににくい身体なら攻撃されても持ち堪えられる。一分一秒でも長く彼らの前に立って、俺は決して引かない。
「この地から出ていけ」
俺は両腕を組んでドーンと仁王立ちになって言った。
なるべく偉そうに、虚勢が見抜かれないように平静を装った。
『……なんだこれは』
獣神が苛立ったように、戸惑ったようにそう言った。
それを聞いてお師匠様がおかしそうにニンマリと笑った。
「何って、人が自分たちの意思で獣神を拒んだのです。あなたたちに騙されたことに気付いたのですよ」
『騙してなどいない! 神霊が獣神に格上げされるのは喜ばしいことだろう』
(ん? もしかして、本気でそう思っているのか?)
俺はお師匠様と獣神のやりとりを聞いて内心で驚いた。
「ええ、或いはそうかもしれないと、私も長いことそう思っていました」
「なんでだよ! 神霊を取られたら抜け殻になるって知って、喜ぶ奴なんていないよ!」
まあもしかしたら、一部の狂信的な獣人たちは喜ぶかもしれないけど。でも周りの人もたまったもんじゃないしな。
『絞り滓などどうでもいいわ!』
ガオッと炎のような鬣の立派なライオン神が吠えた。
太陽みたいに発光して、流石の神々しさだったけど俺は恐れ入ったりしない。
だってあいつはロクの事を『絞り滓』と言ったも同然だからだ。
「……絞り滓? もう一度言ってみろ! お前らみたいなマイナー神、滅ぼしてやる!」
『こっ、このっ!』
獣神たちは怒りつつも何故か怯んでいた。
俺に彼らを滅ぼす力なんてある訳ないのに、どうして?
「イチヤ、異世界人のそなたに神である獣神は手を出すことが出来ません。けれど人であるそなたは念じるだけで、不要だと強く思うだけで神を消せるかもしれないのです」
「え、マジ?」
俺は思わず目をパチパチと瞬いた。
人々の信仰心が神の力になるように、否定することが存在を揺らがせるなら――どれだけ強く願ったなら神を消せるんだろう?
「神なんていらないって、割と本気で思えると思うよ」
ボソリと呟いた俺の前で、お師匠様までひくりと顔を引き攣らせた。
「お師匠様ぁ?」
「そなたは神にも読めませんからね。私まで消さないで下さい」
信用ないなぁ。
そう頭を掻いていたらやる気満々のロクとハヌマーンが前へ出た。
「そろそろ戦ってもいいか?」
「おう、消してもいいのだろう?」
「あんたたちはなんでそんなに好戦的なんだよ~っ!」
俺はワクワクとしている二人を見て慌てた。
折角、戦わずして獣神を退けられそうなのに、なんでわざわざこっちから手を出そうとするんだよ。
「チヤ、こいつらは敵だろう。何故止める?」
何故ってそれは直接やり合ったら勝てないからだけど、そんなことロクに言えない。
だから俺は地上で神とぶつかったりしたら、地上がメチャクチャになってしまうと訴えた。
「む……では天界に、」
「獣神は天界に入れません」
お師匠様がロクの言葉を遮ってにべもなく言った。
ちょっと怒っている。
「では何処で戦うのだ!」
業を煮やしたハヌマーンが地団駄を踏んで焦れている。
こいつ本当に単純だな。
「だから戦っちゃ駄目だって。獣神にはこのままお引取り願おうよ」
俺が泣きつくようにそう言ったら、今度は獣神たちが勝手なことを言い始めた。
『我らは戦っても良い! 我らが勝ったらこの地を寄越せ!』
「ちょ、だから地上じゃ戦えないって――」
『そんなことは知らぬ! 異世界人には手を出せぬが、そこの獣人と堕神なら話が別だ』
「えっ、そうなの?」
俺は慌ててお師匠様に確認を取った。
「私の前で手を出すのは禁則ですが、目を瞑っていることは出来ます」
「なんでだよっ!」
俺はこちらの味方だと思っていたお師匠様に裏切られた気分だ。
「そうでもしなければ収まらないでしょう」
「でも場所がっ!」
なんとか切り抜けようとする俺の前で、眩い光が弾けて声が響いた。
『その勝負、異界にて行うが良い』
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なんと元の世界の神様の乱入だった。
一体、どうなっちゃうんだよ!
愕然とする俺の前で、異界への門が開いたのだった。
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