中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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37 あの日

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愛されたことがなかったからって、チョコちゃんママはちゃんとチョコちゃんのことを思って行動していたよ。愛されているさ。

子供を愛せない障害がある親もいるとは聞くけれど、ちゃんと愛されているよ。心配ない。

溺愛ごっこで僕は鍛えられて、チョコちゃんを大切に思うようになった。これかな、僕の道は。

僕とMM先輩の問題も、チョコちゃんとならラインだけでクリアしたような気分になれた。チョコちゃんパワーの凄さは僕を強くする。

他の誰でもなくチョコちゃんとだからだ。

庭にうんこ座りしたときは、どうってことのないただの同じガッコの女子に過ぎなかったんだけど、あれ、何から始まったっけ……

そうだ、あの日、僕は少し虚無感に斜めになって、空の色がどうたら、日々がどうたら、生まれてくるのが遅すぎただの、カミオカンデで計測されているニュートリノが雨のように降り注いで人間を通り抜け、人間は全て計られているだの、僕は計られて足りないものだなどと、ぐだぐだ呟いていた。

そこに、ブロック塀の蒲鉾模様の穴からチョコちゃんが話しかけてきて、いきなり門扉を開けて庭に侵入してきたんだ。それから僕の横にうんこ座りをして、大丈夫、見えない角度だから、うんこ座りしても。

それで、チョコちゃんはお母さんがコマルナ休校を知らなくて、学校に行けと言われて家を出たものの、行くところがなくて僕の庭で遊んで帰った。

あの日から僕の生活が変わった。

『音理よりもチョコが可愛いと言って。早く言って……』

チョコちゃんは本名よりもニックネームを押してって言っただけなのに、お父さんにそこだけ聞かれて……ふふ、小さな修羅場だったっけ。

『一体何人の女の子と付き合っているんだ』って、不登校男子の息子にエロい疑いかけてくれちゃつて……

あれだ、チョコちゃんの趣味がお化粧で、僕にお化粧する約束をして、何故か僕は溺愛ごっこにハマった。

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