スマイル

鈴木なお

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考え

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私はそのままシートに寝そべりながら2個目のおにぎりを食べる。

おにぎりを包んでいる銀紙のアルミホイルは太陽の光に照らされてキラキラと輝いている。

まるで太陽が2つあるようにも感じられて妙な心強さがあった。

おにぎりのしょっぱさが口の中にじんわりと染み込み、鼻には海水の塩の匂いが入ってくる。

しょっぱいのをいつもの2倍くらっているわけで、なんとも不思議な感覚だ。

太陽の光が照らしているのはおにぎりを包むアルミホイルだけではない。

海の水面が太陽の光に照らされ、キラキラと輝き、アルミホイルのそれとは比べられないくらいの美しさだった。

思わず「綺麗だね。」と言ってしまいそうになるくらいその海の水面の輝きは素晴らしかったのだ。

そしてその海をスイスイとボード1枚で渡っていくサーファーのお兄さん。

よくあんなにも器用に波と波の間を渡っていけるなと思った。

もし私がサーフィンに挑戦したら波に挟まれてずっこける自信しかない。

想像しただけでも滑稽で思わず口に含んでいる米粒をふきだしそうになる。

こんなアホ面をCAの先輩や同僚に見られたくはないなと深く思った。

ぶっちゃけ、CAの先輩や同僚たちの休日はもっとゴージャスでキラキラしている。

海の水面の輝きにも劣らないくらいのものなわけで、私の休日なんて比べものにはならない。

世間の人たちが想像するCA像を軽々と達成する仕事仲間たちはとても輝いて見える。

正直、同じ生物なのだろうかと思うことだってあった。

一応CAなのだからもっと世間が想像するような休日を送るべきなのかもしれない。

そういうことは何度も思ったのだが、どうにも性格上、こういうテキトーな休日がツボなのだ。

もっと私が流行に敏感だったら違かったのかもしれないが、これも私なのだろう。

私はそんな自分を受けとめ、またおにぎりを飲みこむ。

おにぎりはテキトーな休日を過ごす私にも美味しくて優しい。

おにぎりをはじめに作った人ってすごいよなと思った。

そうやって私がものを考えていると、海からサーファーのお兄さんが上がってきていることに気づく。

ひきしまった身体を包むボディースーツは海水をはじき、太陽に照らされていた。

そして私はそのサーファーのお兄さんと目が合う。

サーファーのお兄さんは笑顔で会釈する。

愛想の良い人だなと思った。

こんなおにぎりを頬張っている私に愛想が良いのだから相当、性格が良いのだろう。

私はおにぎりを頬張っているのが恥ずかしく感じられ、バッグにおにぎりをしまった。
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