104 / 119
105 婚約しよう
しおりを挟む「今日は学校の廊下で暗号を言い合って……」
ジョイフラの自動ドアの開く音が聞こえたような気がする。
「スキップとすき焼きだよ」
「なんだ、好きップと好き焼きか。バレバレじゃないか」
「だから、学校では波流君と親戚だって言ってあるよ。仲良くしてても親戚だから、何にも言われない。へへ」
「親戚……」
僕はチョコちゃんパパに頭を下げた。
「済みません」
「何に対して謝っているのかね」
「え……」
「親戚だと嘘をついたことか。好きップと好き焼きか。ふたりでこんなところでデートして抱き合っていたことか。化粧して写真を取ったことか。そもそも出会ったことか。どうなんだ」
遡りすぎです。しかも、だんだん声が大きくなるのは、僕のことが気に入らないのだろうか……
チョコちゃんパパ……
そもそも出会ったことか……って、出会ったことに関しては謝るつもりはないし、何を謝ったのだろう。
「僕は……あの。今は中学生だから受験も控えていて、学校で音理さんのことをおおっぴらにはしたくないです。人の口に音理さんが困ったり傷ついたりすることもあるかと思って、そういうことを避けたいので」
他人の噂で壊れるような関係のつもりはないけれど、煩わしいのは御免だ。
「内緒にすることが守ることだと思っているのかね」
「はい」
きっとチョコちゃんも同じだろう。
しかし、チョコちゃんパパはしかめっ面になった。
「この付き合いは、止めなさい」
腕組みをして、目玉を動かす。
僕とチョコちゃんを交互に見つめる。
「え」
「お父さん、何でそんなことを言うの」
チョコちゃんが膨れる。
「音理を守りたければ、大人になるまで待ちなさい」
そんな……
「お父さん分からず屋だったんだ。大人になるまで待てない」
「音理、真剣なら待てるんだ」
「真剣だけど待てない」
待つとかじゃなくて
「僕は毎日一緒にいたいです。どうすれば良いですか」
「波流君、やっぱり婚約しよう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる