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第1章
Twilight forest(3)
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小さな草原には草本が一面に広がっており紫と白の小さな花が群生している。
柔らかな風が吹くと同じ方向に草木が揺れ、それはまるで草原が一つの生き物のように波打って見える。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・。とりあえずは片付いたみたいだな。数が多かったから苦戦しちまった。ハァ、ハァ――。」
大の字になり浅い呼吸を繰り返す。耳の奥からはドクンドクンと心臓の音がひときわ大きく聞こえた。
大きな鷹を模した傀儡たちを何とか退けたテオたちは小道を抜け開けた草原で息を整えていた。といっても息が上がっているのはテオだけだ。
テオに担がれていたシリアはいいとして、目の前にいるセリカは呼吸ひとつ乱れていない。
「ハァ、ハァ、おいセリカ。お前、今さっきの魔法――」
先ほどセリカが放った魔法のことを聞こうとしたとき、傀儡の残骸を確認しに行ったシリアの興奮した声が届いた。
「テオ、セリカ!!来てください!!ラピス結晶のような物がありますっ!!テオ早く早くっ!!」
どうやら今回の目的の物を見つけたらしい。あの鷹がラピス結晶を付着させていた傀儡に間違いなかったのだろう。
セリカはシリアの声がする方へ歩いて行った。ヨッと言ってテオも立ち上がった。息はまだ上がっているがすぐに落ち着くだろう。
確かにセリカの詠唱無しの魔法は気になるが、それよりも自分たちが制した戦いによる戦利品を早く確認したい。そう思いセリカの後を追いかけた。
先ほどの小道には傀儡の塵が風に吹かれ跡形も無くなろうとしていた。その中をゴソゴソと探っていたシリアは手のひらに光る物体を乗せ2人に見せた。
「これですわ。教本に載っていたラピス鉱石と同じ色をしています。きっとこれがラピス結晶ですわ。」
シリアの手のひらには薄い黄色かかった欠片のようなものがあった。それは先ほどの戦いのことなど何も関係無かったかのように、汚れもなくキラリと輝いている。
「あれだけの数を倒してたった1つしか無いのかよっ!
チビっ子、これで本当に全部か?傀儡の残骸を全部確認したのか?」
地理的不利な状況もあったが数が多すぎる。1人だったら対処できなかったかもしれない。
そこまで苦労した結果が結晶1つだけとは納得がいかなかった。
「チビっ子って呼ばないでって言ってるでしょ!私たちがいた小道を引き返して確認したけど結晶っぽい物はこれ1つを除いて確認できませんでしたわ。」
今まで歩いてきた小道を見ながらシリアは言った。
確かに傀儡全部にラピス結晶が付着しているわけではないと言っていたが、ここまで入手できる確率が低いのか――。
改めて課題の難易度の高さを再認識しなければいけないのかもしれないとテオは思った。
同意が欲しくてセリカの方を見てみれば、何か思案に耽るような横顔が見えた。
「なぁ、この森には侵入してきた人間たちを排除しようとする生き物がいるのか?」
自分が考えていた事とは全く違う内容に一瞬毒気を抜かれたテオは、セリカの質問を復唱する必要があった。
しかしテオより先に質問に反応したのはシリアの方だ。
「そのような生き物は見たことはありませんけど――。
そもそもこの森は人間の手がほとんど入ってないので未解明の事が多いんです。この森に入ると生きて帰っては来られないという噂もありました。勿論、危険な場所から遠ざける目的で流された噂だとは思いますが――。
だからといってそれを信じる根拠というものもあるわけでないのです。」
「確かにそうだな。生きて帰って来られない理由が、迷って森から脱出できないからなのか、入ってきた人間を攻撃するような存在がいるからなのか――俺たちも具体的な話は聞いたことねーな。」
「ということは、そのような存在がいるかもしれないし、いないかもしれない。それをハッキリと答えられる材料も無いってことか・・・。」
と言って再びセリカは考えこむように一点を見つめていた。
「なにか気になることでもあるのですか?セリカ。」
セリカの質問の意図がいまいち伝わってこない。
「いや、私たちが最初に大量の鷹に襲われる前、ハッキリとした殺意の視線を感じたんだ。」
「え?!殺意ですか?」
「だから、あの傀儡たちだろ?完全に俺らを襲ってきたじゃないか。」
「てっきり私もそうだと思っていたんだが、あの鷹たちには殺意というものが伝わってこなかった。確かに攻撃はしてきたんだがそれは殺意とは全然違う、こう操られている意図的な動きといえばいいのだろうか。」
再び考え込むセリカにもハッキリとした答えが出ていないのだろう。
シリアとテオは初めての傀儡との遭遇で余裕が無かった故にセリカが感じた殺意の視線というものを感じなかった。
解答が出ない問題を目の前にしたかのように、3人は沈黙してしまう。
ザアアッと風が吹き抜ける音がする。さっきより風が強くなったようだ。汗ばんだ体にはちょうどよいが、長時間じっとしていたら体が冷えてしまうだろう。
3人は手に入れたラピス結晶を持ち、再び開けた草原まで歩いてきた。
セリカがピクっと反応する。そして森の先を睨むように見つめた。
「とりあえず進もうぜ。今はラピス結晶をあと2つ手に入れることが先だ。セリカ、今はその危険な気配は無いんだろう?」
体が冷えてしまうことを危惧したテオは体をストレッチしながらセリカに聞く。セリカは森の奥を見つめたまま動かない。
「あぁ、危険な気配はない。危険な・・・のはな。」
「何だよ、気になる言い方して――。他に何か気になることでもあるのか?特に何も感じねーぞ?」
テオは辺りをキョロキョロとしてみた。
セリカの含みを持たせた言い方が気になったシリアもセリカが見ている視線を追いかけた。特に何か見えるわけではない。相変わらず鬱蒼とした光景が広がっている。
視界は同じような色で埋め尽くされ、特に変化は見られない。だが一瞬だけ森の色とは違う影が動いたような気がした。
(ん?あれ?)
景色が歪んだ場所をジーッと目を凝らして見てみると、やはり何か人工的な動きをする部分がある。
「テオ!あそこに誰か居ませんか?」
テオの裾をグイグイっと引っ張って違和感を覚えた先を指さした。
背の大きさが違う2人の視線はなかなか合わないのでテオからは何も見えない。
テオはシリアの視線と同じにするべく膝を折りかがむように座った。
「え?どれだよ――。何も見えないぞ?」
「私、そんなに小さくないですって!!ほら、あそこですわ――あの二又の枝になっている木の奥・・・。セリカも見えますか?」
同じような木々たちが並んでいるため、特徴を伝えるのも一苦労だ。しかしセリカとシリアが見ている視線は一致している。
「あぁ、多分人だな。2人――?いや、3人か――?」
セリカとシリアに見えているものが自分だけ見えてないのは面白くないと感じたテオは更に目を凝らして見てみた。
シリアが差した方向には確かに二又に枝分かれした木があった。その奥には岩肌のようなものも見えるので岩壁があるのかもしれない。
ただテオにはやはり2人が言っている場所が分からなかった。
「あぁもう!!これだけ木がいっぱいありゃぁ分かんねーってっ!!もういい、見てくるっ!!」
テオは勢いよく立ち、2人が言う視線の先にズンズンと歩いていく。
「あ、テオ!危ないですわ!もしまた敵だったらっ――!」
勢いよく歩いていくテオを止めようとシリアは慌てて追いかけた。歩幅の大きいテオに追いつこうと小走りに駆け出す。
セリカは2人の様子を後ろから見ていた。そして先ほどの殺気の視線を思い出す。
(あの絡みつくような視線は何だったのだろうか。気を抜けば一瞬で狩り取られるような――。)
考え込むセリカを置いて、テオは目の前に広がる茂みを手や足でなぎ倒しながら進んでいった。道なき道を進んでいるため腕や顔に容赦なく葉っぱや枝が当たる。 (あぁ、くそっ!うっとおしいっ!!)と思いながらも、体に当たる枝をへし折り、草木を踏みしだいて足場を作りながら進んでいく。そうすれば後からくるシリアが歩きやすいと思ったからだ。
突然歩くスピードが遅くなったテオに追いついたシリアは目的の場所がよく見える位置までくるとテオに伝えた。
「ちょっと止まって!――ほら、あそこですわ。やっぱり人影が――。」
シリアの言葉にテオも足を止め、シリアが指さした方向を見つめた。
先ほど見えた岩肌は石の屋根のような役割をしている部分だった。小さな空洞の周りには緑が生い茂り、昔友達と作った秘密基地を彷彿とさせるような場所が見える。
そこには確かに2つの人影を確認することができた。向こうはまだテオたちには気づいていない。
(ん?あれって?)
ぎこちなく動くその人影に見覚えがあるテオは再び歩みを進める。
(あっ!ちょっと、テオっ――!!)
シリアの忠告も聞かずテオはその人影に近づいた。ガサガサと周りの草木が揺れる音を消そうともしないその動きは、完全に警戒心を解いたものだった。
そして向こうの人影もこちらに気づいたようだ。シリアはテオの後を追いかけるしかできない。
「何者だっ!!!」
敵意剥き出しの感情がこもった声にシリアは思わずビクッとした。そしてその声はテオたちの後方に居るセリカの耳にも届く。
「落ち着けって。やっぱり、エリスと菲耶じゃねーか。」
柔らかな風が吹くと同じ方向に草木が揺れ、それはまるで草原が一つの生き物のように波打って見える。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・。とりあえずは片付いたみたいだな。数が多かったから苦戦しちまった。ハァ、ハァ――。」
大の字になり浅い呼吸を繰り返す。耳の奥からはドクンドクンと心臓の音がひときわ大きく聞こえた。
大きな鷹を模した傀儡たちを何とか退けたテオたちは小道を抜け開けた草原で息を整えていた。といっても息が上がっているのはテオだけだ。
テオに担がれていたシリアはいいとして、目の前にいるセリカは呼吸ひとつ乱れていない。
「ハァ、ハァ、おいセリカ。お前、今さっきの魔法――」
先ほどセリカが放った魔法のことを聞こうとしたとき、傀儡の残骸を確認しに行ったシリアの興奮した声が届いた。
「テオ、セリカ!!来てください!!ラピス結晶のような物がありますっ!!テオ早く早くっ!!」
どうやら今回の目的の物を見つけたらしい。あの鷹がラピス結晶を付着させていた傀儡に間違いなかったのだろう。
セリカはシリアの声がする方へ歩いて行った。ヨッと言ってテオも立ち上がった。息はまだ上がっているがすぐに落ち着くだろう。
確かにセリカの詠唱無しの魔法は気になるが、それよりも自分たちが制した戦いによる戦利品を早く確認したい。そう思いセリカの後を追いかけた。
先ほどの小道には傀儡の塵が風に吹かれ跡形も無くなろうとしていた。その中をゴソゴソと探っていたシリアは手のひらに光る物体を乗せ2人に見せた。
「これですわ。教本に載っていたラピス鉱石と同じ色をしています。きっとこれがラピス結晶ですわ。」
シリアの手のひらには薄い黄色かかった欠片のようなものがあった。それは先ほどの戦いのことなど何も関係無かったかのように、汚れもなくキラリと輝いている。
「あれだけの数を倒してたった1つしか無いのかよっ!
チビっ子、これで本当に全部か?傀儡の残骸を全部確認したのか?」
地理的不利な状況もあったが数が多すぎる。1人だったら対処できなかったかもしれない。
そこまで苦労した結果が結晶1つだけとは納得がいかなかった。
「チビっ子って呼ばないでって言ってるでしょ!私たちがいた小道を引き返して確認したけど結晶っぽい物はこれ1つを除いて確認できませんでしたわ。」
今まで歩いてきた小道を見ながらシリアは言った。
確かに傀儡全部にラピス結晶が付着しているわけではないと言っていたが、ここまで入手できる確率が低いのか――。
改めて課題の難易度の高さを再認識しなければいけないのかもしれないとテオは思った。
同意が欲しくてセリカの方を見てみれば、何か思案に耽るような横顔が見えた。
「なぁ、この森には侵入してきた人間たちを排除しようとする生き物がいるのか?」
自分が考えていた事とは全く違う内容に一瞬毒気を抜かれたテオは、セリカの質問を復唱する必要があった。
しかしテオより先に質問に反応したのはシリアの方だ。
「そのような生き物は見たことはありませんけど――。
そもそもこの森は人間の手がほとんど入ってないので未解明の事が多いんです。この森に入ると生きて帰っては来られないという噂もありました。勿論、危険な場所から遠ざける目的で流された噂だとは思いますが――。
だからといってそれを信じる根拠というものもあるわけでないのです。」
「確かにそうだな。生きて帰って来られない理由が、迷って森から脱出できないからなのか、入ってきた人間を攻撃するような存在がいるからなのか――俺たちも具体的な話は聞いたことねーな。」
「ということは、そのような存在がいるかもしれないし、いないかもしれない。それをハッキリと答えられる材料も無いってことか・・・。」
と言って再びセリカは考えこむように一点を見つめていた。
「なにか気になることでもあるのですか?セリカ。」
セリカの質問の意図がいまいち伝わってこない。
「いや、私たちが最初に大量の鷹に襲われる前、ハッキリとした殺意の視線を感じたんだ。」
「え?!殺意ですか?」
「だから、あの傀儡たちだろ?完全に俺らを襲ってきたじゃないか。」
「てっきり私もそうだと思っていたんだが、あの鷹たちには殺意というものが伝わってこなかった。確かに攻撃はしてきたんだがそれは殺意とは全然違う、こう操られている意図的な動きといえばいいのだろうか。」
再び考え込むセリカにもハッキリとした答えが出ていないのだろう。
シリアとテオは初めての傀儡との遭遇で余裕が無かった故にセリカが感じた殺意の視線というものを感じなかった。
解答が出ない問題を目の前にしたかのように、3人は沈黙してしまう。
ザアアッと風が吹き抜ける音がする。さっきより風が強くなったようだ。汗ばんだ体にはちょうどよいが、長時間じっとしていたら体が冷えてしまうだろう。
3人は手に入れたラピス結晶を持ち、再び開けた草原まで歩いてきた。
セリカがピクっと反応する。そして森の先を睨むように見つめた。
「とりあえず進もうぜ。今はラピス結晶をあと2つ手に入れることが先だ。セリカ、今はその危険な気配は無いんだろう?」
体が冷えてしまうことを危惧したテオは体をストレッチしながらセリカに聞く。セリカは森の奥を見つめたまま動かない。
「あぁ、危険な気配はない。危険な・・・のはな。」
「何だよ、気になる言い方して――。他に何か気になることでもあるのか?特に何も感じねーぞ?」
テオは辺りをキョロキョロとしてみた。
セリカの含みを持たせた言い方が気になったシリアもセリカが見ている視線を追いかけた。特に何か見えるわけではない。相変わらず鬱蒼とした光景が広がっている。
視界は同じような色で埋め尽くされ、特に変化は見られない。だが一瞬だけ森の色とは違う影が動いたような気がした。
(ん?あれ?)
景色が歪んだ場所をジーッと目を凝らして見てみると、やはり何か人工的な動きをする部分がある。
「テオ!あそこに誰か居ませんか?」
テオの裾をグイグイっと引っ張って違和感を覚えた先を指さした。
背の大きさが違う2人の視線はなかなか合わないのでテオからは何も見えない。
テオはシリアの視線と同じにするべく膝を折りかがむように座った。
「え?どれだよ――。何も見えないぞ?」
「私、そんなに小さくないですって!!ほら、あそこですわ――あの二又の枝になっている木の奥・・・。セリカも見えますか?」
同じような木々たちが並んでいるため、特徴を伝えるのも一苦労だ。しかしセリカとシリアが見ている視線は一致している。
「あぁ、多分人だな。2人――?いや、3人か――?」
セリカとシリアに見えているものが自分だけ見えてないのは面白くないと感じたテオは更に目を凝らして見てみた。
シリアが差した方向には確かに二又に枝分かれした木があった。その奥には岩肌のようなものも見えるので岩壁があるのかもしれない。
ただテオにはやはり2人が言っている場所が分からなかった。
「あぁもう!!これだけ木がいっぱいありゃぁ分かんねーってっ!!もういい、見てくるっ!!」
テオは勢いよく立ち、2人が言う視線の先にズンズンと歩いていく。
「あ、テオ!危ないですわ!もしまた敵だったらっ――!」
勢いよく歩いていくテオを止めようとシリアは慌てて追いかけた。歩幅の大きいテオに追いつこうと小走りに駆け出す。
セリカは2人の様子を後ろから見ていた。そして先ほどの殺気の視線を思い出す。
(あの絡みつくような視線は何だったのだろうか。気を抜けば一瞬で狩り取られるような――。)
考え込むセリカを置いて、テオは目の前に広がる茂みを手や足でなぎ倒しながら進んでいった。道なき道を進んでいるため腕や顔に容赦なく葉っぱや枝が当たる。 (あぁ、くそっ!うっとおしいっ!!)と思いながらも、体に当たる枝をへし折り、草木を踏みしだいて足場を作りながら進んでいく。そうすれば後からくるシリアが歩きやすいと思ったからだ。
突然歩くスピードが遅くなったテオに追いついたシリアは目的の場所がよく見える位置までくるとテオに伝えた。
「ちょっと止まって!――ほら、あそこですわ。やっぱり人影が――。」
シリアの言葉にテオも足を止め、シリアが指さした方向を見つめた。
先ほど見えた岩肌は石の屋根のような役割をしている部分だった。小さな空洞の周りには緑が生い茂り、昔友達と作った秘密基地を彷彿とさせるような場所が見える。
そこには確かに2つの人影を確認することができた。向こうはまだテオたちには気づいていない。
(ん?あれって?)
ぎこちなく動くその人影に見覚えがあるテオは再び歩みを進める。
(あっ!ちょっと、テオっ――!!)
シリアの忠告も聞かずテオはその人影に近づいた。ガサガサと周りの草木が揺れる音を消そうともしないその動きは、完全に警戒心を解いたものだった。
そして向こうの人影もこちらに気づいたようだ。シリアはテオの後を追いかけるしかできない。
「何者だっ!!!」
敵意剥き出しの感情がこもった声にシリアは思わずビクッとした。そしてその声はテオたちの後方に居るセリカの耳にも届く。
「落ち着けって。やっぱり、エリスと菲耶じゃねーか。」
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