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第三章
第三章 1
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夕食を終えて美琴と高遠はすぐに自室へ戻った。まだ体調が優れないのか、食卓に明也の姿はなかった。付きっ切りで看病している十倉もおらず、長沢と三人でろうそくを囲みながらカップラーメンだけの食事はかなり侘しかった。
二人は渡された懐中電灯を間に置き、正面から向き合う。
「ねえ、明也くんが犯人なの?」
「は? ていうか、でかい声であまりそういうこと言うな」
「心配しなくても誰もいないか確認したよ!」
そういうが美琴はさっき廊下を確認しただけで、どの部屋に誰がいるのかまでは把握していない。明也の部屋は二階にあり、あんなに騒いだ十倉も同じ部屋にいるのだ。いくら部屋が離れているとはいえ、美琴の声は馬鹿でかいので届かないとは言い切れない。
「とりあえずお前は俺に聞かれたことを小さい声で答えろ」
「ええー、分かったよ」
「じゃあ、昨日の夜八時から九時までの間、何をしていて誰と会ったのか分かる範囲で答えろ」
「えええ! ちょっと僕のこと疑ってるの!? 酷くない!? これまで一緒に旅をしてきた仲なのに!」
「だから声がでかい。まずは身近からだろう。それに俺はお前のことを全く信用していない」
ジロリと目を向けられ、美琴は咄嗟に逸らした。前々から信用されていなかったが、まさか犯罪に関わっていると勘繰られていたのは意外だ。美琴は悔しそうに歯を食いしばり、思い出せる範囲で高遠に行動を説明する。
「えーっと、ご飯食べ終わって、リビングに声を掛けてからお風呂入った。それは高遠も知ってるでしょ?」
問いかけるも高遠は微動だにしない。
「お風呂から出たのが、えっと、八時二十分過ぎぐらいかな。時計見てないからそんなにはっきりとは覚えていないけど、布団に入ったのが八時半だったのは覚えてるからそんなもん。風呂から出て廊下で明也くんと会って、リビングで長沢さんと十倉さんにお礼を言ってから部屋に来て、高遠の邪魔しようと思ったんだけど、すっごく眠たくなったからすぐに寝ちゃったよ。雷の音で目が覚めて、明かりをつけていたはずなのに真っ暗で驚いて階段で高遠と会った。それだけ」
「俺はお前が寝てるのを見てないから、寝てるって言ってた間のアリバイはないな」
「えええー、寝てるのまで疑われるの? ひどーい」
「お前、時たま、夢遊病者みたいに寝てる間に徘徊するだろう。そのときの記憶は全くないしな。人を殺してたとしても覚えていないんだったらどうしようもない」
そんな小説を過去に読んだ記憶がある。オチは親友の嘘で罪を擦り付けられただけだったが、それになぞるのであれば犯人は高遠だ。そもそも霊が視えるから犯人が分かるなんて、一般人が聞けば失笑される。彼こそが犯人なのではないか、と疑われても仕方ない。
「まぁ、仮にそうだったとしても、寝ている間だけの時間で裏山へ行って帰ってくるなんてできないだろうがな」
「でっしょ! そういう高遠はどうなのさ」
「お前が風呂に入っている間は部屋にいたが、それを証言できる人はいない。俺が風呂に入ったのは八時半ぐらいだろう。二十分ほどで出て、それからリビングで長沢さんと話をしていた。風呂に出てからは長沢さんしか見ていない。アリバイがないのはお前が風呂に入っている時だけだが、その時間帯は全員の所在が確認できている。長沢さんがイブキ様を見たのは八時過ぎだと言っているし、明也くんはお前が風呂から出てきて見たのが最後だからな」
「高遠だってアリバイない時間があるじゃん!」
「とりあえずここから死体発見現場まで何分かかるか調べる必要があるな。証拠は雨でほとんど流されてるだろうし、移動時間が分からなければアリバイも何もない」
そう言うと高遠は立ち上がって風呂に入る準備を始めた。この話はここで打ち止め、と態度で表しているのに、美琴はまだうだうだと考え込んでいる。そんなに疑われたのが気に食わないのか。大半の人はアリバイを疑われるだけで不愉快になるだろうが。
「村の人は公民館に移動していたし、周りに人がたくさんいたからアリバイがある。明らかに怪しいのはこの家にいた人間だ。まずはこの家の人から何をしていたのか、もう一度聞かなきゃいけないな……」
「じゃあ、僕が聞いてくるよ!」
「はぁ!?」
美琴の申し出に高遠は驚きを隠せない。
「ほら、探偵にはよく優秀な助手がついてるでしょ? 僕は高遠よりも二歳も年上だし、対人スキルは僕の方が上でしょ!」
色々と突っ込みたいところがあるが、今はそれどころではない。
「役に立ちたいなら、この部屋から一歩も出るな!」
「じゃあ、ちょっと聞いてくるね!」
高遠の話などほとんど聞いていない美琴は勢いよく立ち上がると懐中電灯を掴み部屋を出て、明也の部屋に向かった。ノックもせずに扉を開けると、明也はベッドに眠っていてその隣にいる十倉がいきなりライトで顔を照らされて眩しそうに目を細めた。
「ど、どうかしましたか?」
「十倉さん。昨日の夜、何やってました?」
「……は?」
遠回しも何もない。直球で尋ねた美琴に十倉は何も分かっていないようだ。じれったくなった美琴は不快を露わにして「だから、昨日の夜、何やってましたか?」ともう一度尋ねた。それと同時に高遠が美琴に追いつき、思いっきり頭を叩く。
「不躾なことを聞いてしまいすみません」
美琴の頭を掴んで無理やり下げる。
「いたっ! ちょ、高遠、痛いって!」
「お前も謝れ」
「何でよ! 悪いことしてないじゃん」
美琴は無罪を主張するが、そう言う問題ではない。警察の関係者でもない美琴や高遠がアリバイなんて聞けば、大概の人は不審に思うだろう。
「……どうして早瀬さんがそんなことを聞くんです?」
当然の質問が飛んできた。表面は穏やかだが、心中ではどうだろうか。あんな直球で聞かれたらむしろ清々しいはずだが、疾しい人間からすれば鬱陶しいだけだ。
「山中さんから頼まれたんです。ただ聞き込みを手伝っているだけですよ。村人の一人である山中さんより、自分たちのほうが客観的に判断もできますしね」
高遠は咄嗟にそう言って十倉の不信感を少しだけ和らげる。山中に協力を頼まれたのは、彼自身の口から言ってもらうのが一番だが、こうなっては仕方ない。
「山中さんは私たちを疑っているのでしょうか」
「いえ、村の人、全員に聞くつもりです」
なるべく疑心を抱かれないよう丁寧に話すが、十倉の表情は晴れない。山中は事件の早期解決を望んでいるようだが、ふもとから警察がやってくれば死体の身元も分かりあっさり解決してしまいそうなものだ。高遠としてもあまり目立つ動きはしたくないもの、十倉に協力する話をしてしまったので動くふりぐらいはしないと逆に怪しまれる。ここで第二の殺人事件が起こりそうな殺意が、美琴に向けられていた。
「そういう話でしたら、山中さんのいる前でするのが一番でしょうね」
十倉は表情も変えずにそういう。
「そうですね」
自分たちを信用していないと言われているようだが、そんなものは予想済みだ。高遠も顔色ひとつ変えなかった。
「一階に下りましょうか。明也もようやく寝れたところですから、静かにしてあげてください」
昨夜の行動で一番気になるのは彼だが、ここで食い下がったとしても十倉が許すとは思えない。高遠は「分かりました」と返事をして美琴の首根っこを掴んで部屋を出る。こうでもしないとまた余計なことを言い出しかねない。高遠が探偵役をやりたくない理由の一つに美琴の存在がある。本人は協力しているつもりかもしれないが邪魔でしかない。
二人は渡された懐中電灯を間に置き、正面から向き合う。
「ねえ、明也くんが犯人なの?」
「は? ていうか、でかい声であまりそういうこと言うな」
「心配しなくても誰もいないか確認したよ!」
そういうが美琴はさっき廊下を確認しただけで、どの部屋に誰がいるのかまでは把握していない。明也の部屋は二階にあり、あんなに騒いだ十倉も同じ部屋にいるのだ。いくら部屋が離れているとはいえ、美琴の声は馬鹿でかいので届かないとは言い切れない。
「とりあえずお前は俺に聞かれたことを小さい声で答えろ」
「ええー、分かったよ」
「じゃあ、昨日の夜八時から九時までの間、何をしていて誰と会ったのか分かる範囲で答えろ」
「えええ! ちょっと僕のこと疑ってるの!? 酷くない!? これまで一緒に旅をしてきた仲なのに!」
「だから声がでかい。まずは身近からだろう。それに俺はお前のことを全く信用していない」
ジロリと目を向けられ、美琴は咄嗟に逸らした。前々から信用されていなかったが、まさか犯罪に関わっていると勘繰られていたのは意外だ。美琴は悔しそうに歯を食いしばり、思い出せる範囲で高遠に行動を説明する。
「えーっと、ご飯食べ終わって、リビングに声を掛けてからお風呂入った。それは高遠も知ってるでしょ?」
問いかけるも高遠は微動だにしない。
「お風呂から出たのが、えっと、八時二十分過ぎぐらいかな。時計見てないからそんなにはっきりとは覚えていないけど、布団に入ったのが八時半だったのは覚えてるからそんなもん。風呂から出て廊下で明也くんと会って、リビングで長沢さんと十倉さんにお礼を言ってから部屋に来て、高遠の邪魔しようと思ったんだけど、すっごく眠たくなったからすぐに寝ちゃったよ。雷の音で目が覚めて、明かりをつけていたはずなのに真っ暗で驚いて階段で高遠と会った。それだけ」
「俺はお前が寝てるのを見てないから、寝てるって言ってた間のアリバイはないな」
「えええー、寝てるのまで疑われるの? ひどーい」
「お前、時たま、夢遊病者みたいに寝てる間に徘徊するだろう。そのときの記憶は全くないしな。人を殺してたとしても覚えていないんだったらどうしようもない」
そんな小説を過去に読んだ記憶がある。オチは親友の嘘で罪を擦り付けられただけだったが、それになぞるのであれば犯人は高遠だ。そもそも霊が視えるから犯人が分かるなんて、一般人が聞けば失笑される。彼こそが犯人なのではないか、と疑われても仕方ない。
「まぁ、仮にそうだったとしても、寝ている間だけの時間で裏山へ行って帰ってくるなんてできないだろうがな」
「でっしょ! そういう高遠はどうなのさ」
「お前が風呂に入っている間は部屋にいたが、それを証言できる人はいない。俺が風呂に入ったのは八時半ぐらいだろう。二十分ほどで出て、それからリビングで長沢さんと話をしていた。風呂に出てからは長沢さんしか見ていない。アリバイがないのはお前が風呂に入っている時だけだが、その時間帯は全員の所在が確認できている。長沢さんがイブキ様を見たのは八時過ぎだと言っているし、明也くんはお前が風呂から出てきて見たのが最後だからな」
「高遠だってアリバイない時間があるじゃん!」
「とりあえずここから死体発見現場まで何分かかるか調べる必要があるな。証拠は雨でほとんど流されてるだろうし、移動時間が分からなければアリバイも何もない」
そう言うと高遠は立ち上がって風呂に入る準備を始めた。この話はここで打ち止め、と態度で表しているのに、美琴はまだうだうだと考え込んでいる。そんなに疑われたのが気に食わないのか。大半の人はアリバイを疑われるだけで不愉快になるだろうが。
「村の人は公民館に移動していたし、周りに人がたくさんいたからアリバイがある。明らかに怪しいのはこの家にいた人間だ。まずはこの家の人から何をしていたのか、もう一度聞かなきゃいけないな……」
「じゃあ、僕が聞いてくるよ!」
「はぁ!?」
美琴の申し出に高遠は驚きを隠せない。
「ほら、探偵にはよく優秀な助手がついてるでしょ? 僕は高遠よりも二歳も年上だし、対人スキルは僕の方が上でしょ!」
色々と突っ込みたいところがあるが、今はそれどころではない。
「役に立ちたいなら、この部屋から一歩も出るな!」
「じゃあ、ちょっと聞いてくるね!」
高遠の話などほとんど聞いていない美琴は勢いよく立ち上がると懐中電灯を掴み部屋を出て、明也の部屋に向かった。ノックもせずに扉を開けると、明也はベッドに眠っていてその隣にいる十倉がいきなりライトで顔を照らされて眩しそうに目を細めた。
「ど、どうかしましたか?」
「十倉さん。昨日の夜、何やってました?」
「……は?」
遠回しも何もない。直球で尋ねた美琴に十倉は何も分かっていないようだ。じれったくなった美琴は不快を露わにして「だから、昨日の夜、何やってましたか?」ともう一度尋ねた。それと同時に高遠が美琴に追いつき、思いっきり頭を叩く。
「不躾なことを聞いてしまいすみません」
美琴の頭を掴んで無理やり下げる。
「いたっ! ちょ、高遠、痛いって!」
「お前も謝れ」
「何でよ! 悪いことしてないじゃん」
美琴は無罪を主張するが、そう言う問題ではない。警察の関係者でもない美琴や高遠がアリバイなんて聞けば、大概の人は不審に思うだろう。
「……どうして早瀬さんがそんなことを聞くんです?」
当然の質問が飛んできた。表面は穏やかだが、心中ではどうだろうか。あんな直球で聞かれたらむしろ清々しいはずだが、疾しい人間からすれば鬱陶しいだけだ。
「山中さんから頼まれたんです。ただ聞き込みを手伝っているだけですよ。村人の一人である山中さんより、自分たちのほうが客観的に判断もできますしね」
高遠は咄嗟にそう言って十倉の不信感を少しだけ和らげる。山中に協力を頼まれたのは、彼自身の口から言ってもらうのが一番だが、こうなっては仕方ない。
「山中さんは私たちを疑っているのでしょうか」
「いえ、村の人、全員に聞くつもりです」
なるべく疑心を抱かれないよう丁寧に話すが、十倉の表情は晴れない。山中は事件の早期解決を望んでいるようだが、ふもとから警察がやってくれば死体の身元も分かりあっさり解決してしまいそうなものだ。高遠としてもあまり目立つ動きはしたくないもの、十倉に協力する話をしてしまったので動くふりぐらいはしないと逆に怪しまれる。ここで第二の殺人事件が起こりそうな殺意が、美琴に向けられていた。
「そういう話でしたら、山中さんのいる前でするのが一番でしょうね」
十倉は表情も変えずにそういう。
「そうですね」
自分たちを信用していないと言われているようだが、そんなものは予想済みだ。高遠も顔色ひとつ変えなかった。
「一階に下りましょうか。明也もようやく寝れたところですから、静かにしてあげてください」
昨夜の行動で一番気になるのは彼だが、ここで食い下がったとしても十倉が許すとは思えない。高遠は「分かりました」と返事をして美琴の首根っこを掴んで部屋を出る。こうでもしないとまた余計なことを言い出しかねない。高遠が探偵役をやりたくない理由の一つに美琴の存在がある。本人は協力しているつもりかもしれないが邪魔でしかない。
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