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Step4 辿る歩みはどこに至る…?
回顧の朝
しおりを挟む(あー……すんごい懐かしい夢を見たなぁ……)
ベッドの上で天井を見上げながら、意識半分でそう思った。
実は、自分の方が先にノクスを大好きになっていたのでは?
そう思い至ったことがきっかけだったのか、最近は幼い記憶を手繰ることが多くなった。
こんな夢を見たのも、そのせいかもしれない。
(あの時は、ノクスがウォーミングアップとは思えないスピードで走るからびっくりしたんだよね。……ま、その後に倍くらいびっくりさせちゃったけど。)
いつもより夢中になったせいで、日が完全に昇ってしまった後の帰り道。
自分が女の子だと思い込んでる面倒な少年に捕まり、表では適度にあしらったけど裏では大噴火。
急きょ町から離れた湖まで走って、ストレス発散に罵詈雑言を吐きながら魔法を乱発しまくった。
あの時の呆気に取られたノクスの顔といったら……
その後、見かねたノクスに抱えられて屋敷まで強制連行されて、『湖が干上がって山が消え去る前に、こいつに魔力制御を教えろ!!』と、師匠の前に突き出されたんだよね。
(まあでも、『そんなに信じられないなら、いっそのことお前の玉をむしり取って僕につけてやろうか!? この能無しエノキ野郎!!』は言いすぎだったよねぇ……)
当時はろくに意味も分からないまま祖父の口癖を真似していたのだけど、今思うと本当に口が悪い。
貴族教育で上品な言葉遣いを学んでいなかったら、口を開く度にギャップでたくさんの人を気絶させていたところだった。
「よし、起きようっと。」
過去の思い出を辿っている間に眠気も覚めたので、勢いよくベッドから起き上がる。
身支度を整えてリビングに移動すると、テーブルの上に書き置きがあった。
〈一暴れがてら稼いでくるから、作り置きからテキトーに食っとけ〉
武骨な文字で書かれたシンプルなメッセージに、思わず笑みが込み上げてくる。
知性のない魔獣が出没しがちな魔領沿いでの警備や護衛を〝一暴れ〟という単語で済ませてしまうとは、さすがは勇者というか。
パーティーに所属していない野良冒険者だけど、指名依頼がひっきりなしの人気者らしいとアイザックから聞いた。
「なんか、昔のことを思い出してたりしたら、きつめに運動したくなってきたな。僕も僕で一狩り行こうかな。」
朝食を食べながら、ポツリと呟く。
別に、それをフラグにしたかったわけじゃなかったんだけど……
「よう! 久々に会いに来てやったぜ、猫被りフィル!!」
無駄に大声で、そいつはベランダからキッチンに上がり込んできた。
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