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ふふふ、クスクス。
聞きなれた声にふと足を止める。
第一王子の婚約者であるローラは、妃教育のために王城を訪れていた。王妃の部屋を辞していつも立ち寄る庭園で、ローラの目に映ったのは、婚約者のカーティス。
思わず顔が綻び、名前を呼ぼうとしたとき、カーティスの隣に誰かがいることに気づいた。
「ふふ、カーティったら。本当に好きねぇ」
この声は…リンダ?
「もうっ、ふふ、ダメよ、くすぐったいじゃない」
「ダメだといいながらこんなに硬く尖らしているのは誰だ?ん?好きなのはおまえもだろう、リンダ」
「やあん…カーティ、キスしてぇ。もっと、気持ちよくなりたいのぉ」
「ふふ、可愛いな、リンダ」
そう言って、婚約者は妹に口づけた。
可愛らしく啄むようなキスではない。お互いの口を貪り合うような激しいキス。
カラダが急速に冷え、手が震え始める。これは、現実、なの…?
しばらく貪り合ったふたりはようやく口を離した。その婚約者の瞳が柔らかくリンダを見つめる。
「リンダ…愛してるよ。君が僕の婚約者だったら、どんなに良かったか」
「ふふっ、仕方ないわよ。だって、お姉さまが先に生まれてしまったんだもの」
「双子だと言うのに、生まれた順番とはな…ああ、僕の愛しいリンダ」
「あ…っ、カーティ、もっと…っ」
そこからどのように帰りついたのか覚えていない。ローラは、気づいたら自室のベッドの上で、静かに涙を流していた。
聞きなれた声にふと足を止める。
第一王子の婚約者であるローラは、妃教育のために王城を訪れていた。王妃の部屋を辞していつも立ち寄る庭園で、ローラの目に映ったのは、婚約者のカーティス。
思わず顔が綻び、名前を呼ぼうとしたとき、カーティスの隣に誰かがいることに気づいた。
「ふふ、カーティったら。本当に好きねぇ」
この声は…リンダ?
「もうっ、ふふ、ダメよ、くすぐったいじゃない」
「ダメだといいながらこんなに硬く尖らしているのは誰だ?ん?好きなのはおまえもだろう、リンダ」
「やあん…カーティ、キスしてぇ。もっと、気持ちよくなりたいのぉ」
「ふふ、可愛いな、リンダ」
そう言って、婚約者は妹に口づけた。
可愛らしく啄むようなキスではない。お互いの口を貪り合うような激しいキス。
カラダが急速に冷え、手が震え始める。これは、現実、なの…?
しばらく貪り合ったふたりはようやく口を離した。その婚約者の瞳が柔らかくリンダを見つめる。
「リンダ…愛してるよ。君が僕の婚約者だったら、どんなに良かったか」
「ふふっ、仕方ないわよ。だって、お姉さまが先に生まれてしまったんだもの」
「双子だと言うのに、生まれた順番とはな…ああ、僕の愛しいリンダ」
「あ…っ、カーティ、もっと…っ」
そこからどのように帰りついたのか覚えていない。ローラは、気づいたら自室のベッドの上で、静かに涙を流していた。
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