中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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91 毎週

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ぞくっとした。

背中をというか身体の何処でも、他の人に爪でなぞられたことはない。

「チョコちゃん、それはちょっとセクシーだよ」

「へへ、感じた」

「うん。僕はもう帰るけど、次はチョコちゃんにやってあげる」

「うわあ、エッロォォ……チョコ鼻血が出る。パチンコ屋並みに大放出ぅ」

チョコちゃんが自分で自分を抱き締めているうちに、さっさとワンピースを脱いでシャツに腕を通した。

まだボタンをかけていないうちにチョコちゃんの頬っぺたが胸に付く。

チョコちゃんは横向きのまま顔を上げて僕を見た。

可愛い……

このまま抱き締めてチューしたいくらい可愛いのにそれができない。

できなくてやらないのと、できるけどやらないのと、できないのにやりたいのと、何が言いたいのか兎に角、チョコちゃんは可愛い。

今日は特に美少女メイクだから、普段見慣れた顔とは違う魅力がある。

見かけは別人だな。
でも、中身はチョコちゃんだ。
どうしてこんなにチョコちゃんのことを思うようになったんだろう。

軽くハグして頭を撫でた。

「へへ、溺愛王子」

「可愛いチョコ姫」

「きゃあああ。溶けるっ、チョコはもう身体が溶けるっ」

隣の部屋からチョコちゃんママが
「あんたたち、何をやっているの。まさかエッチしたりしないよね」
と冷や水を掛けた。

僕は急いで互いの体制を整えて一度ぎゅつと抱き締めてから、ボタンを掛けた。

チョコちゃんは美少女メイクの顔で斜めに傾いていく。

おっと……倒れる気か……

チョコちゃんをきちんと立たせる。

「夜、メールするから」

チョコちゃんが僕の首に腕を回した。レズビアンごっこの続きかな。僕もチョコちゃんのウエストに腕を回す。

離れたくないなぁ。
でも、帰らなきゃ……

襖から覗いたチョコちゃんママが
「惜しい。名場面の撮影チャンスを逃したか……」
と、にかっと笑う。

「邪魔者。名残を惜しんでいるのに」

僕も同じ気持ちだよ。

「毎週来れば」
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