こんなスローライフは想定外!~いつの間にか、親友を虜にしてしまっていたようで!?~

うみくも

文字の大きさ
107 / 125
Step11 勇者沈没!? ドキドキの看病タイム!

初めての出来事

しおりを挟む
 光が高くから差し込んで、まぶしさに目を開ける。
 ぼやけた視界で上を見ると、カーテンの隙間から日光が射し込んできていた。


(ああ…。これ、もうお昼過ぎだなぁ……)


 寝ぼけた頭でそう思う。


 南に面した窓がある寝室。
 この窓かつこの高さから日が射すということは、そういう意味である。


「ううー…ん…」


 このままもう少し眠りたい気もしたが、あまり自堕落な生活にはまり込むのもよろしくない。


 最近は仕事も忙しくなってきたし、規則正しい生活への意識を高めないと。


 自己暗示のように自分に言い聞かせて、ゆっくりと身を起こす。
 そこで、隣にぬくもりがあることに気付いた。


「あれ…? ノクスがまだ起きてないなんて、珍しいな……」


 ショートスリーパーのノクスが、自分より後に起きることはまずない。
 今眠っているということは、昨日は徹夜でもしていたのだろう。


「ノクスー。もうお昼だけど、まだ寝てる?」


 自分が勝手に起きてあれこれすると何故かノクスがねてしまうので、一応訊くだけ訊いてみることに。


 しかし……


「え…?」


 目をこすりながらノクスに触れたフィレオトールは、そのまま瞠目することになる。


「ノクス!? なんか、すごく熱いんだけど!?」


 触れたノクスの体が、ものすごく熱を持っている。


 瞬時にクリアになった視界と頭でノクスを観察すると、彼は赤らんだ顔に汗を浮かべていた。


「うう……」


 その口から零れるのは微かなうめき声と、苦しそうな呼吸音。
 明らかに体調を崩している。


 それだけなら風邪を引いたのかと思えたが、どうも様子がおかしい。


 時おりノクスの周囲に黒っぽいもやが立ち上るし、なんだか指先が少し赤黒い気もする。


「え…? え…? 何が起こってるの…?」


 初めての出来事に、フィレオトールは大きく狼狽うろたえる。


 触れた感覚から察するに、ノクスから漂うもやは瘴気だろう。


 でも、自分たちはゼクの加護もあって瘴気の影響を受けないはず。
 それでも念のためにと、この周辺には浄化の結界を展開してある。


 張れる予防線は張っていたはず。
 とはいえ、自分もノクスも魔領については知らないことの方が多い。


 もし、未知の何かがノクスをむしばんでいるのだとしたら?
 このまま何もできずにいると、彼はどうなってしまうの?


「どうしよう、どうしよう…っ」


 とにかく、ノクスが大ピンチなのは変わらない。
 一刻も早く手を打たなければ。


「こ、こんな時は誰に訊けば……」


 焦って目を回すフィレオトール。




 困り果てた結果―――



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です

新川はじめ
BL
 国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。  フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。  生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

【完結】スパダリを目指していたらスパダリに食われた話

紫蘇
BL
給湯室で女の子が話していた。 理想の彼氏はスパダリよ! スパダリ、というやつになったらモテるらしいと分かった俺、安田陽向(ヒナタ)は、スパダリになるべく会社でも有名なスパダリ…長船政景(マサカゲ)課長に弟子入りするのであった。 受:安田陽向 天性の人たらしで、誰からも好かれる人間。 社会人になってからは友人と遊ぶことも減り、独り身の寂しさを噛み締めている。 社内システム開発課という変人どもの集まりの中で唯一まともに一般人と会話できる貴重な存在。 ただ、孤独を脱したいからスパダリになろうという思考はやはり変人のそれである。 攻:長船政景 35歳、大人の雰囲気を漂わせる男前。 いわゆるスパダリ、中身は拗らせ変態。 妹の美咲がモデルをしており、交友関係にキラキラしたものが垣間見える。 サブキャラ 長船美咲:27歳、長船政景の年の離れた妹。 抜群のスタイルを生かし、ランウェイで長らく活躍しているモデル。 兄の恋を応援するつもりがまさかこんなことになるとは。 高田寿也:28歳、美咲の彼氏。 そろそろ美咲と結婚したいなと思っているが、義理の兄がコレになるのかと思うと悩ましい。 義理の兄の恋愛事情に巻き込まれ、事件にだけはならないでくれと祈る日々が始まる…。

天使のような子の怪我の手当てをしたら氷の王子に懐かれました

藤吉めぐみ
BL
12/23後日談追加しました。 ================= 高校の養護教諭の世凪は、放課後の見回り中にプールに落ちてしまう。カナヅチの世凪は、そのまま溺れたと思ったが、気づくと全く知らない場所にある小さな池に座り込んでいた。 ここがどこなのか、何がどうなったのか分からない世凪に、「かあさま」と呼んで近づく小さな男の子。彼の怪我の手当てをしたら、世凪は不審者として捕まってしまう。 そんな世凪を助けてくれたのは、「氷の王子」と呼ばれるこの国の第二王子アドウェル。 冷淡で表情も変わらない人だと周りに言われたが、世凪に対するアドウェルは、穏やかで優しくて、理想の王子様でドキドキしてしまう世凪。でも王子は世凪に母親を重ねているようで…… 優しい年下王子様×異世界転移してきた前向き養護教諭の互いを知って認めていくあたたかな恋の話です。

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

処理中です...