お見合い、そちらから断ってください!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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事の解明

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 亜里沙は彬良夫婦のマンションに連れて来られた。そこには羽美、紗耶香、茉穂が心配して、子供達と待っていた。

「亜里沙さん!無事だったのね!良かった!」

 妻達は旦那の心配はしている素振りもない。

「怪我は無い?」

 茉穂が、亜里沙の身体を掴み、確認をしている。

「大丈夫です、殴られて口の中切れたぐらいだから」
「良かった~」
「旦那さんを心配しないんですか?茉穂さん」
「あぁ、大丈夫よ………寧ろ相手を心配したわ……彬良強いから……ただ、刃物チラつかせられたら、本当に相手が心配」
「え…………?」
「あぁ、俺ね刃物恐怖症なのよ。向けられたら、相手ボコスカ殴ってたと思う」
「棒だったから良かったよな」

 彬良の言葉に、裕司はネクタイを外し、ポケットに入れながら亜里沙に説明する。

「見つけてくれてありがとうございました……本当、如何なるかと……」
「それ言うなら律也に言ってよ……全部指揮したの律也だし」

 その律也はというと仰々しく、鞄からPCやタブレット端末を数台出している。

「彬良、テーブルに置かせてもらうぞ」
「あぁ、いいぞ……説明すんだろ?」
「そう………亜里沙さんには知らせてなかったからね………予め説明すると、あっちも警戒して止めちゃうから」
「………え?まさか私囮にしたんですか?」
「………結果的にはなっちゃうね………でも、遅かれ早かれ、君の妹が酷くなる前に解決したかった問題だろ?」
「…………そうですね……」

 律也はPC画面を亜里沙に見える様に向け、説明を始めた。

「仕事しながらだったから、駆け付けるのが遅くなったんだけど、場所、日時はもう分かってたんだ」
「…………え?」
「ただ、どうやって亜里沙さんをあの場所に連れて行くのかは、分からくてね……GPSをつけて貰ってたから、仕事しながら亜里沙さんの位置を把握して、会社で待機してたんだ」

 PC操作で、地図と交通情報を示すサイトを開く律也。

「亜里沙さんのGPSで会社から出た時点の映像を保存しておいた……見てご覧……おかしくない?」
「…………会社の……工場入口の道路に車1台も通ってない………迂回してます?」
「そう………この1本の道路だけ、通行止めにしてあった………だが、亜里沙さんの車が出た途端、亜里沙さんが進んだ方角だけ行けない様にまた封鎖されている………逆方向に、会社から皆出てくだろう?」
「……………あ……」
「そこで、道路工場情報があるか確認したら、ガスも水道も電気も予定は無い」
「ターゲットは私だけだから……」
「そう……連れて行かれる場所は分かってたから、予め航や裕司に、そこの場所に隠しカメラは付けておいてもらってたんだけど、まさか車毎拉致されるとは分からなくてね……警察に保護を頼むにも、亜里沙さんは妹が指示出した証拠迄も出したくないんじゃないかと思って、万里紗さんの誘導を逆手に取ったんだ」
「…………逆手に?」

 律也は、万里紗が亜里沙を傷付けろ、拉致しろ、とは言ってはいない。学友達に話した事を、学友達は勝手に判断してやった事だと、万里紗はしようとしたのなら、それはそのままにして、実行者達だけを捕まえさせればいい、と話す。
 万里紗と学友達を離してしまえば、もう万里紗を擁護する者も居ない。

「まぁ、警察も馬鹿じゃないからね、万里紗さんの話も学友達からでるだろうけど、な彼女の話等信憑性も欠ける事も多いからね………彼女に警察の取締が掛かる前に、精神病院に送っちゃったから、まぁその辺りは心配しなくていいよ」
「え!万里紗を病院に連れて行けたんですか?」
「あぁ………誘き出して」
「………誘き出して………?」

 その言葉に律也以外の男達は目を背けた。

「想像通りだよ、亜里沙さん………この3人をにした」
「…………万里紗を誘い出して、病院に?」
「ホイホイついてきたんだろ?航」
「……………ま、まぁな」
「全く、てめぇが動けっての律也」
「俺が動いたら緊縛しちゃうだろ?………全く唆られない女を緊縛するなんて、ポリシーに欠けるどころか、自分のプライドが傷付くね………それに俺が一番頭を使ったんだ、肉体労働は君達に任せた、て言ったろ?暴れ足りなかったみたいだから、それを妻達に癒やしてもらってくれ」
「「「…………」」」
「ちょっと!律也さん!彬良にそういうの吹き込まないでくれる!?」
「そうですよ!律也さん!………あ、ほら!ほくそ笑んでる!」
「羽美は、今日俺のな………分かるよな?」
「っ!」
「り、律也さん………あの……そういうの、本当困るんですけど………裕司だって……ほら……」
「紗耶香さんも相手してやって」

 緊縛等という言葉で察した亜里沙だが、恋愛ゲーム好きだった亜里沙には、想像出来てしまう。

 ―――速水さん、彬良さん、裕司さん………鬼畜で絶倫なんだ………きっと……

 羽美と紗耶香、茉穂は律也を詰っている横で、律也は至って平然と亜里沙を見た。

「亜里沙さんも、航を労ってやってね、一番の功労者だから」
「…………な、何て事を…………あ、当たり前じゃないですか!わ、私の為だったんですから………でも、速水さん達は違うと思います!ご協力本当に感謝してますが、奥さん達が旦那さん達をこの事で労うのは違うと思いますよ!」
「亜里沙…………放っとけ……こいつ等はだから慣れろ」

 航が亜里沙の肩をポンポンと叩く。諦めて付き合えと、言っている様だった。
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