小説ネタ集(1話完結モノ)

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

文字の大きさ
8 / 12

聖女はオメガに片思い

しおりを挟む

人類の寿命二百才を越えた。

と言っても男だけの世界。

ソドム・フォルシダ・アンドロルシフェルンと言う惑星の話だ。

出産は、主にオメガ男が二百年に一度、数名の男児を産むだけで、稀に女性が産まれたとしても極わずかだから少子化が問題になっている。

女性が生まれる比率は全人口数億分の一という稀な現象なので、生まれると直ぐに聖女として神殿に取り上げられ、年頃迄育成されて皇帝の側室となり、出産マシーンと見なされる。女性には人権はなかった。

あるカップルの間に女の子が産まれた。

そのカップルは子供を「シャンミン」と名付け、オメガ男子として偽り、手元で育てる。

シャンミンは身体がひ弱だという触れ込みで学校も通わずに暮らしていたが、階級制度のしきたりのために16才からの二年間を社交界デビュタントとして就学しなければならない。

男の子ばかりの学校で、シャンミンはオメガ男子タイリンと仲良くなる。

タイリンは皇帝の第二皇子。侯爵家や伯爵家との縁談が浮上していたが、まだオメガとしての発情を迎えたことがなく、シャンミンを同類オメガと認識する。

オメガ同士の学園爆笑ライフは、オスの悪口を言い合うコメディ。


「僕たちが愛し合ったらオメガ男子同士のレズになるのかな」

「レズって、なあに、タイリン」

「そうか。シャンミンは知らないんだね。レズって、側室たちのやることだよ」

「わははは。女同士か。じゃあさ、もし、一般オメガ同士が愛し合ったら何て言うの」

「それは前列がないからねぇ。それでもオメガ同士はレズって言わないかも。レズは側室同士が争わなくなる良い方法だよ」

「タイリン。側室って、争うの」

「うん。皇后にはオメガ男子しかなれないけど、側室の子も皇太子にはなれるから権力闘争はすさまじいよ。僕の兄上も側室の子だ」

「ふうん。お兄様ってどんな方」

「あれ、知らなかった。この学園のトップアイドルだったんだよ。三つ上だからとっくに卒業してるけど、何だかんだとパーティーの度に顔を出してる。パーティー開催側も、オメガの発情期を回避しなければならないくらいモテまくって大変だよ」

「ヒエラルキートップだもんね、皇太子は」

シャンミンは皇帝の側室にされるという法律に従うなら、両親も処罰されずに済むかもしれない。

しかし、皇太子ビアゼはいけすかない性格で、パーティーで紹介されるもシャンミンとは馬が合わず、シャンミンは目立たない美形ラゥステッドに傾いていく。その美形ラゥステッドが皇太子ビアゼの思い人オメガとは知らずに。


「タイリンだって、あの憂いを含んだ横顔が素敵だと思うでしょ。あぁ、ラゥステッド様ぁ」

「僕もラゥステッドはかなり美しいと思うよ。でも、目立たないように地味にしてるけど、多分僕たちと同じでオメガだよ」

「ええっ。オメガぁぁ……」

「オメガ。間違いない」

「タイリン。オメガ同士のレズってないの……」

「多分、ない。あったら刑罰ものだよ」

「ええっ……ラ……ラゥステッド様ぁぁ……」





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...