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第21話 ゴブリンの王
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身体が羽の様に軽く感じた。
身体強化で向上した動体視力と反射神経により、ゴツゴツした岩肌の上でも躓く事無く、疾風の如く走り抜ける事が可能だった。
「ギギィッ!?」
一番手前にいたゴブリンが驚愕の表情を浮かべながら槍を突き出してきた。
しかし、今のクロエには、スローモーションの様に遅く感じた。
「アハハッ!遅過ぎ!」
クロエは、身を捻って槍を避けると、そのまま懐に潜り込み、ダガーナイフをゴブリンの胸に突き刺した。
肉を裂き、骨を砕く心地良い感触が手に伝わる。
暗黒物質で創られたダガーナイフは、触れた者の生命力を喰らう。
「ギィアアアアアア!?」
ゴブリンの断末魔が洞窟の中に響き渡る。
血と生命力を失ったゴブリンは、干からびたミイラの様になって絶命した。
「アハハッ!最高!」
ハイになったクロエは、返り血で真っ赤に染まりながら、次々とゴブリンを血祭りに上げて、命を喰らって行く。
「ゲギャギャギャ!!」
そこへ一際サイズが大きいホブゴブリンが襲い掛かってきた。
身長は2m近くあり、筋肉質な身体付きをしている。
コイツの事は覚えていた。
何度もクロエを個室に連れ出して、執拗にお尻の穴を犯してきた変態ゴブリンだ。
特に嫌だったのは、拾った木の棒や捕まえた昆虫をお尻の穴に入れて遊ぶのが好きなサイコ野郎だという事だ。
でも、そんなサイコ野郎に玩具にされているのに、感じてしまっている自分がもっと嫌だった。
陵辱されて、屈辱的な扱いを受けているのに、快感を覚えてしまう自分の身体が恨めしく思った。
まるで、蟻の巣に虫を入れて遊ぶ子供の様に私のお尻の穴を玩具にしてケタケタと笑うコイツの顔は忘れられない。
巨大なムカデをお尻に入れられた時は何度殺してやろうかと思ったか分からない。
やっと・・・復讐できる。
クロエは、暗黒物質で空中に漆黒の槍を創り出した。
「貫け!」
その瞬間、漆黒の槍が音速で放たれて、ホブゴブリンを串刺しにした。
「グオオオオ!」
お腹を貫かれたホブゴブリンは、岩に磔にされており、踠き苦しみながら、怒りの雄叫びを上げていた。
「うるさい!さっさと死ね!」
クロエは、更に5つの槍を創り出し、ホブゴブリンを貫いた。
両手両足を貫き、最後に股間を潰した。
ホブゴブリンが絶望の表情を浮かべながら干からびて行く姿を見て、私は深い溜息を吐いた。
清々しい気分だ。
この数ヶ月、腹の底に溜まり続けてきたドス黒いモノが流れ落ちて行く様なスッキリとした感覚にクロエは、笑みを浮かべる。
「ゲギャッギギィッ!」
1匹のゴブリンシャーマンが魔術を発動し、空中に岩の槍を創り出した。
「何それ、私を真似てるつもり?」
クロエが嘲笑うと、馬鹿にされた事に気付いたのか、ゴブリンシャーマンは、より強大な魔力を込めて、一本の巨大な石槍を生成する。
だが、ゴブリンシャーマンが石槍を放つより早く、クロエはゴブリンシャーマンの懐に踏み込んでおり、ナイフで首を切り裂いた。
「アハハッ!間抜けね!デカけりゃ良いってもんじゃないのよ!」
術師が死に、行き場を失った魔力が弾け飛び、岩の雨が降り注いだ。
「うわっ!?」
全方位への無差別攻撃が仲間のゴブリン諸共押し潰して行く。
クロエも慌てて逃げるが、拳大のサイズの岩の雹を全て避ける事は不可能だった。
「ふグゥッ!?」
石弾がクロエの頭を掠め、左脚に直撃した。
メキメキと肉が潰れ、骨にヒビが入る。
本来なら激痛で顔を顰めるのだが、淫魔の刻印を吸収したクロエには、夢魔の女王リリスの祝福が付与されており、痛みが快感に変換されてしまう。
しかし、違和感はそれだけでは無かった。
「傷が・・・治っている?」
まだ治癒魔術は使用していないのに、脚の青痣も骨のヒビも一瞬にして完治していた。
岩を掠めて血を流していた頭の傷も塞がっており、痕も残っていない。
自己治癒力が上がっているの?
知らぬ間に体内に膨大な生命力を溜め込んだクロエの肉体は常に活性化しており、どんな傷でも瞬時に回復する自己治癒力と不老不死に近い若返りの効果を得ていた。
また、本来であれば、身体強化によって、限界を超えた力を発揮すれば、筋肉や骨に負担が掛かり、反動で動けなくなってもおかしくないはずだが、常時壊れた筋繊維や骨を回復し補強して行く事で、動き続ける事を可能にしていた。
「ギギィッ!?」
圧倒的なクロエの力を見て、恐れを成したゴブリン達が我先にと逃げ出した。
「アハハッ!1匹も逃すわけ無いでしょ!」
狂気に満ちた表情で、クロエは殺戮の限りを尽くして、ゴブリンを始末して行く。
ゴブリンの血で全身を真っ赤に染めるクロエの姿は、まるで自分の黒歴史を血で塗り潰そうとしているかの様だった。
「後は・・・ボスを倒せば勝ちね!」
クロエが辿り着いたのは、最深部にある一際大きな部屋だった。
ボス部屋と言えば良いのだろうか?
そこは、クロエが身体に淫魔の刻印を刻まれた場所でもあった。
夢魔の女王リリスを祀る怪しげな祭壇が置かれた邪教の聖地。
そこにいたのは、不気味で巨大な怪物だった。
ゴブリンキング、クロエに淫魔の刻印を刻んだ張本人であり、この群れのボス。
長い髪とオーガの様な巨体を持つゴブリンの王は、まるで物語に出てくる魔王の様な風格をしていた。
「ほう、いつぞやの不良品の雌か・・・確か処分したはずだが?」
ゴブリンキングは、流暢に人語を話した。
それはつまり、それだけ知能が高いと言う事だ。
「お生憎様!こっちは前よりピンピンしているわよ!」
圧倒的な存在感を放つゴブリンキングを見上げて、クロエは胸を張って啖呵を切る。
しかし、その足は僅かに震えていた。
「なるほど、闇の力か・・・少し惜しいが、我が子供達を殺した罪、その命で償って貰う!」
ゴブリンキングは、全身に膨大な闇のオーラを纏った。
身体強化で向上した動体視力と反射神経により、ゴツゴツした岩肌の上でも躓く事無く、疾風の如く走り抜ける事が可能だった。
「ギギィッ!?」
一番手前にいたゴブリンが驚愕の表情を浮かべながら槍を突き出してきた。
しかし、今のクロエには、スローモーションの様に遅く感じた。
「アハハッ!遅過ぎ!」
クロエは、身を捻って槍を避けると、そのまま懐に潜り込み、ダガーナイフをゴブリンの胸に突き刺した。
肉を裂き、骨を砕く心地良い感触が手に伝わる。
暗黒物質で創られたダガーナイフは、触れた者の生命力を喰らう。
「ギィアアアアアア!?」
ゴブリンの断末魔が洞窟の中に響き渡る。
血と生命力を失ったゴブリンは、干からびたミイラの様になって絶命した。
「アハハッ!最高!」
ハイになったクロエは、返り血で真っ赤に染まりながら、次々とゴブリンを血祭りに上げて、命を喰らって行く。
「ゲギャギャギャ!!」
そこへ一際サイズが大きいホブゴブリンが襲い掛かってきた。
身長は2m近くあり、筋肉質な身体付きをしている。
コイツの事は覚えていた。
何度もクロエを個室に連れ出して、執拗にお尻の穴を犯してきた変態ゴブリンだ。
特に嫌だったのは、拾った木の棒や捕まえた昆虫をお尻の穴に入れて遊ぶのが好きなサイコ野郎だという事だ。
でも、そんなサイコ野郎に玩具にされているのに、感じてしまっている自分がもっと嫌だった。
陵辱されて、屈辱的な扱いを受けているのに、快感を覚えてしまう自分の身体が恨めしく思った。
まるで、蟻の巣に虫を入れて遊ぶ子供の様に私のお尻の穴を玩具にしてケタケタと笑うコイツの顔は忘れられない。
巨大なムカデをお尻に入れられた時は何度殺してやろうかと思ったか分からない。
やっと・・・復讐できる。
クロエは、暗黒物質で空中に漆黒の槍を創り出した。
「貫け!」
その瞬間、漆黒の槍が音速で放たれて、ホブゴブリンを串刺しにした。
「グオオオオ!」
お腹を貫かれたホブゴブリンは、岩に磔にされており、踠き苦しみながら、怒りの雄叫びを上げていた。
「うるさい!さっさと死ね!」
クロエは、更に5つの槍を創り出し、ホブゴブリンを貫いた。
両手両足を貫き、最後に股間を潰した。
ホブゴブリンが絶望の表情を浮かべながら干からびて行く姿を見て、私は深い溜息を吐いた。
清々しい気分だ。
この数ヶ月、腹の底に溜まり続けてきたドス黒いモノが流れ落ちて行く様なスッキリとした感覚にクロエは、笑みを浮かべる。
「ゲギャッギギィッ!」
1匹のゴブリンシャーマンが魔術を発動し、空中に岩の槍を創り出した。
「何それ、私を真似てるつもり?」
クロエが嘲笑うと、馬鹿にされた事に気付いたのか、ゴブリンシャーマンは、より強大な魔力を込めて、一本の巨大な石槍を生成する。
だが、ゴブリンシャーマンが石槍を放つより早く、クロエはゴブリンシャーマンの懐に踏み込んでおり、ナイフで首を切り裂いた。
「アハハッ!間抜けね!デカけりゃ良いってもんじゃないのよ!」
術師が死に、行き場を失った魔力が弾け飛び、岩の雨が降り注いだ。
「うわっ!?」
全方位への無差別攻撃が仲間のゴブリン諸共押し潰して行く。
クロエも慌てて逃げるが、拳大のサイズの岩の雹を全て避ける事は不可能だった。
「ふグゥッ!?」
石弾がクロエの頭を掠め、左脚に直撃した。
メキメキと肉が潰れ、骨にヒビが入る。
本来なら激痛で顔を顰めるのだが、淫魔の刻印を吸収したクロエには、夢魔の女王リリスの祝福が付与されており、痛みが快感に変換されてしまう。
しかし、違和感はそれだけでは無かった。
「傷が・・・治っている?」
まだ治癒魔術は使用していないのに、脚の青痣も骨のヒビも一瞬にして完治していた。
岩を掠めて血を流していた頭の傷も塞がっており、痕も残っていない。
自己治癒力が上がっているの?
知らぬ間に体内に膨大な生命力を溜め込んだクロエの肉体は常に活性化しており、どんな傷でも瞬時に回復する自己治癒力と不老不死に近い若返りの効果を得ていた。
また、本来であれば、身体強化によって、限界を超えた力を発揮すれば、筋肉や骨に負担が掛かり、反動で動けなくなってもおかしくないはずだが、常時壊れた筋繊維や骨を回復し補強して行く事で、動き続ける事を可能にしていた。
「ギギィッ!?」
圧倒的なクロエの力を見て、恐れを成したゴブリン達が我先にと逃げ出した。
「アハハッ!1匹も逃すわけ無いでしょ!」
狂気に満ちた表情で、クロエは殺戮の限りを尽くして、ゴブリンを始末して行く。
ゴブリンの血で全身を真っ赤に染めるクロエの姿は、まるで自分の黒歴史を血で塗り潰そうとしているかの様だった。
「後は・・・ボスを倒せば勝ちね!」
クロエが辿り着いたのは、最深部にある一際大きな部屋だった。
ボス部屋と言えば良いのだろうか?
そこは、クロエが身体に淫魔の刻印を刻まれた場所でもあった。
夢魔の女王リリスを祀る怪しげな祭壇が置かれた邪教の聖地。
そこにいたのは、不気味で巨大な怪物だった。
ゴブリンキング、クロエに淫魔の刻印を刻んだ張本人であり、この群れのボス。
長い髪とオーガの様な巨体を持つゴブリンの王は、まるで物語に出てくる魔王の様な風格をしていた。
「ほう、いつぞやの不良品の雌か・・・確か処分したはずだが?」
ゴブリンキングは、流暢に人語を話した。
それはつまり、それだけ知能が高いと言う事だ。
「お生憎様!こっちは前よりピンピンしているわよ!」
圧倒的な存在感を放つゴブリンキングを見上げて、クロエは胸を張って啖呵を切る。
しかし、その足は僅かに震えていた。
「なるほど、闇の力か・・・少し惜しいが、我が子供達を殺した罪、その命で償って貰う!」
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