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第一章
ある変態の告白
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いやね、マージー国のあちこちでちょっとした悪さをして過ごしてたんすよ。掻っ払いとかね。たまに欲求不満になると女を引っ掛けようと強引にナンパしたり。
今回ほとぼりさめるまでこの国に逃げ込んで過ごそうと思ったんだけど。
そしたらさ、森で白髪の女と男がいてさ。白髪のほうはやけに若い格好してるなと思って道を聞くフリをして近寄ったんですよね。そうしたらえらいべっぴんさんじゃないか。極上の若い女なんて滅多に近くでお会いできねぇ。一緒にいた男も存在感薄ーい感じがして、抵抗されても男は簡単にやっつけられそうだし、こりゃあ強引に持ち込もうと思いましてね。
チョロいと思ってねぇちゃんに後ろから抱きついて脅そうとしたんだけどさ。
あの女、両手で俺の腕を掴んでさ。腕にぶら下がるような形で。それで腰から下を浮かして思いっきり俺の大事なところに後ろ蹴りを入れやがった。
いやー、強烈でさ。思わず女を放してしゃがみ込もうとしたら首の後ろからバシって衝撃が。
今思えばあの弱そうな男が俺に手刀したんだよな。
気がついたときは仮勾留場だった。
森から一番近いのが城の仮勾留場だって。街の勾留場に移送するまでここで過ごせって。被害者から話を聞いてから俺のことをどうするか判断するって。
そうしたら王に頼まれたとかで警備のやつに書類を届けに来た栗毛のイケメンが来たんすよ。
で、俺のことを警備のやつに聞いたわけ。そうしたら警備の奴ら、困った顔になって、極悪人じゃなさそうだからお気になさらずにって栗毛のにいちゃんを追っ払らいたい感じ。
でも、机の上にあるメモににいちゃんが気がついたんだよね。俺に貼り付けてあったメモに。
警備の奴らが慌ててお気を確かにとか言い出して、何がはじまるのかなって。加減忘れてうっかり死なせてしまっても困りますって言い出した。
はぁ?何だそれ?って思った。ガタイのいい俺の方が強い自信はあったんだぜ。魔法も多少はな。
だからにいちゃんを煽ってやったんだ。にいちゃんがどうやら警備の奴らより上の存在のようだから、怒らせて喧嘩に持ち込ませて牢屋の鍵を開けさせようとしたんだ。全員ぶん殴って気絶させて逃げてやろうって。
これ、フォリーの文字だよね?って警備の奴らに聞いてたぜ。だから俺が口を挟んでやったんだ。
あんた、あの白髪のねえちゃんの知り合いかい?って。
そうしたらにいちゃんがにっこり笑ったんだ。男の俺でさえ胸がきゅうんってなるような美人の笑顔。
その笑顔のまま俺を見つめてさ。不覚にもドキドキしちまった。でもさ、急に体に何か当たったんだ。痛えと思って何が転がったかみたら、小さな氷だった。
警備の奴らは俺に向かって祈り始めるし。俺、生きてるっつーの。
何だと思ってるうちに頭上からどんどん雹が降ってきたんだ。いや、本当だって。痛いやら冷てえやら。あのにいちゃんが俺の様子をさっきの笑顔のまま見つめてんだ。氷の魔法ならわかるけど、これ、おかしいだろ?雹が建物の中で、しかも牢屋の1つに絞って降ってるって。こんな大気の操り方ができるやつなんて聞いたことも見たこともねぇよ。いや、実際お会いしちまったわけだけど。やめろって叫んださ。痛いって。大きな雹もたまに混じってさ。俺の入ってた牢屋がどんどん埋まってきた。警備の奴らも寒くてガタガタしていた。寒いし冷てえし、痛みはわからなくなってきて、積もる雹の重さで圧迫死するのかなと頭の中でチラッと思ったね。
息も苦しいし、完全にやべえやと思っていた時、警備の奴がひとり大きな声を出したんだ。
あ!フォリー様がそろそろお越しになるかも!って。そうしたら雹がやんだよ。
にいちゃんがあれ?って呟いて俺をまじまじと見たんだ。我に返るってやつだろうな。
でもな、あいつ、
貴方は寒いのが好きなのか?って不思議そうに聞いたんだよ。
何なんだよ、あの天然発言は!怖すぎるわ!!
とにかく俺、無事にこっちの勾留場に移送されて安心したわ!!
改心でも何でもするよ。あんなやつにもう捕まりたくねえ!
今回ほとぼりさめるまでこの国に逃げ込んで過ごそうと思ったんだけど。
そしたらさ、森で白髪の女と男がいてさ。白髪のほうはやけに若い格好してるなと思って道を聞くフリをして近寄ったんですよね。そうしたらえらいべっぴんさんじゃないか。極上の若い女なんて滅多に近くでお会いできねぇ。一緒にいた男も存在感薄ーい感じがして、抵抗されても男は簡単にやっつけられそうだし、こりゃあ強引に持ち込もうと思いましてね。
チョロいと思ってねぇちゃんに後ろから抱きついて脅そうとしたんだけどさ。
あの女、両手で俺の腕を掴んでさ。腕にぶら下がるような形で。それで腰から下を浮かして思いっきり俺の大事なところに後ろ蹴りを入れやがった。
いやー、強烈でさ。思わず女を放してしゃがみ込もうとしたら首の後ろからバシって衝撃が。
今思えばあの弱そうな男が俺に手刀したんだよな。
気がついたときは仮勾留場だった。
森から一番近いのが城の仮勾留場だって。街の勾留場に移送するまでここで過ごせって。被害者から話を聞いてから俺のことをどうするか判断するって。
そうしたら王に頼まれたとかで警備のやつに書類を届けに来た栗毛のイケメンが来たんすよ。
で、俺のことを警備のやつに聞いたわけ。そうしたら警備の奴ら、困った顔になって、極悪人じゃなさそうだからお気になさらずにって栗毛のにいちゃんを追っ払らいたい感じ。
でも、机の上にあるメモににいちゃんが気がついたんだよね。俺に貼り付けてあったメモに。
警備の奴らが慌ててお気を確かにとか言い出して、何がはじまるのかなって。加減忘れてうっかり死なせてしまっても困りますって言い出した。
はぁ?何だそれ?って思った。ガタイのいい俺の方が強い自信はあったんだぜ。魔法も多少はな。
だからにいちゃんを煽ってやったんだ。にいちゃんがどうやら警備の奴らより上の存在のようだから、怒らせて喧嘩に持ち込ませて牢屋の鍵を開けさせようとしたんだ。全員ぶん殴って気絶させて逃げてやろうって。
これ、フォリーの文字だよね?って警備の奴らに聞いてたぜ。だから俺が口を挟んでやったんだ。
あんた、あの白髪のねえちゃんの知り合いかい?って。
そうしたらにいちゃんがにっこり笑ったんだ。男の俺でさえ胸がきゅうんってなるような美人の笑顔。
その笑顔のまま俺を見つめてさ。不覚にもドキドキしちまった。でもさ、急に体に何か当たったんだ。痛えと思って何が転がったかみたら、小さな氷だった。
警備の奴らは俺に向かって祈り始めるし。俺、生きてるっつーの。
何だと思ってるうちに頭上からどんどん雹が降ってきたんだ。いや、本当だって。痛いやら冷てえやら。あのにいちゃんが俺の様子をさっきの笑顔のまま見つめてんだ。氷の魔法ならわかるけど、これ、おかしいだろ?雹が建物の中で、しかも牢屋の1つに絞って降ってるって。こんな大気の操り方ができるやつなんて聞いたことも見たこともねぇよ。いや、実際お会いしちまったわけだけど。やめろって叫んださ。痛いって。大きな雹もたまに混じってさ。俺の入ってた牢屋がどんどん埋まってきた。警備の奴らも寒くてガタガタしていた。寒いし冷てえし、痛みはわからなくなってきて、積もる雹の重さで圧迫死するのかなと頭の中でチラッと思ったね。
息も苦しいし、完全にやべえやと思っていた時、警備の奴がひとり大きな声を出したんだ。
あ!フォリー様がそろそろお越しになるかも!って。そうしたら雹がやんだよ。
にいちゃんがあれ?って呟いて俺をまじまじと見たんだ。我に返るってやつだろうな。
でもな、あいつ、
貴方は寒いのが好きなのか?って不思議そうに聞いたんだよ。
何なんだよ、あの天然発言は!怖すぎるわ!!
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改心でも何でもするよ。あんなやつにもう捕まりたくねえ!
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