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第1章 蒼月の侍
一話 肥後攻略隊
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――――肥後――――
狂座第十二軍団 熊本城攻略隊第一中継地点ーー
城下に広がる広大な森林地帯。狂座第十二軍団は、熊本城攻略の足掛かりに、この森を中継地点として鎮座していた。
辺りを包む漆黒の闇。頭上で輝く満月が、やけに妖しく照らされた夜。
「あの話を聞いたか?」
火の番をしていた軍団員の一人が、同じく隣の軍団員に呟く。
「ああ、光界玉奪取に向かった当主直属部隊のアザミ様が亡くなられた、という話だろ?」
アザミの死亡は狂座全体の士気に影響する程、震撼する出来事であった。
「まだ信じられないよな……」
狂座最高の位である“当主直属部隊”。その中でも最強と謳われた“不死身のアザミ”のまさかの敗死。
「何でも特異点の仕業らしいな」
「まさか、四死刀以外にも特異点が居たとはな……」
かつての四死刀の脅威を思い出し、身震いする。
「それに比べて我々は楽な任務だな」
近日中にも熊本城を落とし、肥後の領土は完全に掌握出来るだろう。
特異点の居る光界玉奪取の任務に比べれば、赤子の手を捻る位容易い事。
理由は無い。上の命令に従うのみ。
「これも冥王様の退屈凌ぎの一環らしいが、我々軍団員程度に詳しい事情など分かる筈も無いしな」
狂座第十二軍団 熊本城攻略隊第一中継地点ーー
城下に広がる広大な森林地帯。狂座第十二軍団は、熊本城攻略の足掛かりに、この森を中継地点として鎮座していた。
辺りを包む漆黒の闇。頭上で輝く満月が、やけに妖しく照らされた夜。
「あの話を聞いたか?」
火の番をしていた軍団員の一人が、同じく隣の軍団員に呟く。
「ああ、光界玉奪取に向かった当主直属部隊のアザミ様が亡くなられた、という話だろ?」
アザミの死亡は狂座全体の士気に影響する程、震撼する出来事であった。
「まだ信じられないよな……」
狂座最高の位である“当主直属部隊”。その中でも最強と謳われた“不死身のアザミ”のまさかの敗死。
「何でも特異点の仕業らしいな」
「まさか、四死刀以外にも特異点が居たとはな……」
かつての四死刀の脅威を思い出し、身震いする。
「それに比べて我々は楽な任務だな」
近日中にも熊本城を落とし、肥後の領土は完全に掌握出来るだろう。
特異点の居る光界玉奪取の任務に比べれば、赤子の手を捻る位容易い事。
理由は無い。上の命令に従うのみ。
「これも冥王様の退屈凌ぎの一環らしいが、我々軍団員程度に詳しい事情など分かる筈も無いしな」
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