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104 ゆっくり聞かせてもらおうか
しおりを挟む「ゆっく聞かせてもらおうか。私の娘の何処が好きなのか」
少し強面の言い方みたいな迫力に圧される。
「はい、多分、沢山あると思います」
チョコちゃんパパはニヤリと笑った。
「初めて会った時、休校なのに制服着て鞄持って暗い顔をしていたんです。僕の家の庭で話をしました。その時、音理ちゃんに名前を聞きました。あ、音理さんに」
「それで」
「音理さんはなかなか名前を教えてくれずに僕がコマルナって呼ぶと言ったんです。そしたら嫌だって言うから」
「それで」
「嫌いなものは何だって、ちょっと意地悪な気分で聞いたんです。僕の庭で名乗らないなんて、失礼な奴だと思って」
「ふん、一目惚れってのとは違うんだな」
「はい。一目惚れではなかったかもしれませんが、その時に音理さんはダイヤモンドが嫌いだと言ったので」
「わははは、ダイヤモンドが嫌い。嘘だろう、音理」
「うん。ダイヤモンド欲しい」
ああ、そうだよね。
いつか買ってあげることになるかもしれない。
「僕も笑いました。久しぶりに笑えて、楽しい子だなと思いました。それで、次も会うことにしたんです。休校なのに学校に行けと言われて行くところがないと言うので」
「そうか、うん。音理はそういう処があるな。お父さんは豚が好きだから音理を太らそうとしているに違いないと言うんだ。わははは。痩せっぽっちだから食べさせようとしているのに」
「最初に会った日からそうだったんです。それに、僕が少し親切にしたら『溺愛されている』と喜んでくれて」
「溺愛……それはどういう意味だ」
「ただ、優しい言葉をかけたり励ましたりしただけです。それを『地球がひっくり返る』って喜ぶんです。僕もつい嬉しくなってどんどん好きになって親にも紹介しました」
細かい経緯は省こう。
「へへ、お父さん。音理はオトコゴロシだって。波流君スキップ百万回」
「何だ、それは」
「暗号です」
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