中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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119 未来は実現途上

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処で、僕たちが在学中の高校の廊下には、一時期だけの張り紙だけど「校内でキスしないこと」と書かれていた。

意外と簡単にトラウマを乗り越えて調子に乗っだけれど、溺愛の意味も知った。




僕は理化学系大学に進み、チョコちゃんの詐欺メイクに負けず劣らずの化けっぷりで化粧男子の道をまっしぐら。ロングキュロットは着るけどスカートは嫌だ。

よく間違われるけれど、ニューハーフではない。

チョコちゃんもヘア・メーキャップ専門学校で優秀らしいから、将来はやっぱりハリウッドかも。

将来、僕の開発する新製品を世界中に売り込んでほしい。


僕たちは二十歳になったら一緒に暮らす。
チョコちゃん念願の『れずびあん生活』が始まる。

れずびあん関係になりたい相手が男子だなんて由々しき問題だとほざいてくれた女子中学生チョコちゃんも、二十歳からはエロれずびあん目指して僕を押し倒すのだそうだ。


「波流君におっぱいが無いのが残念だけどさ、チョコもあんまり無いからお互い様だよね」


言ってくれるよ

でも、チョコちゃんはちゃんとあるよ
僕はなんとなく知っている

ちょっと眩しい


「僕専用だから大切にするよ」

「ふふ、独り占めされてる。溺愛だあ。ひゃっほう。エロれずびあん溺愛だあぁ」



僕は、大学に通う傍ら専門知識を生かせる化粧品会社でアルバイトしている。製品開発部のモニターとして雇われたのに、急にモデルの口がかかった。それも、チョコちゃんと一緒に。

チョコママがYouTubeにアップした動画を、会社のお偉いさんが見ていたらしい。


まさか出来上がったCMを見て、MM先輩が謝りに来ることになるとは予想だにしなかったけれど。
 


「チョコちゃんが運命を切り開いて手にした未来だよ」と、あの中学の頃の彼女に言ってあげたい。

ブロック塀の蒲鉾模様の穴から、草むしりしていた僕を見つけて、暗い顔で家の庭に来た孤独な女子中学生に……


神様、有り難う
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