異世界陰陽録

蟠龍

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第1章 はじまりは突然に

まさかの

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ふふふふふ(´ω`)


にやけ顔が止まらない…!
そりゃさ、異世界生活だぞ?夢みたいじゃないか。

…俺は多分周りにドン引きされるような顔をしているんだろうけど


ゲンナイさんに異世界での生活を勧められ、一も二もなく了承した俺は先程の市役所(仮)からある所に連れられて来ていた。

喧騒

そこでは色々な武器を持った人や人以外がひしめき合っていた。仄かにアルコールの匂いも…今昼なんだけどな~
まぁ、ここではそんな堅いこと言う事もないか!

そうここはまさに
酒場兼クエスト受注所!!


ってことは……ドゥルルルルルル   ハバン

職業判定・・・・

があります!!!多分



笑い過ぎてほっぺた吊ったわ~

「クロガネ、だいじょーぶ…?」
心配してくれてありがとお兄さんは大丈夫だよリンファちゃんちょっと怯えてるねごめんね~


「おーいクロガネ!こっちだ。」

ゲンナイさんのそばにはエルフの可愛い女性が立っていた。いかにも事務員!って感じがいい。

「…初めまして。ミリヤと申します。本日は職業判定をしたいと伺ったのですが…」
ミリヤさんは笑い顔のままの俺を汚いもののような目で見る。ヤバイヤバイ結構きつい人かも


俺は自分の頬を思いっ切り叩いて初対面なのに暴落しそうな俺の印象を回復する事に務める。


「初めまして。クロガネです。新しくこの里に住むことになりました。宜しくお願いします!」

ミリヤさんが明らかに安心したような顔をした。


「そうですか!こちらこそ宜しくお願いしますね。それで、職業判定なんですけれども生まれた時には受けてないと?」

「いや、コイツはちょっと記憶があやふやならしくてな…」
ゲンナイさんが俺の代わりに説明してくれる。


「…そうでしたか。ではこちらの珠を。」
ミリヤさんに渡されたのは水晶玉のような大きめの透明な珠

「こちらを持って力を込めて下さい。色によって職業が分かります。」


俺は言われた通り珠を持ちながら考える。

陰陽道は魔法使いなのか?どちらかと言えば占い師なのか。

ま、これで分かるだろう!



約5分後
「…あの色変わんないんですけど。」

「…無色ですね…」
「無色だな…」
「無色だねぇ」
「むしょく?」

酒場にいた人達がいつの間にか俺の周りに集まってヒソヒソ話している。
これはあれだろ?伝説の勇者とかだろ?えっ違うの

ミリヤさんが俺を見る。
「クロガネさん。貴方は無色です。」

ん?俺は別に透明人間でもなんでもないぞ?無色とか無色とか無色とか


無職むしょく



泣きたい。



異世界に来て2日目、俺は無職になった。
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