5人の旦那様と365日の蜜日【完結】

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
28 / 42

婚約者ではない人は強行に出る


 突然開いた扉に注目が集まった。メリッサはともかく、ラシードと会った事が無いアルメリア夫人や侍女達は、突然の訪問に青褪めていた。

「な、何ですか!貴方方は!!」
「………ラ、ラシード殿下………何故此処に……」
「メリッサ様、お逃げ下さい!!」


 侍女達がメリッサの前に阻む様に塞がるが、入口はラシードが立つ扉のみ。許可も無く前触れも無い訪問を許されるのは、王族のみの部屋なのだ。他国の王族だとしてもゲーデル国内では許してはいない行為。

「メリッサに用がある」
「でしたら、その場所からお話を!メリッサ様に近付く事は何人たりとも許可出来ません!!」

 アルメリア夫人はラシード達の前でも堂々たる態度。武装している兵士が廊下に居るにも関わらず入って来たラシード達をかなり警戒していた。警備の兵士達が易易とメリッサの部屋に入れる事はないからだ。

「邪魔するなら、やれ」
「はっ」
「!!」

 バシッッ!!

「アルメリア夫人!!」

 ドサッ!

 アルメリア夫人が侍従に殴り倒されたのだ。侍女達もその一撃で震えてしまう。床に唸り声を出し身体をピクピクと震わすアルメリア夫人の衝撃は凄かったのだろう。

「誰か手当てをして!!…………ラシード殿下!!この様な行為、私は許しませんよ!!お話ならこの部屋でなく、警備兵に囲まれた場所で話を伺います!!」

 メリッサもこの不利な状況をどうにかしなければ、と思い、打開策を模索する。しかし、アルメリア夫人へ手当てをしに駆け寄った侍女も気絶する様に床に倒れた。ラシードの侍従が、侍女とアルメリア夫人の口と鼻に布を当てて気を失わせていたのだ。

「!!」

 メリッサを囲む侍女達もそれを見てしまっては、近寄る事も恐怖を覚えてしまう。

「眠らせただけだ……邪魔だからな。用事があるのはメリッサただ1人…………他の侍女達も捕まえて眠らせろ」
「!!………キャー!!」
「止めて!!」
「止めなさいよ!!ラシード殿下!!」

 しかし、ラシードの侍従の男達の力に敵う訳が無く、残る侍女達も床に倒れ込んでしまう。

「縛っておけよ、そいつら………縛ったらこの部屋から出ておけ」
「………………手短に用事を済ましたら、出てってくれるなら、私も抵抗しない………だけど………近寄らないで!!」
「王女にしては、気が強い物言いだなメリッサ」

 徐々に距離を縮めるラシードに後ずさるメリッサ。この状況下で王女らしさ等見せて何になるのか、とメリッサは答えた。

「ふん!私はね!10年間12歳迄、しがない商人の娘として育ってきたのよ!王女の身分を隠してね!お淑やかな女を求めるなら他の女に行きなさいよ!!婚約者になりたい、てアンタ言ったけど、お断りよ!!シュザリア国の王子なら、カイエン1人で充分でしょ!!話は終わり!!とっとと国に帰れ!!」

 手当たり次第、物を掴みラシードに向かって投げていくメリッサ。しかし、侍従達もまだ居る部屋で逃げ回る事等難しく、アルメリア夫人達を縛り終えた侍従にメリッサは捕まってしまった。

「メリッサの手首を縛れ」
「!!」
「さぁ、コレで抵抗出来まい?」
「近寄るな!!」
「今度は足技か?………クククッ……」

 背中に腕を回され、手首を縛れてしまったメリッサは、ジタバタとラシード目掛けて足で蹴ろうとするが、足さえも掴まれてしまった。

「放して!!」
「お前にはを産んで貰う………カイエンでもなく、他の婚約者でもなくな………」
「…………婚約の儀もしていない男と寝れるか!!」
「俺にはゲーデルのしきたり等関係はない。何ならこのままここから連れ出してシュザリアに連れ帰ってもいいんだが?」
「………あ、愛情も感じない男なんてゴメンよ!!それに、王位継承権を持つのは私しか居ないんだから、絶対にお断り!!シュザリアに帰れ!!」
「なら、今ここで抱かれろ………子供出来る迄注いでやる」
「夫にもなってない男とシてたまるか!!それに、この部屋で房事する事は出来ないのよ!!」
「俺には関係無い」
「!!」

 胸ぐらを掴まれたメリッサは、足首を解放されても抵抗出来ないまま、部屋のベッドに押し倒された。

 ビリッビリッ!!

「!!」

 ドレスを破り割かれ、コルセットをラシードに晒す。アルメリア夫人との勉強は、淫靡なドレスでなかった事が幸いしたのだが、メリッサにとって、この状況はまだ最悪の事態。ラシードに馬乗りにされ、足をバタつかせても、手が自由にはならないので藻掻くだけなのだ。

「廊下で見張ってろ」
「はっ」

 ラシードが侍従達に指示を出し、残されたのはメリッサとラシード、縛れ睡眠薬を嗅がされたアルメリア夫人や侍女数人。助かる術が見つからなかった。

「悲鳴を挙げても、この部屋だと誰も気が付かなさそうだな」
「一体、どうやって入ってきたのよ!兵士達は無事なんでしょうね?」
「兵士の心配より、自分の心配したらどうだ?15歳という歳でなかなか魅惑的な身体をしていたお前に、俺は珍しく興味が湧いた………喜ばせてくれそうで楽しみで仕方ない」
「きゃっ!!」

 ビリッビリッ!

 コルセットに手を掛けられ、ナイフで切り裂かれてしまった途端、胸迄晒したメリッサ。その胸には幾重にも連なる、うっ血痕。明け方迄、4人の婚約者に貪られた証明をラシードに見せ付けた。その淫靡な痕の胸を見たラシードはニヤリ、とほくそ笑んだのだった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。