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新たな火種
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ハロルド様が私を見つめる視線を痛いほど感じ、しかし、怖くて目を合わせる勇気が出ない。私を選んだせいで、ハロルド様は王太子にならなかった。私を、私なんかを、
「シア!」
ハロルド様にギュウッと抱き込まれ、そのまま目の縁に唇が落とされる。その軟らかく暖かな感触に、初めて自分の頬が濡れているのに気づいた。
「…あ、」
「シア。うまく話そうとか、そんなことどうでもいいから、心を閉ざさないでシアの気持ちを教えて。シアは、自分の中に溜め込んで容量がいっぱいになりそうなのに気付かなくてある日突然決壊してしまう…心を、壊してしまう。そんなこと、もう二度と繰り返したくない。二度とごめんだ、あんな…!」
そこでハッ、としたように固まったハロルド様の腕がますます私を強く抱き締めた。今、ハロルド様は、なんて…?
「ハル様」
「シア。昨日も言ったよ。俺の大事なシアを傷つけるのは、それがたとえシア本人であっても許さないと。傷つけるというのは、カラダのことだけじゃない。心もだ。シア、俺とシアは夫婦になるんだよ。どんなことでも話して欲しい。隠さないで欲しい。俺は、シアを愛してる。シアが思ってるより、ずっとずっと、愛してるんだよ。シアがどんなでも俺はシアを嫌いになったりしない。俺のこと、前回のことがあるからまだ信用できないんだよな、それはわかってる。だけど、それでも、話して欲しい。…話してくれなくちゃ、何もわからない…」
ハロルド様と触れあう箇所からハロルド様の鼓動が伝わる。私、私は、
「ハル、さま、わた、わたし、」
「ゆっくりでいい。ね、シア。まず、深呼吸しよう。さ、ゆっくり吸って…」
優しく背中を撫でられ、更に涙が溢れてきてしまう。ハロルド様を一侯爵家の我が家に縛り付けたりして、本当にいいのだろうか?
「ハル、さま、ハル、」
「シア、大丈夫だから。俺がずっといるよ。ね、ほら。わかるよね。俺のシア。愛してる」
涙を掬うように何度も何度も唇を落とされ、恥ずかしいはずなのになぜか安心してしまっている自分がいる。なんて、勝手な、
「ハルさま…っ」
そのまましがみついてハロルド様の背中に触れる。大きな、ガッシリとしたカラダ。この一年で、また背が伸び更に男らしさが増したハロルド様。
「わたし、は、ハロルド様に、ハロルド様を、」
「シア」
「ハロルド様を、婚約者に縛り付けて、ハロルド様の、未来を壊す気持ちは、ありません、だから、だから、そんな、」
「…シア」
また、冷たい声音に変わったハロルド様に思わず喉がヒュッとひきつったようになる。でも、怖くても言わなくちゃ、
「ハロルド様が将来の国王陛下に相応しいと、そう思われているなら、王族に生まれた責務として、果たすべきだと思います。私は、」
突然、顔をぐっと持ち上げられると、そのまま口を塞ぐように唇を重ねられた。
「シア!」
ハロルド様にギュウッと抱き込まれ、そのまま目の縁に唇が落とされる。その軟らかく暖かな感触に、初めて自分の頬が濡れているのに気づいた。
「…あ、」
「シア。うまく話そうとか、そんなことどうでもいいから、心を閉ざさないでシアの気持ちを教えて。シアは、自分の中に溜め込んで容量がいっぱいになりそうなのに気付かなくてある日突然決壊してしまう…心を、壊してしまう。そんなこと、もう二度と繰り返したくない。二度とごめんだ、あんな…!」
そこでハッ、としたように固まったハロルド様の腕がますます私を強く抱き締めた。今、ハロルド様は、なんて…?
「ハル様」
「シア。昨日も言ったよ。俺の大事なシアを傷つけるのは、それがたとえシア本人であっても許さないと。傷つけるというのは、カラダのことだけじゃない。心もだ。シア、俺とシアは夫婦になるんだよ。どんなことでも話して欲しい。隠さないで欲しい。俺は、シアを愛してる。シアが思ってるより、ずっとずっと、愛してるんだよ。シアがどんなでも俺はシアを嫌いになったりしない。俺のこと、前回のことがあるからまだ信用できないんだよな、それはわかってる。だけど、それでも、話して欲しい。…話してくれなくちゃ、何もわからない…」
ハロルド様と触れあう箇所からハロルド様の鼓動が伝わる。私、私は、
「ハル、さま、わた、わたし、」
「ゆっくりでいい。ね、シア。まず、深呼吸しよう。さ、ゆっくり吸って…」
優しく背中を撫でられ、更に涙が溢れてきてしまう。ハロルド様を一侯爵家の我が家に縛り付けたりして、本当にいいのだろうか?
「ハル、さま、ハル、」
「シア、大丈夫だから。俺がずっといるよ。ね、ほら。わかるよね。俺のシア。愛してる」
涙を掬うように何度も何度も唇を落とされ、恥ずかしいはずなのになぜか安心してしまっている自分がいる。なんて、勝手な、
「ハルさま…っ」
そのまましがみついてハロルド様の背中に触れる。大きな、ガッシリとしたカラダ。この一年で、また背が伸び更に男らしさが増したハロルド様。
「わたし、は、ハロルド様に、ハロルド様を、」
「シア」
「ハロルド様を、婚約者に縛り付けて、ハロルド様の、未来を壊す気持ちは、ありません、だから、だから、そんな、」
「…シア」
また、冷たい声音に変わったハロルド様に思わず喉がヒュッとひきつったようになる。でも、怖くても言わなくちゃ、
「ハロルド様が将来の国王陛下に相応しいと、そう思われているなら、王族に生まれた責務として、果たすべきだと思います。私は、」
突然、顔をぐっと持ち上げられると、そのまま口を塞ぐように唇を重ねられた。
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