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43 目眩
しおりを挟む「一緒に行こうか、途中まででも」
何気なく言ってみる。
「良いよ、一緒に歩いて誰かに見られたら」
なんだ、つまらないな。
「ふふ、面白いじゃない」
煽ってる。
「何か言われるよ」
チョコちゃんは以外に他人を気にするみたいだ。
「言われても良いじゃないか。何もしてないよ。ただの友達だ」
「ただの友達じゃないよ、チョコには」
そこ、そこ。そこが聞きたい。
「ただの友達じゃないって……」
「溺愛王子」
探るような目をするんだね。
「ふふ、他人にはわからないじゃない、二人だけの間のことは。第一、チョコちゃんがお父さんには秘密って言ったから、ただの友達ですって挨拶するよ」
挨拶か、いつかするだろ。
「挨拶するの」
「するよ、会ったら挨拶する。溺愛していますって言おうか」
いたずらっぽく言ってみた。
「きゃあああ、待って待って、ダメだ。何処からごっこ遊びで何処から本気かわからん。チョコはもうメロメロ過ぎて此処から早く逃げないと溶けるぅ」
立ち上がった。僕も立ち上がる。チョコちゃんは僕の顎の高さに目がくる。僕は両手を広げてチョコちゃんの背中に回す。なんとなく、こうしたいから。
「きゃあああ、波流君……」
「ちょっと立ちくらみ……」
本当に目眩がした。長いことしゃがんでいていきなり立ち上がったからか。
チョコちゃんをぎゅっとした。
「あ……」
ドキドキが伝わる。チョコちゃんのドキドキに合わせて僕もドキドキしてきた。
「ごめん」
手を離す。チョコちゃんは僕から離れないでぎゅっと僕の背中に回した手に力を込めた。
「本当に好き」
これだ。僕が聞きたかった気持ちは……
「僕も」
多分って言った方が安全かもしれないけど、僕の方がチョコちゃんを必要としている。
「ドキドキしてる」
「僕も」
さっきから、僕も……ってしか言えない。
「女の子って気持ち良い。ずっとこうしていたい」
ヤバい。
どっか、違う処が反応しそうだ。
「れずびあん」
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