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Step6 事件発生!思いつきの船旅で大ピンチ!?
久しぶりの外出
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それから、旅行計画はするすると進んだ。
あの後お土産の感想を聞きに来たゼクにブルペノンのことを訊ねてみると、思った以上に多くのことを教えてくれた。
北極に一番近く、土地の半分が永久凍土に覆われているマキア大陸。
その東端に位置するブルペノンは領土が南北に長く、永久凍土と複数の活火山を抱えた国だという。
とてつもない豪雪地帯らしいのだが、それ故の観光資源や滅多に見られない元風景が豊富。
活火山の近くでは、こちらでは珍しい温泉文化が根付いているそうだ。
ここ十年で観光に力を入れて一気に国交が盛んになり、両大陸を行き来する船もかなり増えたのだという。
とはいえ、生き物が住むには厳しい土地だ。
観光地として整備された町ならまだしも、国全体の利便性はこちらと比べると格段によくない。
渡航技術が発達するまでは孤立していたような大陸なので、知識レベルや魔法技術もかなり遅れているそうだ。
どうしてそんなに詳しいのかと思ったら、ブルペノンを気に入った人々がそこを拠点に活動を始めたらしく、ゼクも魔族の監督者として定期的に視察しているとのこと。
ブルペノンに行きたいならテレポートで連れていってやると言われたけれど、そこは遠慮しておいた。
せっかくの旅行だもの。
時間がかかる道中を楽しむのがお約束ってやつでしょう。
そう告げると、協力の方向性を変えたゼクが船のパンフレットをいくつか見繕ってきてくれた。
ノクスと相談して船を決めると、そのままの流れでゼクがチケットを手配。
チケットを手に持った時は、旅行に行くことをしみじみと実感して跳び跳ねたものだ。
そして……
「わああぁぁ…っ」
スーデ港に降り立ったフィレオトールは、表情をキラキラとさせて周囲を見回した。
予想したとおり、魔領の縦断は騒動の連続。
調教した魔獣に乗ったりテレポートを使ったりとショートカットはしたのに、スーデ港に到着するまでに一週間もかかってしまった。
でも、この景色を見ていると疲れなんか全く気にならない。
季節は春真っ只中。
キシムはかなり暖かくなっているけれど、大陸北端のルルウェルともなると、まだ寒さが厳しいようだ。
とはいえ、肌を刺すようなこの寒さも、ずっと幻惑の花園に引きこもっていた自分には懐かしくて、なんだか嬉しい。
それに、こんなに明るい時間に町を出歩くなんていつぶりのことか。
港ならではの活気あふれた町並み。
そして、目の前にはこれから乗るという巨大な船。
「久しぶりの外……初めての観光船……」
キシムやヴァリアでは湖に浮かぶボートくらいしか見たことがないので、こんなにも大きな船は初めてだ。
それに、修行や仕事が忙しすぎて、海だって馬車の窓から遠目に眺めたくらい。
そんな自分にとって、この状況は天国に等しい。
感動するなと言う方が無理である。
船旅は二週間。
移動中に通るポイントでは運がよければイルカやクジラが見られるらしく、目的地近くになると流氷の欠片が漂ってくることもあるそうだ。
空気が澄んでいるので、船から見る夜空や朝焼けもとても綺麗なんだとか。
早く船に乗りたい気持ちはあるけれど、出発まであと一時間くらいある。
せっかくルルウェルに来ているのだし、三十分くらいなら近場を散策しても大丈夫だろうか。
やりたいことが頭の中にあふれ返っているフィレオトールは、ふわふわとした足取りで数歩。
「おーい…。羽を生やしてどっかに消えるなよー?」
そんなフィレオトールのマフラーを手綱のようにしっかりと握り締め、ノクスは溜め息混じりに声をかける。
しかし、子供のようにあちこちへ目移りさせているフィレオトールには、その言葉が一切届いていないよう。
(大丈夫か、こいつ……)
想像以上のハイテンション。
これは、少しでも目を離したら姿を見失いそうだ。
とりあえず、まずはこの空気に慣れて落ち着いてもらうのが吉と見た。
そう判断したノクスは、町の方へと行きたがるフィレオトールを引きずり、一直線に船へと乗り込むのだった。
あの後お土産の感想を聞きに来たゼクにブルペノンのことを訊ねてみると、思った以上に多くのことを教えてくれた。
北極に一番近く、土地の半分が永久凍土に覆われているマキア大陸。
その東端に位置するブルペノンは領土が南北に長く、永久凍土と複数の活火山を抱えた国だという。
とてつもない豪雪地帯らしいのだが、それ故の観光資源や滅多に見られない元風景が豊富。
活火山の近くでは、こちらでは珍しい温泉文化が根付いているそうだ。
ここ十年で観光に力を入れて一気に国交が盛んになり、両大陸を行き来する船もかなり増えたのだという。
とはいえ、生き物が住むには厳しい土地だ。
観光地として整備された町ならまだしも、国全体の利便性はこちらと比べると格段によくない。
渡航技術が発達するまでは孤立していたような大陸なので、知識レベルや魔法技術もかなり遅れているそうだ。
どうしてそんなに詳しいのかと思ったら、ブルペノンを気に入った人々がそこを拠点に活動を始めたらしく、ゼクも魔族の監督者として定期的に視察しているとのこと。
ブルペノンに行きたいならテレポートで連れていってやると言われたけれど、そこは遠慮しておいた。
せっかくの旅行だもの。
時間がかかる道中を楽しむのがお約束ってやつでしょう。
そう告げると、協力の方向性を変えたゼクが船のパンフレットをいくつか見繕ってきてくれた。
ノクスと相談して船を決めると、そのままの流れでゼクがチケットを手配。
チケットを手に持った時は、旅行に行くことをしみじみと実感して跳び跳ねたものだ。
そして……
「わああぁぁ…っ」
スーデ港に降り立ったフィレオトールは、表情をキラキラとさせて周囲を見回した。
予想したとおり、魔領の縦断は騒動の連続。
調教した魔獣に乗ったりテレポートを使ったりとショートカットはしたのに、スーデ港に到着するまでに一週間もかかってしまった。
でも、この景色を見ていると疲れなんか全く気にならない。
季節は春真っ只中。
キシムはかなり暖かくなっているけれど、大陸北端のルルウェルともなると、まだ寒さが厳しいようだ。
とはいえ、肌を刺すようなこの寒さも、ずっと幻惑の花園に引きこもっていた自分には懐かしくて、なんだか嬉しい。
それに、こんなに明るい時間に町を出歩くなんていつぶりのことか。
港ならではの活気あふれた町並み。
そして、目の前にはこれから乗るという巨大な船。
「久しぶりの外……初めての観光船……」
キシムやヴァリアでは湖に浮かぶボートくらいしか見たことがないので、こんなにも大きな船は初めてだ。
それに、修行や仕事が忙しすぎて、海だって馬車の窓から遠目に眺めたくらい。
そんな自分にとって、この状況は天国に等しい。
感動するなと言う方が無理である。
船旅は二週間。
移動中に通るポイントでは運がよければイルカやクジラが見られるらしく、目的地近くになると流氷の欠片が漂ってくることもあるそうだ。
空気が澄んでいるので、船から見る夜空や朝焼けもとても綺麗なんだとか。
早く船に乗りたい気持ちはあるけれど、出発まであと一時間くらいある。
せっかくルルウェルに来ているのだし、三十分くらいなら近場を散策しても大丈夫だろうか。
やりたいことが頭の中にあふれ返っているフィレオトールは、ふわふわとした足取りで数歩。
「おーい…。羽を生やしてどっかに消えるなよー?」
そんなフィレオトールのマフラーを手綱のようにしっかりと握り締め、ノクスは溜め息混じりに声をかける。
しかし、子供のようにあちこちへ目移りさせているフィレオトールには、その言葉が一切届いていないよう。
(大丈夫か、こいつ……)
想像以上のハイテンション。
これは、少しでも目を離したら姿を見失いそうだ。
とりあえず、まずはこの空気に慣れて落ち着いてもらうのが吉と見た。
そう判断したノクスは、町の方へと行きたがるフィレオトールを引きずり、一直線に船へと乗り込むのだった。
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