11 / 18
11話
しおりを挟む
「……確かに。彼は一身上の都合で退学したため、今回のパーティも欠席する旨は聞いてはいた。が……」
「まあ、そういうことです」
「そんなもの、それでも……っ、そんな戯言、信じられる、訳……っ!」
きちんと説明はしたし、なんなら当事者の平民からもきちんと証言が出ているというのに。この男は、まだ納得出来ていないようだ。というより、そこまで俺のことが嫌いなのか。いい加減、私情を抜いて素直にこちらの話を理解する努力をして頂きたいものだが。
「もう――いい加減にしてください、ザイアス殿下っ!」
これ以上どう伝えるべきか、面倒になったころで。先に声を荒らげたのは、殿下が大切にしているはずの平民だった。発言に許可を取らないあたり、無作法も過ぎる行為なのだが。この状況だ、今しかできないだろうからどんどんやってくれ。
「ケニー・トランスウェル様は!先程から、俺自身も、何度も申し上げました通り、俺のことを一から鍛えあげて下さり、守ってくださった恩人なのです。
だから、どうか、覚えのない悪評で彼と婚約破棄されることは、どうか、どうかお考え直し下さい……っ!」
深々と、膝を曲げて座り込み、挙句汚いだろうに、床の上に両手をついて額に擦り付ける勢いで頭を下げた。……全く。縛りがない平民というものは、恥も外聞もかなぐり捨てられるほど、こんなに懸命になれるものだな。
「何故……何故、そこまであんな男を庇い立てる?お前は……俺の事を、好きじゃないのか?」
何故かその馬鹿が、泣きそうな声で平民に問う。
いくら素直な平民だからと言って、何でも発言出来ると言う訳では無いことを、この男は分かっているのだろうか……。
「殿下……恐れながら、申し上げますと。
俺はずっと、貴方のことをお慕い申し上げております!!」
ふむ。高ぶったが故のこの公開告白なのだろうが。本当に恐れを知らない愚民だな、ルイ・パターソンよ。
「まあ、そういうことです」
「そんなもの、それでも……っ、そんな戯言、信じられる、訳……っ!」
きちんと説明はしたし、なんなら当事者の平民からもきちんと証言が出ているというのに。この男は、まだ納得出来ていないようだ。というより、そこまで俺のことが嫌いなのか。いい加減、私情を抜いて素直にこちらの話を理解する努力をして頂きたいものだが。
「もう――いい加減にしてください、ザイアス殿下っ!」
これ以上どう伝えるべきか、面倒になったころで。先に声を荒らげたのは、殿下が大切にしているはずの平民だった。発言に許可を取らないあたり、無作法も過ぎる行為なのだが。この状況だ、今しかできないだろうからどんどんやってくれ。
「ケニー・トランスウェル様は!先程から、俺自身も、何度も申し上げました通り、俺のことを一から鍛えあげて下さり、守ってくださった恩人なのです。
だから、どうか、覚えのない悪評で彼と婚約破棄されることは、どうか、どうかお考え直し下さい……っ!」
深々と、膝を曲げて座り込み、挙句汚いだろうに、床の上に両手をついて額に擦り付ける勢いで頭を下げた。……全く。縛りがない平民というものは、恥も外聞もかなぐり捨てられるほど、こんなに懸命になれるものだな。
「何故……何故、そこまであんな男を庇い立てる?お前は……俺の事を、好きじゃないのか?」
何故かその馬鹿が、泣きそうな声で平民に問う。
いくら素直な平民だからと言って、何でも発言出来ると言う訳では無いことを、この男は分かっているのだろうか……。
「殿下……恐れながら、申し上げますと。
俺はずっと、貴方のことをお慕い申し上げております!!」
ふむ。高ぶったが故のこの公開告白なのだろうが。本当に恐れを知らない愚民だな、ルイ・パターソンよ。
20
あなたにおすすめの小説
恵方巻を食べてオメガになるはずが、氷の騎士団長様に胃袋を掴まれ溺愛されています
水凪しおん
BL
「俺はベータだ。けれど、クラウス様の隣に立ちたい」
王城の厨房で働く地味な料理人ルエンは、近衛騎士団長のクラウスに叶わぬ恋をしていた。身分も属性も違う自分には、彼との未来などない。そう諦めかけていたある日、ルエンは「伝説の恵方巻を食べればオメガになれる」という噂を耳にする。
一縷の望みをかけ、ルエンは危険な食材探しの旅へ! しかし、なぜかその旅先にはいつもクラウスの姿があって……?
勘違いから始まる、ベータ料理人×氷の騎士団長の胃袋攻略ラブファンタジー!
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
俺の居場所を探して
夜野
BL
小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。
そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。
そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、
このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。
シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。
遅筆なので不定期に投稿します。
初投稿です。
王子様から逃げられない!
一寸光陰
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる