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Step7 旅行なの?仕事なの?新天地は波乱続き!
ちょっとした悪戯
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それから、髪が乾くまで暖炉の前でのんびりと思い出話をして。
ウッドデッキに出て、改めて周囲の景色を楽しんで。
いつの間にか用意されていたお茶とお菓子も美味しかったし、旅行らしいまったりとした時間は本当に楽しかった。
でも、頭の片隅では常にとあることがぐるぐると巡っていたりもして……
「なあ、フィル。」
そろそろ寝るかと寝室に入った瞬間、ドアを閉めたノクスに後ろから抱きすくめられた。
「そろそろ、突っ込んでいいか? ―――なーに、ずっとそわそわドキドキしてんのかなぁ?」
「―――っ!!」
笑みを含んだ声で問われ、一瞬で頭が沸騰しそうになった。
「お前がそんな調子だから、おれは誘われてる気分でならなくてなぁ。」
「あう……」
「もしかして、期待してたのか?」
「~~~っ!!」
逃げることを阻止するように力強く胸に閉じ込められ、フィレオトールは音にならない悲鳴をあげた。
「だって……だって…っ」
「だって? なんだ?」
妖しさをまとわせた甘い声で問い詰められ、フィレオトールの精神は早くも限界を突破する。
「だって、ノクスがするって予告してきたの、初めてなんだもーん!!」
わっと顔を覆い、フィレオトールは情けない声でそう喚いた。
対するノクスの反応は〝きょとん〟である。
「ああ? そうだっけ?」
「そうだよ! いつもはいきなり襲いかかってくるから、ある意味心の準備が必要なかったっていうか…っ。だから、こんな時にどうしたらいいか分からなくてーっ!!」
相変わらず、どこまでもウブなフィレオトールの反応。
それを見るノクスは半目だ。
「……お前、そんな免疫ゼロでよくバカ皇太子のお楽しみシーンをスルーできてたな。」
「あれはなんていうか…。普段からバカが目に余ってたからか、もはや野生動物の交尾くらいにしか思ってなくて……」
「さすが、苦労係の最側近が言うことは容赦がねぇな。」
完全に弱りきった様子のフィレオトールに、ノクスは大きな溜め息を一つ。
こりゃ相当だわ。
半ば驚嘆すると同時に、脳裏でちょっとした悪戯を思いつく。
「仕方ねぇな。ここは、普通の流れっていうのを教えてやろう。」
すでに頭から煙を上げているフィレオトールをベッドへと連行し、そこにそっと座らせるノクス。
そして、ノクスは晴れやかな笑顔をフィレオトールに向けた。
「―――じゃ、自分で脱いでみ?」
そう言ってやると……
「~~~っ!?」
フィレオトールが、途端に目を回した。
「ぬ……脱ぐって!?」
「いや、まんまの意味だけど?」
やばい。
早くも噴き出しそうだ。
ノクスはなんとかそれをこらえて、表面上は不思議そうな顔を作る。
「お互いに示し合わせてやる場合、それなりの準備はしておくんだぜ? 脱ぎやすい服に着替えておくとか、自分から脱いじまうとか。」
「ええっ!? そうなの!?」
「ギルドの飲み屋で聞いた話だとな。まあ、言われてみるとそうだよなって感じだよな。」
そんなことを言いながら、ノクスはあっさりとシャツのボタンを外してそれを脱ぎ捨ててしまう。
「あ……あう……そんな…っ」
すでに顔を真っ赤にしているフィレオトールは手で顔を覆い、指の隙間からキョドった目でこちらを見つめている。
お前は生娘か。
おれが脱ぐ場面なんか、腐るほど見てきたと思うんだけど?
いっそのこと、女にでも転生してくるか?
割と真剣にそう思った。
「まあまあ。全部脱げなんてハードル高いことは言わないから、上だけでも脱いでみろって。別に、このくらいは恥ずかしくないっての。普段も、着替えの時とかは平気でおれの前で脱いでるじゃねぇか。」
「そ、そう言われれば……」
「だろ?」
今思いついた必殺技、〝このくらい普通ですが、何か?〟攻撃。
こちらの至って平常モードの顔に、フィレオトールは自分の方が大袈裟な反応をしていると思った様子。
何度も迷いながら、その手がそろそろとシャツのボタンに触れた。
とりあえず一つ目。
急かすことはあえてせず、ノクスはのんびりとフィレオトールを待つ。
「ふ……う…っ」
一つしかボタンを外していないのに、フィレオトールは早くも涙目。
それでも無言で見守っていると、ぷるぷると震える手が二つ目のボタンを外す。
(さてさて、どこでギブアップするかな。)
にやけそうになる口元を気合いで引き結び、ノクスは観察を続ける。
そして、また長い時間をかけて三つ目のボタンに手がかかった時……
「……ふえぇ…っ」
ふいに、フィレオトールの顔がくしゃりと歪んだ。
ああ、ここが限界か。
まあ、免疫ゼロにしては頑張ったな。
ノクスがそんな感想を抱いているとは露知らず、恥ずかしさで泣き出したフィレオトールがノクスの腰に抱きついた。
「ごめん……僕には無理だよぉ…っ」
「ぶはっ…」
まさかの行動と可愛すぎる発言に、とうとう笑いの我慢が臨界点を突破した。
「おま……ちょっと待った…っ。こっちは必死に襲いたいのをこらえてんだから、そういうこと…っ」
「だってぇ~、無理なものは無理なんだもん! これなら、ノクスに襲われる方がよっぽどいいよぉ~…」
「ふぐっ…」
さらなるいじらしい&可愛い発言に、ノクスはたまらず胸を押さえた。
こいつはもう…っ!
お前、今何を口走ったか分かってんのか!?
異次元レベルの恥ずかしがり屋のくせして、天然で煽ってくるんじゃねぇよ!!
いいか!?
おれが襲っちまう原因は、九割方お前にあるからな!?
笑いの衝動は、一瞬のうちに別の衝動へ。
「まったく…。お前には勝てねぇな。」
色々と限界を突破したので、ここからは遠慮なく。
ノクスはフィレオトールの唇を奪いながら、彼が望むままに華奢な体をベッドへと押し倒すのだった。
ウッドデッキに出て、改めて周囲の景色を楽しんで。
いつの間にか用意されていたお茶とお菓子も美味しかったし、旅行らしいまったりとした時間は本当に楽しかった。
でも、頭の片隅では常にとあることがぐるぐると巡っていたりもして……
「なあ、フィル。」
そろそろ寝るかと寝室に入った瞬間、ドアを閉めたノクスに後ろから抱きすくめられた。
「そろそろ、突っ込んでいいか? ―――なーに、ずっとそわそわドキドキしてんのかなぁ?」
「―――っ!!」
笑みを含んだ声で問われ、一瞬で頭が沸騰しそうになった。
「お前がそんな調子だから、おれは誘われてる気分でならなくてなぁ。」
「あう……」
「もしかして、期待してたのか?」
「~~~っ!!」
逃げることを阻止するように力強く胸に閉じ込められ、フィレオトールは音にならない悲鳴をあげた。
「だって……だって…っ」
「だって? なんだ?」
妖しさをまとわせた甘い声で問い詰められ、フィレオトールの精神は早くも限界を突破する。
「だって、ノクスがするって予告してきたの、初めてなんだもーん!!」
わっと顔を覆い、フィレオトールは情けない声でそう喚いた。
対するノクスの反応は〝きょとん〟である。
「ああ? そうだっけ?」
「そうだよ! いつもはいきなり襲いかかってくるから、ある意味心の準備が必要なかったっていうか…っ。だから、こんな時にどうしたらいいか分からなくてーっ!!」
相変わらず、どこまでもウブなフィレオトールの反応。
それを見るノクスは半目だ。
「……お前、そんな免疫ゼロでよくバカ皇太子のお楽しみシーンをスルーできてたな。」
「あれはなんていうか…。普段からバカが目に余ってたからか、もはや野生動物の交尾くらいにしか思ってなくて……」
「さすが、苦労係の最側近が言うことは容赦がねぇな。」
完全に弱りきった様子のフィレオトールに、ノクスは大きな溜め息を一つ。
こりゃ相当だわ。
半ば驚嘆すると同時に、脳裏でちょっとした悪戯を思いつく。
「仕方ねぇな。ここは、普通の流れっていうのを教えてやろう。」
すでに頭から煙を上げているフィレオトールをベッドへと連行し、そこにそっと座らせるノクス。
そして、ノクスは晴れやかな笑顔をフィレオトールに向けた。
「―――じゃ、自分で脱いでみ?」
そう言ってやると……
「~~~っ!?」
フィレオトールが、途端に目を回した。
「ぬ……脱ぐって!?」
「いや、まんまの意味だけど?」
やばい。
早くも噴き出しそうだ。
ノクスはなんとかそれをこらえて、表面上は不思議そうな顔を作る。
「お互いに示し合わせてやる場合、それなりの準備はしておくんだぜ? 脱ぎやすい服に着替えておくとか、自分から脱いじまうとか。」
「ええっ!? そうなの!?」
「ギルドの飲み屋で聞いた話だとな。まあ、言われてみるとそうだよなって感じだよな。」
そんなことを言いながら、ノクスはあっさりとシャツのボタンを外してそれを脱ぎ捨ててしまう。
「あ……あう……そんな…っ」
すでに顔を真っ赤にしているフィレオトールは手で顔を覆い、指の隙間からキョドった目でこちらを見つめている。
お前は生娘か。
おれが脱ぐ場面なんか、腐るほど見てきたと思うんだけど?
いっそのこと、女にでも転生してくるか?
割と真剣にそう思った。
「まあまあ。全部脱げなんてハードル高いことは言わないから、上だけでも脱いでみろって。別に、このくらいは恥ずかしくないっての。普段も、着替えの時とかは平気でおれの前で脱いでるじゃねぇか。」
「そ、そう言われれば……」
「だろ?」
今思いついた必殺技、〝このくらい普通ですが、何か?〟攻撃。
こちらの至って平常モードの顔に、フィレオトールは自分の方が大袈裟な反応をしていると思った様子。
何度も迷いながら、その手がそろそろとシャツのボタンに触れた。
とりあえず一つ目。
急かすことはあえてせず、ノクスはのんびりとフィレオトールを待つ。
「ふ……う…っ」
一つしかボタンを外していないのに、フィレオトールは早くも涙目。
それでも無言で見守っていると、ぷるぷると震える手が二つ目のボタンを外す。
(さてさて、どこでギブアップするかな。)
にやけそうになる口元を気合いで引き結び、ノクスは観察を続ける。
そして、また長い時間をかけて三つ目のボタンに手がかかった時……
「……ふえぇ…っ」
ふいに、フィレオトールの顔がくしゃりと歪んだ。
ああ、ここが限界か。
まあ、免疫ゼロにしては頑張ったな。
ノクスがそんな感想を抱いているとは露知らず、恥ずかしさで泣き出したフィレオトールがノクスの腰に抱きついた。
「ごめん……僕には無理だよぉ…っ」
「ぶはっ…」
まさかの行動と可愛すぎる発言に、とうとう笑いの我慢が臨界点を突破した。
「おま……ちょっと待った…っ。こっちは必死に襲いたいのをこらえてんだから、そういうこと…っ」
「だってぇ~、無理なものは無理なんだもん! これなら、ノクスに襲われる方がよっぽどいいよぉ~…」
「ふぐっ…」
さらなるいじらしい&可愛い発言に、ノクスはたまらず胸を押さえた。
こいつはもう…っ!
お前、今何を口走ったか分かってんのか!?
異次元レベルの恥ずかしがり屋のくせして、天然で煽ってくるんじゃねぇよ!!
いいか!?
おれが襲っちまう原因は、九割方お前にあるからな!?
笑いの衝動は、一瞬のうちに別の衝動へ。
「まったく…。お前には勝てねぇな。」
色々と限界を突破したので、ここからは遠慮なく。
ノクスはフィレオトールの唇を奪いながら、彼が望むままに華奢な体をベッドへと押し倒すのだった。
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