神官の特別な奉仕

Bee

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24※ 窮地を救う

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 ノーマは仄かな蝋燭の明かりの中、腕を縛られたまま、後ろからマクシムにいいように弄ばれていた。

 静まり返った室内には、男のハアハアという荒い息遣いとごそごそという衣擦れの音が響く。

 マクシムは背後からねちっこくノーマの首筋を吸い、肌の感触を確かめるようにその手はノーマの体を弄っていた。

 時折、その肌を直接見たいがために、服を捲りあげては蝋燭の明かりに照らし、凝視しては弄るを繰り返す。それは何度も繰り返され、その不快な行為にノーマは耐えていた。

 全身を撫でられ、明かりに素肌を晒され、とくに背中のぬめぬめとした感触には吐き気すら覚える。

 マクシムは胸の頂も執拗に嬲る。まだ未開発だったソコは何の快楽も与えず、身悶え一つしないノーマにマクシムは不満そうに「声を出せ」と要求し始めた。


 不快感しかないのに声など出せるか! とノーマは内心憤った。できるものならマクシムの手を振りほどいて、すぐにでも逃げ出したい。

 そうこうしているうち、好感触を得られぬことに痺れを切らしたのか、マクシムはいきなりノーマの下衣に手を入れ、陰茎を引きずりだした。


「!!」


 ノーマは咄嗟に前屈みになり、手からなんとか抜けだそうとしたが、マクシムはそれを"感じている"と勝手に解釈したようだった。

 はあはあと嬉しそうにへこへこと自分のおっ勃ってたモノを布越しにノーマの尻の割れ目へ擦り付けながら、ノーマのまだ柔らかい陰茎を嬲り始めた。

 かわいいかわいいと、耳元で荒い息を吐きながら囁き、ぐにぐにと陰茎を揉み扱く。
 しかしいくらやってもノーマの前は反応しない。
 ただ眉間に皺を寄せ、時折うっと息を漏らす程度で、喘ぐどころか声も出さない。


「ノーマ、緊張しているのか?声、出していいんだぞ?」


 マクシムが変に優しい口調でノーマに問いかける。いくら撫でられても不快感と恐怖ですっかり萎えてしまっているので、反応するはずもない。

 それでも無言で耐えていると、マクシムの手が離れた。

 諦めたのか?とノーマが警戒していると、ガサゴソと何やらポケットを探っている音がする。
 そしてなにやら小さな丸い粒を手のひらに乗せ、ノーマに差し出した。


「……っ!」


 ノーマは息を呑んだ。
 これは、あの神殿でノーマたちに与えられていたあの丸薬だった。


「あのクソ野郎が持ってたのを取り上げたんだ。こいつを後ろに入れてやるとノーマ、君はこれを喜んで受け入れてくれるらしいな」


 そう言って、早く受け入れて欲しいと言わんばかりにゴリゴリと尻に自分の勃ったモノを押し付けた。


「この薬は、君が寝ている間にこっそり拝借したとあいつは言っていたな」


 ノーマはゾッとした。

 まだ体からあの薬による支配が消え失せたわけじゃない。医者からはもう絶対に摂取するなと言われている。

 それにアレを入れてしまえば、マクシムをその身に完全に受け入れることになる。

 ノーマはマクシムを力一杯振りほどき、逃げようとするが、足がもつれて転倒し思いっきり体を強打した。

 その場で呻いていると、背後からマクシムが息を荒くしながらうつ伏せの状態でノーマの腰を引き上げ、尻を高く上げた姿勢で抱え上げる。


「い、いやだ!いやだ!それだけはいやだ!!」


 恐怖にかられ必死にもがいて逃げようとするが、マクシムの力は意外と強い。縛られ、体勢の悪いノーマでは太刀打ちできない。

 下衣が引き下げられ、マクシムの手が直に尻に触る。

 マクシムはうっとりとその柔らかな感触を確かめるよう手のひらで揉み撫で擦ると、後孔の窄まりを探りあて指で丸薬を押し入れた。


「————っひ!」


 ノーマの体が緊張と恐怖で固まる。

 あまりに体が強張っていたため、指を奥まで突っ込むことができず、マクシムは荒々しく指をねじこもうとした。




   △△△




「貧民街をしらみつぶしにあたりましたが、アンバー様の仰っていた男らしき者はおりませんな」


 サーシャが獲物を追いかける肉食獣の如く鋭い目付きで周囲を見渡しながら、そうアンバーに報告した。

 貧民街では警吏らも巻き込み、賊どもを取り押さえに掛かったが、ノーマと関係のありそうな例の男だけは見つからず、それどころか居場所を知っている者すらいなかった。


「おい!てめえこの辺り長えだろーが!知ってるんじゃねーのかっ!」


 娼館から連れて来た男らもこの辺りに長く住み着いている者を捕まえては怒鳴りあげ、聴取をするが要領を得ない。

 中にはつい最近まではこの辺で見たという者もいたが、やはりここ数日は見ていないという。


「奴めどこかに隠れておりますな」


 この辺りではないどこかにノーマを連れ潜伏している。早く見つけなければ手遅れになる。 アンバーは焦り苛立ちを募らせた。


 そんな中、ふいに警吏の一人が声をあげた。


「あれ?神殿にあんなのありましたかね」


 その声にアンバーとサーシャが神殿の方に顔を向ける。


「なんだ?なんのことだ」
「ほら、あれですよ。ステンドグラスですかね、あれ。ぼんやり光ってませんか」


 目を凝らしてみると、確かに屋根付近に色のついた窓らしき物が仄かな月明かりの下、ぼんやりと浮かびあがっている。

 ノーマがなんとか外に合図を送りたいと灯した蝋燭の明かりが、すぐ上に嵌められたステンドグラスから仄かな光となって外に漏れていたのだ。


「!」


 ステンドグラスの明かりを目に捉えた瞬間、サーシャが猛然と走り出した。 

 神兵が神殿占拠後、中を検めたのは他でもないサーシャだ。建物内部、鼠一匹も逃さぬ勢いで調べ上げている。

 そのサーシャがあの光を異変と捉えたのだ。

 アンバーもその場にいた者に指示をし、サーシャを追いかけたが、追いついた時にはすでにサーシャが塀から屋根に飛び移り、ステンドグラスをぶち抜いて中に飛び降りていた。




   △△△




 ガシャーーーーーン!!

 と天井のステンドグラスが割れ、その後すぐに何かがズドンっと重い地響きを立てて落ちてきた。


「!?」


 マクシムもノーマも急な出来事に驚愕し、動きを止め、音のした方を凝視した。


「……これはこれは、お邪魔でしたかな」


 割れたステンドグラスなど物ともせず、月光を背後にのっそりと立ち上がったのは、真っ赤な髪を怒りで逆立てたサーシャだった。

 いきなり落ちてきたのが一体なんなのか理解できず、ノーマは呆然と見上げていた。
 そして、それが助けにきたサーシャだと理解すると急に涙が溢れだした。


「サ、サーシャ様……!」
「ノーマ殿、遅れてすまぬな」


「……近づくな!!」


 サーシャが近付こうとすると、マクシムがノーマの体を抱き起こしサーシャから遠ざける。

 縛られたまま服は捲れ上がり、下衣はずり下げられ、尻と陰茎は丸出しと、何とも情けない姿をサーシャの前に晒すことになり、ノーマは羞恥でマクシムを睨みつけたが、この姿が逆にサーシャの怒りに火を付けた。

 ズカズカと近寄ると、ノーマを掴みマクシムから引き剥がすと、マクシムの体を思いっきり蹴り飛ばした。

 物凄い音を立ててマクシムの体は吹っ飛び、閉鎖のため積んであった祈りの場の椅子と備品の塊に突っ込むと、マクシムはその勢いで備品を崩しながら倒れこんだ。

 そしてノーマは、マクシムから引き剥がされた勢いそのままにサーシャの背後に振り払われたが、気がついたら床に強打することなく、何か柔らかいものにうまいこと抱きとめられた。


「大丈夫か」
「……アンバー様」


 見上げるとアンバーがそこにいた。


「遅くなってすまなかった。……また酷いことをされたな。怪我はあるか?」
「ア、アンバー様! 早く、早く尻からあれを取ってください!! 丸薬が!!」


 アンバーが縄を解いてやると、ノーマが泣きながら痺れ震える腕で縋り付いた。

 ノーマの尋常ではない様子にアンバーは何ごとかをすぐに悟り、ノーマを膝に抱き抱えると尻の窄まりに指を当てた。

 幸い指を入れたすぐ先に丸薬があり、グリッと掻き出すだけで無事取り出す事ができた。

 丸薬はノーマの体液で滑ってはいたが、原形はとどめており溶けている様子はない。


「ノーマ、大丈夫だ。まだ溶けてはいない。安心しろ。……無事で良かった」


 怯え縋り付くノーマを自分の長衣で包むと、しっかりと胸に抱き込んだ。 




 二人のそんな様子を尻目にサーシャは、備品に突っ込んだマクシムに近づくと、脳震盪でも起こしたのか動かないマクシムの髪を掴み、 乱暴に顔を引きあげた。

「其の方に聞きたいことがある。ノーマ殿と一緒にいた男を暴行したのはお前か」

「……」


 マクシムは呻き声を上げるだけで、答えない。 
 まだ意識が朦朧としているようだ。

 するとサーシャは無言で男の襟首を掴みあげると、アンバーに声をかけた。


「アンバー様、この男、私めにお任せ頂いて宜しいでしょうか」


 本当であればアンバーも報復してやりたいところだが、普段あまり見せないサーシャの怒気に、今回は譲ることにした。


「ああ、お前に任せよう。 できれば殺すな。責任はとらせなければな」
「御意に」


 口の端を片方だけ持ち上げ、普段みせることのない恐ろしいほど冷徹な笑みを浮かべると、サーシャはマクシムを引きずって、頑丈に封鎖されたはずの祈りの場の扉を、数回蹴り上げただけで破壊し出て行った。


 開け放たれた扉からは、外から月の光が差し込み、光の道を作る。


「大丈夫か、 本当にどこも怪我はないのか」


 心配そうに涙でぐしゃぐしゃのノーマの顔を確かめる。

 そして血がこびりつき、バリバリになっているところを見つけると、 小さく舌打ちした。


「早く店に戻ろう」
「アンバー様、スルトは?!スルトは無事なのか!?」
「それも店に戻ってからだ」


 スルトを心配し取り乱すノーマを宥め、抱いたまま立ち上がると、扉から外へ出た。


 外にはアンバーが連れて来た娼館の男らが待っており、祈りの場からノーマを抱えて出てくると駆け寄ってきた。

 アンバーがそのうちの一人に医者の手配を、そして他の者に警吏へ知らせに行くように伝えると、あとはサーシャに任せ、皆で帰途についた。
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