異世界陰陽録

蟠龍

文字の大きさ
9 / 20
第1章 はじまりは突然に

俺の好青年計画が

しおりを挟む

「むしょく…」
思ったよりもダメージがデカイ。

魔法使いじゃなくてもいいから…剣士とかでもいいから…
異世界にもニートは居るのかな…



「でっでも!クロガネは火を出してたんだよ?!ボゥって!!」
リンファちゃんの声が響く。

「火、ですか。でしたらクロガネさん、貴方の魔法をここで実演できます?




クロガネさん?」


「…あ…はい…」
まだぼーっとする頭のままホルダーから札を出す。
ちなみに霊符ふだはリーシャさんが乾かしてくれていた。

急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう


霊符はガスバーナーの様に勢いよく燃えた


「うぉっ!」
火傷するかと思った…
今ので一気に頭が冴えた。やっぱり霊符が使えるのは間違いじゃないみたいだ。


「たっ!確かに魔法のようですが…!?」

「魔法以外の何物にも見えねぇなぁ。」
ミリヤさんはゲンナイさんと顔を見合わせた。


「珠が壊れてるってことは無いのかい?」
「それは無いと思います。この珠は魔力で動くので。」

試しにリーシャさんが珠を手に取ると橙の光が灯った。
「確かに生活を司る橙の光。私は《料理人》だから合ってるねぇ?」

リーシャさんの職業は料理人なのか。道理であんなにご飯が美味しい訳だ!!
あと橙の光は生活を司るらしいが細かい判断はどうやってやっているのか気になる。


「クロガネさん。少し気になったのですが、きゅっ。きゅうきゅうにょつりょう?というのが魔法の詠唱ですか?あまり聞いたことのない呪文なのですが…」

惜しい!


「一応そうですけど…」
仕方ない。なんかめんどくさいから少し言っちゃうか。


「正直に言うと、この火は俺の力じゃありません。火の神様、精霊?の力をお借りしているだけです。この霊符には神様の力が込められていて俺達陰陽師はこの霊符を使って、穢れ払いを神様の代わりにしている訳で。御先祖様は元々神通力などの力を持っていたかも知れませんが、俺達には特別な力も有りませんし代々続けてきただけなので」





ん?俺言い過ぎた?
喋りすぎた??



皆の顔を伺う。



「…おんみょう?」

リンファちゃんが首を傾げ俺を見る。
可愛い。そう言えばリンファちゃんって何歳なんだろう。


肩に重みが増した。Why?
It's because…ゲンナイさんが俺と肩を組んでいるから。


「お前さん、俺達になんか隠してるだろ?」





リンファちゃんの無邪気な瞳
リーシャさんの心配そうな目
ミリヤさんの刺すような視線
ゲンナイさんの怖すぎる笑顔
周りに広がってゆくざわめき




「…スミマセン」



俺の豆腐メンタルは異世界に来ても補正されないようです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

処理中です...