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19 謎のボス
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事態が呑み込めなかったが、その男の一人が意地汚い笑いをこぼす。
「これ以上進むなよ。悪いが、ブレインコアはいただいていく」
と、そう言った。ヨサラの首もとにはナイフがつきつけられており人質にとられているような状態になっている。
ナイフを持つ男が不敵に笑みを見せ言う。
「ついてきて正解だったな。精霊と巫女を連れているからただものではないと思っていたが……ジャックポット」
脅しでナイフを持っているわけではないようだ。目的はわからないが、こいつらは意志を持ってこの状況をつくっている。
「兵士たちにまぎれて僕たちをつけていたみたいだね……」
俺の肩の上でノパが言う。
何度か見た覚えがある二人だ。そうだ、広場、それに協会前にいた。こいつらハンターじゃないのか。
「なに言ってる……コアを壊すことがハンターの目的だろ」
「そう、『ハンター』のな。だが俺たちの目的じゃない。この巫女のガキの死体を見たくなけりゃ、おとなしくしてろ」
男がヨサラの首にナイフを突き立てて見せる。やつらはそう言い残し、ヨサラを捕縛(ほばく)したまま地盤の滅茶苦茶な草原の奥へと消えていった。
俺はとっさに魔法を使おうとしたが、チェロに手でさえぎられ止められる。
「待って。いったんコアは渡して、ヨサラが解放されたあとに彼らを捕まえればいい」
「……でも」
彼女が殺されない、とも限らない。
「心配ないわ。ヨサラも組手の練習についてきていたでしょ。そう簡単に殺されない、私の教え子だもの」
すこし迷ったあと、不安はあったがチェロを信じることにし、俺たちはローブの二人組を負った。
先にいったところに、軍団の兵士たちが倒れているのを見つけた。全員ひどく傷んだ姿で地面を噛んでいる。
そのなかには城壁前で顔を合わせた師団長もいる。
「あいつらにやられたんですか」
すぐに駆け寄り、血だらけで倒れている彼を抱き起こしたずねる。
「違う……やつらじゃない……引き返せ。この先にいるのは……ただのブラムではない」
息絶え絶えに言う師団長は体中アザがひどいうえ、腕の骨が両方とも折れまがっている。何と戦ったらこうなるんだ。
にわかに戦慄をおぼえながら、彼らを岩陰に移動させ先を急いだ。
文字通り大地の壊れた草原のなかに、銀色にかがやく台座があった。そのうえに、真紅の光を放つ宝玉がかざられている。
その台座のすぐ前にはヨサラたちがいる。ローブの男が台座を蹴とばして宝玉を手中におさめた。
宝玉はここからでもわかるほど強く輝いている。球体のなかにはギザギザとした謎の模様が浮かんでいるようだった。自然と目を奪われてしまう、この世の物ではないような妖艶な存在感を遠目でも感じる。
なにかそれで異変が起きたというわけではなかったが、この時妙にダンジョンのなかが静まり返ったような気がした。不自然な現象にとまどっていると、どこからかなにかをつぶやく声が聞こえてくる。
「アルスデュラント」
だれかがその名前を口にしている。
声が聞こえた方を見る。台座のあるさらに奥の場所、巨大な石碑のようなものの前にだれかが居座っていた。浮かんでいる岩盤のせいで気づかなかったが、その影がすっと立つ。
「アルスデュラントォ!! 待ちわびたぞ」
あまりの怒号に身が震える。すさまじい気だけで、その者の前にあった岩盤が粉々に弾け飛んだ。そうして姿をあらわす。
「どれだけぶりだ……千年ぶりか。今度こそ決着(ケリ)をつけてもらおう」
体中に包帯を巻いた白髪の男が、俺一人に目線を向けて言った。丸腰だが熟達した武闘家のような肉付きをしており、全身から嫌な空気が放たれている。
当然こんな危険そうな奴になど面識はない。だとすると、アルスがこいつと会ったことがあるということだろう。
まだ息のある軍の兵士がいたようで、頭から血を流しふらつきながらもその得体のしれない人間に背後から切ってかかる。
しかし、信じられないことが起きた。包帯の男はその場から一歩も動いていないように見えたのに、兵士の振り下ろした剣がそこを通過したのである。その次の時には兵士の顔は、ボウリングの球のように軽々とつかまれ、高々と持ち上げられていた。その間も包帯の男は俺だけを見ており、まるで見せつけるかのようにだんだんと手のにぎる力を強めていく。
そいつは俺の視界から一瞬消えた。しかしすぐに姿を見せる。あのローブの男二人組の背後にあらわれ、容易にブレインコアを奪取する。
「それを渡してやることはできない」
男は冷たく言い、空いていた手をかまえて、ヨサラを捕縛しているほうの男に向ける。とっさのことだったがヨサラも巻き込まれると直感し、俺は剣を出して呼びかける。
「待て。アルスに用があるんだろ」
それに呼応して、ぴたりと男の動きが止まった。表情一つ変えない。思考の見えない瞳、一糸乱れない姿勢、そしてこちらを見るために動かした首の動き、すべて感情のない機械のようだった。この異様さに、この場にいる人間の全員が困惑したに違いないだろう。
その隙に、さすがに命が大事なのかローブの男達は一目散に逃げまどう。ヨサラは恐怖で動けないようで、その場に座り込み男を見上げたまま動きがとれないようである。
あのローブのやつらのことも気にかかるが、今はこの状況をなんとかしなければ。
「あんた……なんなんだ。ブラムの味方なのか」
まず問いかける。会話が通じないわけではないようだ。
「コアを守る者……あるいはダンジョンの一部そのもの、といったところか。千年前も同じことをきいたぞ、デュラント」
「ダンジョンの一部……!? アルスと会ったことがあるのか」
おどろき、息を呑む。こいつは千年前から存在していたことになる。何者なんだ。
「そうだ……偉大なる賢者よ……」
コアの守護者は壊すだとか止められるだとか意味の不透明なことをぼやきながら、宝玉を手から離す。するとひとりでにコアが浮き上がりその場にとどまった。
よく見ると守護者の身体にもおかしな点がある。肩や指と言った人間の関節にあたる部分が、機械か人形のように切れ目がある。こいつ、本当に人間じゃないのか。
守護者はこちらを見たまま身をかがめる。そうして木の枝でも持つように軽々と、ヨサラの首をつかみ持ち上げた。
「コアが欲しいのなら、俺を止めてみろ」
言って、手の平をこちらに向けてくる。
すさまじい風圧が起きたあと、いくつもの光の刃がいきなり守護者の方から飛んでくる。
それを避けつつ、冷静になろうとつとめながらさきほどから黙ったままのノパにたずねた。
「ノパ、知らないのか」
「知らない……でもあいつ完全に僕たちを殺す気だ。やるしかないよ、ソウ」
「……くっ」
守護者の指がヨサラの首に食い込んでいく。苦しみもだえる彼女は、今にでも首の骨が折れて死んでもおかしくない。
危機感が集中力を研ぎ澄ませ、意識が臨戦の態勢にうつりかわる。
視界がひらけ、俺たちは守護者に向かって突っ込み距離をちぢめる。先頭の俺に丸腰の守護者は拳を縦にした正拳突きを繰り出してきたが、それを上体だけで横向きにかわしたあと両手を地面について跳ね上がり、守護者の顔面に思い切り後ろ蹴りを当てる。そうして立ち上がる勢いをいかして剣を切り払い、刃にまとう炎を増大させて吹き飛ばす。
敵の態勢を崩したところに、萌音たちも一斉に攻撃を合わせる。
が、崩せてなどいなかった。萌音の投げた魔力の乗った投げナイフ、綿乃の放った弓矢は手でつかまれて軽く止められ、チェロの放った弾丸は黄色い光の壁によって火力を失い地面に落下する。
ショックを受けているヒマなどないため俺は続けて雷の魔法を使い、敵がそれを避けて宙に浮かぶ。
解放され、せきこんでいるヨサラを綿乃たちが救出する。
ヨサラを助けることはできた、だが――
ここまでである程度の敵の情報はわかった。こいつは今まで戦ったどんなブラムも超越(ちょうえつ)している。
しかしつけいる隙はないわけではない。
このコアの守護者とやらは、やけに俺の、つまりアルスの魔法や剣を警戒して大げさに避けたりなどの反応を見せる。
理由を考えた。おそらく、こいつは本来のアルスの力をある程度知っているのだろう。だから常に俺に対してのみ注意を払っている。
なら囮になるのは俺だ。チェロに目くばせし、まばたきをして自分がひきつけるという合図を送る。
剣に炎の魔法をまとわせて飛ばすと見せかけて、敵の意識をひきつけている間にチェロたちが近づき一斉にそれぞれ得意な魔法を守護者にぶつけた。
全員での攻撃を仕掛け、その後に俺は敵に突進する。しかし、守護者が咆哮するとその体のまわりを光が包み、壁のようになって無残にもチェロたちの魔法はより疾(はや)いスピードで弾き返された。
萌音たちがこれを避けるのは困難だろう。しかし俺はたまたま剣を前にかまえていたため、剣の性能のおかげで勝手に魔法をいなし防御してくれた。その勢いのまま炎の魔法を刃に宿し真紅に染め上げて、守護者を袈裟切りに一閃する。
――の、はずだった。
ガルナーシャの紅(あか)い刃は、竹刀でもつかむかのように素手で止められていた。剣撃の威力を高めたこの紅(くれない)の状態は、今までどんなブラムでも切り裂いた。それが指の肉ひとつ削ぎ落していない。
不用意に接近していた俺は、ガッとものすごい力で守護者に胸倉をつかまれ持ち上げられる。
「なんだこの弱さは……。お前は……だれだ?」
大きな瞳が俺を映していた。感情はやはり読み取れないが、それがかえって不気味である。
もがいても、腕力ではひきはがせそうにない。剣を振り上げ、刃の炎を解放して爆発させる。
その反動で俺はうしろに吹き飛んだが、敵もそれを避けて飛び下がってくれた。
俺は態勢をもどしながら、ひとつの導き出された結論について思考をとらわれていた。
強い……強すぎる。
真紅の刃が効かなかった以上、俺たちの勝てる手立ては実質なくなったと言える。
相手が悪すぎる。ここまで訓練してつちかったことは、こいつには通用しない。
こいつを倒すより逃げ切る可能性のほうがまだ高いと、そう自然と考えてしまう。しかしそれはだめだ。俺たちが運よく逃げ出せたとして、あの師団長たちは? 彼らはもう意識を失っていて動けない。確実に殺される。しかしこのまま立ち止まっていても全滅してしまう。
いや、と顔を袖でぬぐって考え直す。チャンスはまだ残っているはずだ。こいつは俺の動きにかなり気をとられている。そこをうまく活かせれば……
「どうやら、力を失っているようだな」
悟られ、肝を冷やす前に身がこわばった。言うと同時に守護者は両手をひろげ、魔法陣を展開させている。
守護者の巨大な後輪のように出現した陣から、いくつもの黄金の光で構成された短剣が出現する。それらは一斉に俺を的に向かってくる。
いくつかは避け、いくつかは剣を振り払って作った炎で撃ち落とせたが、一本だけ防ぎきれず左足の脛(すね)部分に突き刺さった。
バランスを崩しかけたが剣を地面に突き刺して踏ん張る。
しかしそこに守護者が突っ込んできて、徒手空拳を繰り出してきた。ものすごい数の素早い殴打と蹴りを懸命にかわしつつ剣の腹で防ぐ。
やはりこの剣自体が優秀なため、受けるたび手がしびれるほどの衝撃はあるが威力は殺してくれている。訓練で鍛えた反応で最初の格闘は防ぎ切ったものの、すぐに違和感に気づいた。
光の短剣は俺の足に刺さったままである。おそらくこの剣は魔法で作られたものではあるとはいえ、なぜか足を貫通していてもそこまで激しい痛みがない。なんとかまだ左足を使うことができている。
代わりに、身体全体から力が抜けていく感覚がしているのに気づく。
息が切れる。視界がかすむ。真紅の刃の色があせていく。まるでこの光の短剣に力を奪われているようだった。そしてそれは勘ではなくおそらく当たっている。
動きの鈍った俺はとうとうもろに腹に突きを喰らい、浮き上がって後方の空中に会った岩盤を壊すほどの威力で叩きつけられた。
今度はものすごい痛みがある。呼吸が苦しい。だがケガはすぐに魔法をかければどうにかなる。問題はこの光の短剣だ。
俺は地面に仰向(あおむ)けになったあとすぐに上体を起こし、光の剣を抜こうとつかむ。しかしびくともせず抜くことができない。焦っても力んでも変わらない。
その間にも、守護者はこちらに近づいてきている。
「その光の刃は魔柱を奪うためにある。術者の俺を殺さなければ抜くことはできない。……もうお前しか動くことはできないようだがな」
その言葉に目を見開き、身体をねじって後ろを振り返る。
さきほどの魔法の反射をもろに喰らった綿乃たちが、ボロボロの姿で地面に伏していた。まだ息はあるようだったが、戦闘を続けるのは難しいだろう。
この距離では、頼みの綱だったアルスの力も引き出すことが難しい。ノパも気絶していて完全に動かない。
あらゆる選択肢が潰されており、絶望に浸(ひた)される。胸の内が苦しくなるのを感じながら、さらに身体の力もなくなっていく。
しかしここでなにもできなければ、師団長たちだけじゃない、萌音たちの命も奪われる。
どうにか彼女たちが逃げられるところまで時間を稼がないと。俺はガルナーシャを杖がわりに立ち上がり、守護者に向き合う。
もう剣を構えるくらいの余力しかなく、戦況をくつがえせる奥の手も持っていない。それでもまだあらがおうとするのは、アルスを知っている敵の前で、少なくとも無様なさらしたくないという意地だったのかもしれない。
俺の剣の届かない距離から守護者はゆっくりと腕を持ちあげ、手のひらをこちらに向ける。
「なにも知らずにたたかっているとは。あわれだな。千年前言っていたのはこういうことか……」
守護者が抑揚(よくよう)のない声で言い放つ。
視界がかすみ、魔力がなくなっているせいか敵があの後輪に似た魔法陣を出した。が、光の剣が目視できない。俺の目にうつらないのである。
いや、ととっさに思い直す。守護者はなぜかアルスにこだわっている。間違いなく刃はすべて俺に集まるはずだ。さきほどのタイミングを思い出しながら、渾身(こんしん)の力で振りぬいて剣の炎を解放した。
大きな炎の渦と壁がどうやらいくつかの短剣を防いだ手ごたえはあったが、そのなかをくぐりぬけた光の刃の切っ先が俺の胸を貫(つらぬ)いた。
死んだ――と思ったが、まだ心臓は動いていた。しかしさすがに足の比ではない痛みが走り、口から息が止まるほどの血があふれかえりこぼれだす。
倒れた後も必死に光の刃を抜こうとしたが、動かないどころかいよいよ俺の腕に力が入らなくなってくる。
魔力を吸い取られているせいか、俺の横に倒れているガルナーシャの剣が炎を失い、最初に見た時と同じ朽ち果てた鉄の塊へと戻った。
光の刃は燦燦(さんさん)と輝きを放ち続けている。抵抗もむなしくとうとう俺の手は地面に崩れ落ち、目を開けていることもできなくなり視界が暗くなる。
「これ以上進むなよ。悪いが、ブレインコアはいただいていく」
と、そう言った。ヨサラの首もとにはナイフがつきつけられており人質にとられているような状態になっている。
ナイフを持つ男が不敵に笑みを見せ言う。
「ついてきて正解だったな。精霊と巫女を連れているからただものではないと思っていたが……ジャックポット」
脅しでナイフを持っているわけではないようだ。目的はわからないが、こいつらは意志を持ってこの状況をつくっている。
「兵士たちにまぎれて僕たちをつけていたみたいだね……」
俺の肩の上でノパが言う。
何度か見た覚えがある二人だ。そうだ、広場、それに協会前にいた。こいつらハンターじゃないのか。
「なに言ってる……コアを壊すことがハンターの目的だろ」
「そう、『ハンター』のな。だが俺たちの目的じゃない。この巫女のガキの死体を見たくなけりゃ、おとなしくしてろ」
男がヨサラの首にナイフを突き立てて見せる。やつらはそう言い残し、ヨサラを捕縛(ほばく)したまま地盤の滅茶苦茶な草原の奥へと消えていった。
俺はとっさに魔法を使おうとしたが、チェロに手でさえぎられ止められる。
「待って。いったんコアは渡して、ヨサラが解放されたあとに彼らを捕まえればいい」
「……でも」
彼女が殺されない、とも限らない。
「心配ないわ。ヨサラも組手の練習についてきていたでしょ。そう簡単に殺されない、私の教え子だもの」
すこし迷ったあと、不安はあったがチェロを信じることにし、俺たちはローブの二人組を負った。
先にいったところに、軍団の兵士たちが倒れているのを見つけた。全員ひどく傷んだ姿で地面を噛んでいる。
そのなかには城壁前で顔を合わせた師団長もいる。
「あいつらにやられたんですか」
すぐに駆け寄り、血だらけで倒れている彼を抱き起こしたずねる。
「違う……やつらじゃない……引き返せ。この先にいるのは……ただのブラムではない」
息絶え絶えに言う師団長は体中アザがひどいうえ、腕の骨が両方とも折れまがっている。何と戦ったらこうなるんだ。
にわかに戦慄をおぼえながら、彼らを岩陰に移動させ先を急いだ。
文字通り大地の壊れた草原のなかに、銀色にかがやく台座があった。そのうえに、真紅の光を放つ宝玉がかざられている。
その台座のすぐ前にはヨサラたちがいる。ローブの男が台座を蹴とばして宝玉を手中におさめた。
宝玉はここからでもわかるほど強く輝いている。球体のなかにはギザギザとした謎の模様が浮かんでいるようだった。自然と目を奪われてしまう、この世の物ではないような妖艶な存在感を遠目でも感じる。
なにかそれで異変が起きたというわけではなかったが、この時妙にダンジョンのなかが静まり返ったような気がした。不自然な現象にとまどっていると、どこからかなにかをつぶやく声が聞こえてくる。
「アルスデュラント」
だれかがその名前を口にしている。
声が聞こえた方を見る。台座のあるさらに奥の場所、巨大な石碑のようなものの前にだれかが居座っていた。浮かんでいる岩盤のせいで気づかなかったが、その影がすっと立つ。
「アルスデュラントォ!! 待ちわびたぞ」
あまりの怒号に身が震える。すさまじい気だけで、その者の前にあった岩盤が粉々に弾け飛んだ。そうして姿をあらわす。
「どれだけぶりだ……千年ぶりか。今度こそ決着(ケリ)をつけてもらおう」
体中に包帯を巻いた白髪の男が、俺一人に目線を向けて言った。丸腰だが熟達した武闘家のような肉付きをしており、全身から嫌な空気が放たれている。
当然こんな危険そうな奴になど面識はない。だとすると、アルスがこいつと会ったことがあるということだろう。
まだ息のある軍の兵士がいたようで、頭から血を流しふらつきながらもその得体のしれない人間に背後から切ってかかる。
しかし、信じられないことが起きた。包帯の男はその場から一歩も動いていないように見えたのに、兵士の振り下ろした剣がそこを通過したのである。その次の時には兵士の顔は、ボウリングの球のように軽々とつかまれ、高々と持ち上げられていた。その間も包帯の男は俺だけを見ており、まるで見せつけるかのようにだんだんと手のにぎる力を強めていく。
そいつは俺の視界から一瞬消えた。しかしすぐに姿を見せる。あのローブの男二人組の背後にあらわれ、容易にブレインコアを奪取する。
「それを渡してやることはできない」
男は冷たく言い、空いていた手をかまえて、ヨサラを捕縛しているほうの男に向ける。とっさのことだったがヨサラも巻き込まれると直感し、俺は剣を出して呼びかける。
「待て。アルスに用があるんだろ」
それに呼応して、ぴたりと男の動きが止まった。表情一つ変えない。思考の見えない瞳、一糸乱れない姿勢、そしてこちらを見るために動かした首の動き、すべて感情のない機械のようだった。この異様さに、この場にいる人間の全員が困惑したに違いないだろう。
その隙に、さすがに命が大事なのかローブの男達は一目散に逃げまどう。ヨサラは恐怖で動けないようで、その場に座り込み男を見上げたまま動きがとれないようである。
あのローブのやつらのことも気にかかるが、今はこの状況をなんとかしなければ。
「あんた……なんなんだ。ブラムの味方なのか」
まず問いかける。会話が通じないわけではないようだ。
「コアを守る者……あるいはダンジョンの一部そのもの、といったところか。千年前も同じことをきいたぞ、デュラント」
「ダンジョンの一部……!? アルスと会ったことがあるのか」
おどろき、息を呑む。こいつは千年前から存在していたことになる。何者なんだ。
「そうだ……偉大なる賢者よ……」
コアの守護者は壊すだとか止められるだとか意味の不透明なことをぼやきながら、宝玉を手から離す。するとひとりでにコアが浮き上がりその場にとどまった。
よく見ると守護者の身体にもおかしな点がある。肩や指と言った人間の関節にあたる部分が、機械か人形のように切れ目がある。こいつ、本当に人間じゃないのか。
守護者はこちらを見たまま身をかがめる。そうして木の枝でも持つように軽々と、ヨサラの首をつかみ持ち上げた。
「コアが欲しいのなら、俺を止めてみろ」
言って、手の平をこちらに向けてくる。
すさまじい風圧が起きたあと、いくつもの光の刃がいきなり守護者の方から飛んでくる。
それを避けつつ、冷静になろうとつとめながらさきほどから黙ったままのノパにたずねた。
「ノパ、知らないのか」
「知らない……でもあいつ完全に僕たちを殺す気だ。やるしかないよ、ソウ」
「……くっ」
守護者の指がヨサラの首に食い込んでいく。苦しみもだえる彼女は、今にでも首の骨が折れて死んでもおかしくない。
危機感が集中力を研ぎ澄ませ、意識が臨戦の態勢にうつりかわる。
視界がひらけ、俺たちは守護者に向かって突っ込み距離をちぢめる。先頭の俺に丸腰の守護者は拳を縦にした正拳突きを繰り出してきたが、それを上体だけで横向きにかわしたあと両手を地面について跳ね上がり、守護者の顔面に思い切り後ろ蹴りを当てる。そうして立ち上がる勢いをいかして剣を切り払い、刃にまとう炎を増大させて吹き飛ばす。
敵の態勢を崩したところに、萌音たちも一斉に攻撃を合わせる。
が、崩せてなどいなかった。萌音の投げた魔力の乗った投げナイフ、綿乃の放った弓矢は手でつかまれて軽く止められ、チェロの放った弾丸は黄色い光の壁によって火力を失い地面に落下する。
ショックを受けているヒマなどないため俺は続けて雷の魔法を使い、敵がそれを避けて宙に浮かぶ。
解放され、せきこんでいるヨサラを綿乃たちが救出する。
ヨサラを助けることはできた、だが――
ここまでである程度の敵の情報はわかった。こいつは今まで戦ったどんなブラムも超越(ちょうえつ)している。
しかしつけいる隙はないわけではない。
このコアの守護者とやらは、やけに俺の、つまりアルスの魔法や剣を警戒して大げさに避けたりなどの反応を見せる。
理由を考えた。おそらく、こいつは本来のアルスの力をある程度知っているのだろう。だから常に俺に対してのみ注意を払っている。
なら囮になるのは俺だ。チェロに目くばせし、まばたきをして自分がひきつけるという合図を送る。
剣に炎の魔法をまとわせて飛ばすと見せかけて、敵の意識をひきつけている間にチェロたちが近づき一斉にそれぞれ得意な魔法を守護者にぶつけた。
全員での攻撃を仕掛け、その後に俺は敵に突進する。しかし、守護者が咆哮するとその体のまわりを光が包み、壁のようになって無残にもチェロたちの魔法はより疾(はや)いスピードで弾き返された。
萌音たちがこれを避けるのは困難だろう。しかし俺はたまたま剣を前にかまえていたため、剣の性能のおかげで勝手に魔法をいなし防御してくれた。その勢いのまま炎の魔法を刃に宿し真紅に染め上げて、守護者を袈裟切りに一閃する。
――の、はずだった。
ガルナーシャの紅(あか)い刃は、竹刀でもつかむかのように素手で止められていた。剣撃の威力を高めたこの紅(くれない)の状態は、今までどんなブラムでも切り裂いた。それが指の肉ひとつ削ぎ落していない。
不用意に接近していた俺は、ガッとものすごい力で守護者に胸倉をつかまれ持ち上げられる。
「なんだこの弱さは……。お前は……だれだ?」
大きな瞳が俺を映していた。感情はやはり読み取れないが、それがかえって不気味である。
もがいても、腕力ではひきはがせそうにない。剣を振り上げ、刃の炎を解放して爆発させる。
その反動で俺はうしろに吹き飛んだが、敵もそれを避けて飛び下がってくれた。
俺は態勢をもどしながら、ひとつの導き出された結論について思考をとらわれていた。
強い……強すぎる。
真紅の刃が効かなかった以上、俺たちの勝てる手立ては実質なくなったと言える。
相手が悪すぎる。ここまで訓練してつちかったことは、こいつには通用しない。
こいつを倒すより逃げ切る可能性のほうがまだ高いと、そう自然と考えてしまう。しかしそれはだめだ。俺たちが運よく逃げ出せたとして、あの師団長たちは? 彼らはもう意識を失っていて動けない。確実に殺される。しかしこのまま立ち止まっていても全滅してしまう。
いや、と顔を袖でぬぐって考え直す。チャンスはまだ残っているはずだ。こいつは俺の動きにかなり気をとられている。そこをうまく活かせれば……
「どうやら、力を失っているようだな」
悟られ、肝を冷やす前に身がこわばった。言うと同時に守護者は両手をひろげ、魔法陣を展開させている。
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いくつかは避け、いくつかは剣を振り払って作った炎で撃ち落とせたが、一本だけ防ぎきれず左足の脛(すね)部分に突き刺さった。
バランスを崩しかけたが剣を地面に突き刺して踏ん張る。
しかしそこに守護者が突っ込んできて、徒手空拳を繰り出してきた。ものすごい数の素早い殴打と蹴りを懸命にかわしつつ剣の腹で防ぐ。
やはりこの剣自体が優秀なため、受けるたび手がしびれるほどの衝撃はあるが威力は殺してくれている。訓練で鍛えた反応で最初の格闘は防ぎ切ったものの、すぐに違和感に気づいた。
光の短剣は俺の足に刺さったままである。おそらくこの剣は魔法で作られたものではあるとはいえ、なぜか足を貫通していてもそこまで激しい痛みがない。なんとかまだ左足を使うことができている。
代わりに、身体全体から力が抜けていく感覚がしているのに気づく。
息が切れる。視界がかすむ。真紅の刃の色があせていく。まるでこの光の短剣に力を奪われているようだった。そしてそれは勘ではなくおそらく当たっている。
動きの鈍った俺はとうとうもろに腹に突きを喰らい、浮き上がって後方の空中に会った岩盤を壊すほどの威力で叩きつけられた。
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俺は地面に仰向(あおむ)けになったあとすぐに上体を起こし、光の剣を抜こうとつかむ。しかしびくともせず抜くことができない。焦っても力んでも変わらない。
その間にも、守護者はこちらに近づいてきている。
「その光の刃は魔柱を奪うためにある。術者の俺を殺さなければ抜くことはできない。……もうお前しか動くことはできないようだがな」
その言葉に目を見開き、身体をねじって後ろを振り返る。
さきほどの魔法の反射をもろに喰らった綿乃たちが、ボロボロの姿で地面に伏していた。まだ息はあるようだったが、戦闘を続けるのは難しいだろう。
この距離では、頼みの綱だったアルスの力も引き出すことが難しい。ノパも気絶していて完全に動かない。
あらゆる選択肢が潰されており、絶望に浸(ひた)される。胸の内が苦しくなるのを感じながら、さらに身体の力もなくなっていく。
しかしここでなにもできなければ、師団長たちだけじゃない、萌音たちの命も奪われる。
どうにか彼女たちが逃げられるところまで時間を稼がないと。俺はガルナーシャを杖がわりに立ち上がり、守護者に向き合う。
もう剣を構えるくらいの余力しかなく、戦況をくつがえせる奥の手も持っていない。それでもまだあらがおうとするのは、アルスを知っている敵の前で、少なくとも無様なさらしたくないという意地だったのかもしれない。
俺の剣の届かない距離から守護者はゆっくりと腕を持ちあげ、手のひらをこちらに向ける。
「なにも知らずにたたかっているとは。あわれだな。千年前言っていたのはこういうことか……」
守護者が抑揚(よくよう)のない声で言い放つ。
視界がかすみ、魔力がなくなっているせいか敵があの後輪に似た魔法陣を出した。が、光の剣が目視できない。俺の目にうつらないのである。
いや、ととっさに思い直す。守護者はなぜかアルスにこだわっている。間違いなく刃はすべて俺に集まるはずだ。さきほどのタイミングを思い出しながら、渾身(こんしん)の力で振りぬいて剣の炎を解放した。
大きな炎の渦と壁がどうやらいくつかの短剣を防いだ手ごたえはあったが、そのなかをくぐりぬけた光の刃の切っ先が俺の胸を貫(つらぬ)いた。
死んだ――と思ったが、まだ心臓は動いていた。しかしさすがに足の比ではない痛みが走り、口から息が止まるほどの血があふれかえりこぼれだす。
倒れた後も必死に光の刃を抜こうとしたが、動かないどころかいよいよ俺の腕に力が入らなくなってくる。
魔力を吸い取られているせいか、俺の横に倒れているガルナーシャの剣が炎を失い、最初に見た時と同じ朽ち果てた鉄の塊へと戻った。
光の刃は燦燦(さんさん)と輝きを放ち続けている。抵抗もむなしくとうとう俺の手は地面に崩れ落ち、目を開けていることもできなくなり視界が暗くなる。
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―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
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