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公爵家編
63.パーティー1
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S級回復ポーションを作って倒れたせいで、皆に心配をかけてしまったようだ。
S級回復ポーションはアビゲイル先生の手に渡り、製造方法も彼女の所有となり、俺は錬金術自体を禁止になった。俺が安易に作ってしまった代償だと思い、深く反省している。
身体の調子が良くなってから、数日後。
俺は一人の時間を失ってしまった。ルダン様やメル様がいない時は、必ず、グレイさんがついて回り、グレイさんが近くにいる時はメイドになるための勉強の時間になった。
文字や言葉、他にも今まで緩かった勉強がちょっと厳しくなった。でも、俺のためだと思ってくれているのが分かるから、真面目に取り組んでいる。
そうして時間過ぎていき、とうとうメル様は学園に通うことになる。
完治はしたが彼女の両腕には、火傷の跡が残ってしまった。しかし、火傷の跡も塗り薬があるので、そのうち消えるそうだ。それを聞いてホッとした。
そして、残念ながら俺は、まだメイドに足り得ない為、お留守番だ。
学園の寮に入り帰って来れるのは、年末年始ぐらいになってしまうので、メル様、いってらっしゃいパーティーをすることになった。
パーティーの参加者は、ディゾル家と使用人さん達と、それと領民の人達だ。身内だけのパーティらしいが、それでもかなりの人数になる。
俺が言い出しっぺなのだが、こんな盛大なパーティーになるとは予想してなかった。
中庭とエントラスホールを開放して、自由に行き来でき、オーケストラは音楽を奏で、料理はビュッフェスタイルで好きな物を好きなだけ食べられる。飲み物も同様だ。
皆各々の一張羅を着て、楽しそうに大人も子供も踊っている。
そこにはあの時、街でフラガを売っていた子供達の姿もあった。ガリガリだった身体はふっくらとしていて、表情も柔らかく元気そうだった。
俺は静かに端で、メイドとして立っていた。隣にはグレイさんがいて、俺が何かやらかさないか監視していた。
そこにメル様が近づいてきた。
「ウェイン、パーティーを企画してくれてありがとう。こんなに楽しいパーティーは初めてだわ」
「メル様が、喜んでくれて、嬉しいデス」
「それでね、私、ウェインとも踊りたいの。良いかしら?」
俺は伺うようにグレイさんを見ると、了承したように頷いてくれた。
「はい、勿論デス」
「ありがとう。じゃあ、行きましょ?」
俺の「エっ?」という戸惑いの言葉が届かぬまま、メル様は俺の手を繋いで、エントラスホールから連れ出された。
S級回復ポーションはアビゲイル先生の手に渡り、製造方法も彼女の所有となり、俺は錬金術自体を禁止になった。俺が安易に作ってしまった代償だと思い、深く反省している。
身体の調子が良くなってから、数日後。
俺は一人の時間を失ってしまった。ルダン様やメル様がいない時は、必ず、グレイさんがついて回り、グレイさんが近くにいる時はメイドになるための勉強の時間になった。
文字や言葉、他にも今まで緩かった勉強がちょっと厳しくなった。でも、俺のためだと思ってくれているのが分かるから、真面目に取り組んでいる。
そうして時間過ぎていき、とうとうメル様は学園に通うことになる。
完治はしたが彼女の両腕には、火傷の跡が残ってしまった。しかし、火傷の跡も塗り薬があるので、そのうち消えるそうだ。それを聞いてホッとした。
そして、残念ながら俺は、まだメイドに足り得ない為、お留守番だ。
学園の寮に入り帰って来れるのは、年末年始ぐらいになってしまうので、メル様、いってらっしゃいパーティーをすることになった。
パーティーの参加者は、ディゾル家と使用人さん達と、それと領民の人達だ。身内だけのパーティらしいが、それでもかなりの人数になる。
俺が言い出しっぺなのだが、こんな盛大なパーティーになるとは予想してなかった。
中庭とエントラスホールを開放して、自由に行き来でき、オーケストラは音楽を奏で、料理はビュッフェスタイルで好きな物を好きなだけ食べられる。飲み物も同様だ。
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そこにはあの時、街でフラガを売っていた子供達の姿もあった。ガリガリだった身体はふっくらとしていて、表情も柔らかく元気そうだった。
俺は静かに端で、メイドとして立っていた。隣にはグレイさんがいて、俺が何かやらかさないか監視していた。
そこにメル様が近づいてきた。
「ウェイン、パーティーを企画してくれてありがとう。こんなに楽しいパーティーは初めてだわ」
「メル様が、喜んでくれて、嬉しいデス」
「それでね、私、ウェインとも踊りたいの。良いかしら?」
俺は伺うようにグレイさんを見ると、了承したように頷いてくれた。
「はい、勿論デス」
「ありがとう。じゃあ、行きましょ?」
俺の「エっ?」という戸惑いの言葉が届かぬまま、メル様は俺の手を繋いで、エントラスホールから連れ出された。
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