マリッジブルー

千歳 茜

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灯台もと暗し

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恋愛で出来た穴は恋愛で埋めるしかない。
私はまさにそのどツボにハマって、気が付けば
抜け出せなくなっていた。いい雰囲気になった
人も、結局は最悪な終わりを迎える。もう
恋愛をしたところで残っているのはボロボロ
で疲弊しきった心だけ。何もかもが嫌になる。
けれど、私はかろうじて生命を繋いでいる。
きっとそれは、あの日、全てに絶望して籠って
しまった殻をこじ開けてくれたあいつがいたからー



何も考えられなかった。突きつけられた
のは予想もしていなかった言葉。
「ごめん。俺気になる人がいるんだ」
私の事好きって言ってたんじゃないの?
気になる人ってなに?そんなことにも気付かず
彼と付き合えると思っていたのが恥ずかしくて
死にたいとだけしか言えない。
既に全身の血の気は引いていて、放心状態
のまま頭からぐるぐると思考が抜けていく。
終わった。私の恋は実らなかった。
もはや清々しさまで覚える失恋は、
私から生気を1滴残さず絞り取っていった。
雑然とする部屋のなかで宙を見つめていると、
スマホから間抜けた通知音が鳴った。
とても動く気にはなれず視線だけをやると、
とある男からメッセージが来ていた。

「生きてる?」

急に我に返る。思い返せば私は告白の

直前、この男に「万が一振られる事があれば
今夜は1晩中付き合え」と冗談混じりに
メールをし、振られた直後に「付き合え」
と端的な文を送ったまま放置していたのだ。
おもむろにメールを開く。
気が付いていなかったようで、1時間前
くらいにも、「おい」「え?」「振られた?」
「がちで?大丈夫?」と大量のメールが
来ていた。私はそんなものには気付かず
1人自室でうろたえていたのだった。
自分が振られた事実を誰かに説明する
事への嫌悪感と、誰かに話さないと気が狂って
しまいそうな狭間で揺すぶられた。
どう返事するか迷っていると、躊躇なく
スマホから着信音がなった。
考えれば考えるほど言葉がまとまらず
全くもってらちがあかないので、
電話に出て全てを説明することにした。


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