逆行厭われ王太子妃は二度目の人生で幸せを目指す

蜜柑マル

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気づいたら14歳

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光を感じて目を開けると、飛び込んできたのはなぜか見慣れた、懐かしい天井だった。

(…え?)

慌てて起き上がると、頭がクラリとする。なんとかカラダを支え深呼吸を繰り返すうちにようやく眩暈に似た感覚から解放される。

改めて見回してみるが、

(…やっぱり、侯爵家の部屋だわ。王宮に上がる前の)

なぜ自分はここにいるのだろう。

(まさか…)

まさか、失敗してしまったの?遺書まで準備したのにとんだ失態だ。思わず唇を噛み締める。すぐに見つからないようにと風呂場で深く手首を切り裂き水に浸した。少しずつ流れ出る赤い血を見て、なぜか涙が零れた。死にたくない、という悔恨か、ようやく解放されるという安堵か。カラダの力が少しずつ抜けて、それと並んで意識も少しずつ濁り、そして…。

(またあの場所に戻されるくらいなら…)

意を決してベッドから降りる。歩き始めて、…なぜかカラダが軽いことに違和感を覚える。食事を意図的に極端に減らしてからは、少し歩くだけでも息が上がってカラダが重苦し感じられたというのに。

ドアに向かう途中にある姿見になんとなく目をやると、そこに映っているのは困惑気味な自分の顔…

(…え?)

あんなに窶れ、ボロボロの青白かった肌を、姿見の中に探すことが出来なかった。予想していた顔とは違い、眠りから覚めたばかりの血色のよい生き生きとした肌。そして幾ばくか、

(…若い?)

慌てて手首を確認すると、そこにあるはずの傷がない。キレイさっぱりなくなっている。

なんで、…これは夢?夢を見ているの?

頬を引っ張ろうとしたとき、突然ノックの音がして飛び上がる程びっくりする。返事もできずにバクバクした鼓動とともに立ち尽くしていると、

「あら、おはようございます、お嬢様。今朝は早いお目覚めですね?」

いたずらっぽくウインクするのは、

「…デイジー?」
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