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プロローグ
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* * *
ーーーどこからか、声がする。
小さい頃から耳に馴染んだ優しいその人の声が、俺の名前を、必死に呼んでくれている。
あの人の口から、二度と聞くことはないと思ってた、俺の名前を。
ずっと、呼んでくれている。
「……、…………!しっかりしろ、目を閉じるな!」
……うるさいなぁ。もう少し、寝かせてくれてもいいじゃかいか。
そう文句を言おうと、なんとか瞼を開けてみると。その人の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちていくのが見えた。
「そうだ、ーをーーないで、ーーーおけ。そのまま、ーーーーーんじゃないぞ、この、ーーーー…っ!!」
なんでそんな顔をしてくれるんだろう。
全く、貴方って人は本当に…。
「…か、なぃ、で…」
上手く力の入らない腕を、それでも必死に、その人の頬へ伸ばして涙を拭ってやる。
そのまま落ちそうになる手を、彼はしっかりと握り返して俺を見下ろす。
その瞳にはまだ、新しい雫が溜まって零れ落ちる。せっかく、拭ってあげたのに。
「馬鹿、だなぁ…。……、が、泣く必要、なんて、…な、ぃ…」
ああ、億劫だ。わかっているけど、何だか本当に、だるい。
体が重くて、言いたいことの半分も言えやしない。
そんな顔、しないでよ。むしろ、俺のことを、もっと罵っていいんだよ。恨んでくれて、いいんだよ。
けど、そうだな…俺はやっと。
やっと、貴方に直接、言えるんだよな。
「ーーーーーー」
「……?」
結局あの日、貴方に向かって言えなかった言葉を紡いだのは。
最後まで言えなかった、俺の……。
ーーーーーーーーーー
「………」
変な夢を見た、と思う。
起きたばかりでまだぼんやりとする脳内で、さっきの夢を思い出してみる。
もう二度と、会うことはないはずの人の夢だった。
「…ま、だから夢なんだろうけど」
欠伸をして、寝て乱れた髪の毛を適当に手櫛で整える。
そうして顔を洗う前に、鏡で自分の顔を確かめてみる。
今の俺に、夢如きで感傷的になり、一日を潰すわけにはいかない。
何故なら。
「曲がりなりにも、俺が守らないと。
この国は、あの人の大事な場所だから」
今の俺は。この街、いや、この国を守る。
第48代目ブリューセルデイン国王、アンゲルス・フォン・ブリュックトゥルスなのだから。
ーーーどこからか、声がする。
小さい頃から耳に馴染んだ優しいその人の声が、俺の名前を、必死に呼んでくれている。
あの人の口から、二度と聞くことはないと思ってた、俺の名前を。
ずっと、呼んでくれている。
「……、…………!しっかりしろ、目を閉じるな!」
……うるさいなぁ。もう少し、寝かせてくれてもいいじゃかいか。
そう文句を言おうと、なんとか瞼を開けてみると。その人の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちていくのが見えた。
「そうだ、ーをーーないで、ーーーおけ。そのまま、ーーーーーんじゃないぞ、この、ーーーー…っ!!」
なんでそんな顔をしてくれるんだろう。
全く、貴方って人は本当に…。
「…か、なぃ、で…」
上手く力の入らない腕を、それでも必死に、その人の頬へ伸ばして涙を拭ってやる。
そのまま落ちそうになる手を、彼はしっかりと握り返して俺を見下ろす。
その瞳にはまだ、新しい雫が溜まって零れ落ちる。せっかく、拭ってあげたのに。
「馬鹿、だなぁ…。……、が、泣く必要、なんて、…な、ぃ…」
ああ、億劫だ。わかっているけど、何だか本当に、だるい。
体が重くて、言いたいことの半分も言えやしない。
そんな顔、しないでよ。むしろ、俺のことを、もっと罵っていいんだよ。恨んでくれて、いいんだよ。
けど、そうだな…俺はやっと。
やっと、貴方に直接、言えるんだよな。
「ーーーーーー」
「……?」
結局あの日、貴方に向かって言えなかった言葉を紡いだのは。
最後まで言えなかった、俺の……。
ーーーーーーーーーー
「………」
変な夢を見た、と思う。
起きたばかりでまだぼんやりとする脳内で、さっきの夢を思い出してみる。
もう二度と、会うことはないはずの人の夢だった。
「…ま、だから夢なんだろうけど」
欠伸をして、寝て乱れた髪の毛を適当に手櫛で整える。
そうして顔を洗う前に、鏡で自分の顔を確かめてみる。
今の俺に、夢如きで感傷的になり、一日を潰すわけにはいかない。
何故なら。
「曲がりなりにも、俺が守らないと。
この国は、あの人の大事な場所だから」
今の俺は。この街、いや、この国を守る。
第48代目ブリューセルデイン国王、アンゲルス・フォン・ブリュックトゥルスなのだから。
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